名GMが一刀両断!【J1クラブ補強診断】マリノス、川崎に感じる変革の難しさ。浦和と鹿島の明暗。FC東京の覚悟と町田の本気<後編>
いよいよ開幕が迫る2024シーズンのJリーグ。移籍動向もひと段落した1月下旬、東京ヴェルディ、千葉、町田などでGMを歴任し、現在はY.S.C.C.でSFP(シニア・フットボール・ピープル)としてアドバイザーを務める唐井直氏に主要なJ1クラブの補強をプロの視点で診断してもらった。
記事は前編・後編の2回に分けて、前編は無料公開とします。
取材・構成/西部謙司
【主な内容】
・手堅いも華がない? ヴィッセル神戸
・集団的指導体制が吉と出るか? 横浜F・マリノス
・未知数も期待できる補強の浦和レッズ
・現状は失敗感が漂う鹿島アントラーズ
・危険な賭け?に出たFC東京の覚悟
・ブラジル人次第か? 変革の風が吹く川崎フロンターレ
・唯一無二、サンフレッチェ広島の伝統とは?
・守備陣刷新も織り込み済み?の名古屋グランパス
・引き算から入らないFC町田ゼルビアの異質と本気【全2本】
・名GMが一刀両断!【J1クラブ補強診断】「日本の移籍市場は監督、選手を使いまわしているだけでマーケットが狭い」<前編>【無料公開】・名GMが一刀両断!【J1クラブ補強診断】マリノス、川崎に感じる変革の難しさ。浦和と鹿島の明暗。FC東京の覚悟と町田の本気<後編>
■手堅い神戸。横浜FMに感じる変革の難しさ
━━昨季王者の神戸、2位の横浜F・マリノスも補強はしていますが、上積みというより穴埋め的な感じがします。
唐井 神戸は優勝チームで、すでに大きな柱はできています。計算できるところからスタートしていて、冒険する必要がないということでしょう。
━━絶対的な柱である大迫勇也と競合するFWは獲りませんでしたが、バックアップとしては強力な宮代を補強。大きなケガをした齊藤未月の穴埋めとして、これまた実績のある井手口陽介。すごく手堅い半面、基本は現状維持ですよね。
唐井 柱があるのでサポートできる人材を獲って継続という感じでしょうか。ただビッグクラブがこれでいいのか。華がない印象はいなめません。
━━横浜FMはいかがでしょう。
唐井 こちらもやや一休み感はありますね。情報はシティ・フットボール・グループ(CFG)から入って来るのでしょうが、CFGの保有株式は20%なので、集団指導体制になっています。CFGの絡みは代理人が噛んでいないので意外とそんなに高すぎる移籍金は払っていない。ただ、(ポステコグルー監督時代に)大きな成功があって世界的な評価を確立するチャンスだったのですが、CFGの中の歯車になってしまっている感はあります。1つのチームのサイクルはおよそ5~6年で、次のサイクルを作るには監督を代えるか、選手を入れ替えるかということになりますが、大きな変化を起こしにくくなっていたのかもしれません。どうしても成功体験にしがみつく。黄金時代より、その少し前のほうが強かったというのはよくありますけれども、上手くいっているときに変革を行うのは簡単ではないということでしょう。
■浦和と鹿島の補強における明暗
━━浦和レッズの編成はいかがでしょう。ノルウェー人のヘグモ監督を招聘し、昨季の守備の柱だったホイブラーテン(ノルウェー)、ショルツ(デンマーク)に加えて、グスタフソン(スウェーデン)、ソルバッケン(ノルウェー)とスカンジナビア人脈という新しさがありますが。
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