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【田村修一の視点】2024年2月3日アジアカップ イラン代表vs日本代表

アジアカップ 決勝トーナメント バーレーン代表1(0-1)3日本代表
20:30キックオフ エデュケーションシティスタジア 入場者35,640人
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アジアカップ準々決勝は日本がイランに敗れ、5度目のアジア制覇はならなかった。

日本の完敗だった。互いに慎重な出だしから、先に攻撃を仕掛けたのはイランだが、先制点は日本だった。中盤から攻め上がる大きな動きで得点を決めた守田は、結果的にこの試合でただひとり気を吐いた日本人となった。

以降、イランの中盤の強化とロングボール攻撃に悩まされる日本は、次第に守勢に回るようになり、後半に三笘と南野が投入されても状況は変わらなかった。イランに制空権を握られ、個の戦いでも後れを取って得点機会をほとんど作れずにイランにPKを与え万事休した。

ロングボールにペースを乱された戦略的・戦術的な敗北である以上に、気持ちを全面に出した身体の戦いで遅れを取った敗北は、4年前のアジアカップ決勝でカタールに敗れたときの繰り返しだった。どうすれば森保ジャパンに土をつけられるかを、世界に向けて示した敗北でもあった。何よりも日本の戦う気持ちが伝わってこない。構造的な弱点の克服はあるのだろうか。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。

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