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3月日本代表戦力確認と長友佑都復帰&伊東純也を「守る」に対する代表チームの思考法

3月の日本代表が発表されました。第二次森保体制が発足してちょうど一年、名波浩コーチや前田遼一コーチ的にも丸々一年、日本のA代表プロジェクトに参加したこととなります。
FC東京のSB長友佑都選手がカタールW杯ぶりに、NECナイメーヘンのFW小川航基選手が2019年のE-1選手権ぶりに代表へ復帰した点と負傷組のWG三笘薫選手(ブライトン)やDF冨安健洋選手(アーセナル)らが選出外となる中、スタッド・ランスのWG伊東純也もかねてからの状況を踏まえて選出外となりました。既にミルアカでは会見・メンバー発表から一時間も経たない内に動画はあげましたが、
・長友佑都選手の電撃復帰と戦力分析
・伊東純也選手の選出外対応は妥当性に足るという認識
を書いていきます。
特に戦力分析的な前半は無料部分で出していきますので、ご一読いただければと思います*
逆に、「そこはいいんだよ!伊東純也のところが知りたいよ!」という方は、前半はすっ飛ばして見に来てください*

◎大迫敬介か鈴木彩艶か│戦力分析GK編

サンフレッチェ広島のGK大迫敬介選手が代表に戻ってきたことで、守護神争いは激化。あのドイツ戦を経験し、現在国内首位を走る広島の守護神GK大迫敬介かアジアカップの守護神GK鈴木彩艶か。特に今週末はサンフレッチェ広島vsヴィッセル神戸(GK前川黛也)の試合もあるため、代表守護神の座争い的にも注目はあることでしょう。おそらく今後は、負傷から復帰したGK中村航輔(ポルティモネンセ)や移籍して一定の立ち位置を回復したGKシュミット・ダニエル(ヘント)に加えて、GK谷晃生(FC町田ゼルビア)も立場や状況が回復したことで、代表への復帰は考えられます。北朝鮮はまず、「大迫vs彩艶」の構図と、前川黛也がどこまでこのプロジェクト内で食らいつく存在になるか、になるでしょう。

◎それぞれの立場の回復│戦力分析CB・SB編

CB板倉滉選手はアジアカップ・イラン戦、CB谷口彰悟選手はアジアカップ・イラク戦のリベンジ、DF町田浩樹選手とDF渡辺剛選手は公式戦での先発連続起用に踏み切ることができると首脳陣が判断できるほどまで自分の立ち位置を回復できるかどうかでしょう。
二試合とも同じ相手となるため、戦術的な展開は同様。カタールW杯・コスタリカ戦のような、5-4-1ブロックを破壊するための試合になるでしょう。一発のカウンターや終盤のロングボール対応でのミスは絶対にあってはなりません。

SB菅原由勢選手・SB伊藤洋輝選手に関してもこの話は同様で、大会途中にそれぞれがSB中山雄太選手、SB毎熊晟矢選手に奪われてしまった部分があります。ただ、その毎熊選手にとってもイラン戦を踏まえればリベンジの今回。さらにいえば、プレミアリーグへステップアップしたDF橋岡大樹選手にとっては守備的な起用、跳ね返しの強さという観点ではいずれのサイドバックを凌ぐほどのデータも残しており、独自の立ち位置を築けるかに焦点が当たります。
ただそれ以上に重要なのはSB長友佑都選手の立ち位置でしょう。両SB・両WBをこなすことができ、運動量と幅取りという観点では年齢を問わず随一でしょう。今冬移籍した選手は、かつての森保監督のログを紐解いてみても招集する確率は低いため、DF森下龍矢選手(レギア・ワルシャワ)やDF明本考浩選手(ルーヴェン)は次回以降の選出に期待したいですね(逆にだからこそ橋岡選手が選ばれたことは期待の表れとも言えそうです)。
その長友選手、複数ポジションや運動量、幅取り等の選手的側面に加えて、存在的価値からの選出の側面もありそうですが、この観点は後半に残しておきます。

◎大きな変化は少なそうな中盤│戦力分析MF編

守備的なMFとしてはMF遠藤航選手、MF守田英正選手、MF佐野海舟選手に加えて、元旦の代表戦からの復帰となったMF田中碧選手&MF川村拓夢選手、攻撃的なMFとしてMF南野拓実選手とMF久保建英選手の選出となりました。負傷の旗手怜央選手らが外れただけのため、このポジションは序列変化があったわけではなさそうです。
強いて言えば守備的なMFの枚数が1枚の場合、守田英正選手ではなく、デュッセルドルフでの起用法を考えれば、田中碧選手がアンカー側の起用になるだろうなと。

◎やはりワイドウインガーとして…│戦力分析FW・WG編

かねてからの予想通り、WG相馬勇紀選手が代表に復帰しました。負傷中のWG三笘薫選手、招集外のWG伊東純也選手らを呼ぶことができず、さらに北朝鮮は低い位置でのボール奪取を主軸とし、将棋で言う「アナグマ」な戦術を採用してくることから、日本のウインガーは今回、ワイドレーンで相手サイドバックを引っ張り出す動きが求められます。前田大然選手や浅野拓磨選手は代表でこそセンターフォワード起用が多いものの、クラブチームではウインガーとして出場中。ストレートに伸びるアクションは可能な選手のため、新選出の必要はなかったのでしょう。

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