悲観すべき敗戦ではない
この敗戦をどう捉えるべきか。惜敗ではない。優勝が懸かった一戦で完敗なのだ。繰り返して言おう、日韓戦である。前半を見る限り2年前の再現を思わせる内容だった。
今回の選手構成をみると、両チームともドメスティックな選手たちが中心となっている。日本はJリーグ、韓国はKリーグとJリーグでプレーをする選手が主体だ。韓国のエースのインボムは、北米リーグでプレーをしており、両チームを通じて唯一、非アジアのリーグでプレーをしている。
韓国の初戦の香港戦で、インボムはFKから先制点をたたき出した。キックのバリエーションが多く、縦にも、両サイドにも、ピンポイントでボールを配給できる判断力と、技術力が備わっている。そして決定力に関しても、日韓のどの選手よりも優れているのは明らかだった。違いが判るプレースタイルが、初めて見る彼にはあった。
カメラマンの直感としては、インボムと、Jリーグでは結果を出せなかったナサンホが絡む左アウトサイドが、今回の韓国のストロングポイントと見ていた。案の定、そこを突かれて日本は早々と失点を喫した。
そこまでは仕方がない。2年前の韓国がそうだったように、日本に失点してから韓国は火が付いた。日本はどうだったか。打ち返せない。なされるがまま。ああ〜、情けない。
韓国が、日本と同じように繋げてきたら、日本も対処できただろう。球際に激しく行けるからだ。しかし韓国は空いたサイドのスペースを執拗に攻めてきた。対応力がまるでなっていない日本。さあどうする。森保監督は、試合中選手が考えるサッカーを求めているが、考える時間がないほど、日本は動かされていたのだろうか。それとも、監督が求めているものは、ないものねだりの要求なのか。
後半、日本にボールを持たせて速攻を狙う軸足に、韓国はシフトしてきたが、それでも日本は決定力を作れなかった。相変わらずナサンホが水を得た魚のように躍動していたが、仲川はピッチの底に沈んだままだった。
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