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【六川亨の視点】2024年2月17日FUJI FILM SUPER CUP ヴィッセル神戸vs川崎フロンターレ

FUJI FILMスーパーカップ  神戸 0(0-0)1 川崎F
13:35キックオフ 国立競技場 入場者数52,142人
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シーズンの到来を告げるFUJIFILM SUPER CUPが2月17日に国立競技場で開催され、川崎フロンターレが1-0でヴィッセル神戸を下して3年ぶり3回目となるタイトルを獲得した。決勝点は後半3分、右FKからMF瀬古樹の入れたクロスがゴール前に流れるところ、GK前川黛也は右手で弾いたものの、これを川崎F陣内へクリアしようとしたMF山口蛍のキックは突進してきたファンウェルメスケルケン際の身体に当たって神戸ゴールに飛び込む「不運な形から失点した」(吉田孝行監督)もの。しかし、クロスを入れたりシュートを打ったりすれば何が起こるかわからないのがサッカーでもある。むしろ神戸の問題は、負傷のFW武藤嘉紀以外はほぼベストメンバーながら「いつもの早い展開に持って行けなかった」(吉田監督)ことだろう。

対する川崎FはACLとの連戦から「今日は大幅にガラッと変わった」(鬼木達監督)メンバーながら、FWバフェティンビ・ゴミスは昨シーズンに比べて運動量が増え、的確なポストプレーで攻撃の起点になった。彼以外にも新加入のMFゼ・ヒカルドは的確なポジショニングで攻守をけん引し、19歳のMFパトリッキ・ヴェロンはFW起用にも指揮官の期待に十分応えたと言える。唯一の不安材料は甲府から新加入の左SB三浦颯太か。5万人を越す大舞台でのプレーに萎縮したのか、持ち味であるタテへの推進力を発揮できなかったが、「これも経験」と割り切った方がいいだろう。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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