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[Fリーグ2016/2017]フウガドールすみだ・須賀雄大監督「ベストバウトとは思いませんが、充実感はありましたし、今までフウガがやってたことは体現できているのかなと思います」(2016/9/28)

 

SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017 第13節
名古屋オーシャンズ 5-5 フウガドールすみだ
2016年9月3日(土) 小田原アリーナ 観客数:1,103人

この試合はFリーグ10年の中でのベストバウトという声もあがったほどの名勝負となったことはフットサルファンであれば周知の事実であるが、フットサル関係者ののみならず、サッカー関係者からも反響を呼んだ試合となった。

 

 

 

 

 

フウガドールすみだは9月12日に練習を再開させたが、今回、9月22日という小田原セントラル・名古屋オーシャンズ(以下名古屋)戦から約20日後というタイミングでフウガドールすみだの練習見学をさせていただき、練習前に選手に、練習後に監督にインタビューをさせてもらった。

須賀雄大監督は前記の試合後の記者会見で以下のように試合を振り返った。
「お疲れ様でした。非常に悔しい引き分けになったなというのが率直な気持ちです。時間もあるので、急に切り替えるのではなくて、この試合を勝ち切れなかったことを改めてゆっくり改善していけるようにしたいなと思っています。ただ、今季相手選手や監督だったり、いろいろな方から”勢い”といわれることが多かったです。今日の試合をものにすれば勢いではなくて実力と認めてもらえるかなと思っていましたし、自分たちの自信になると思っていました。そういう意味ではこの引き分けは監督である僕の責任であると思っています。選手たちは十分名古屋と張り合える選手がそろっていることに胸を張ってほしいなと思っているので、後期に向けて、改めてリーグ優勝を目指せるチームと確信しています。しっかりと立て直してまた改めて勝っていけるようにしていきたいと思います」

「急に切り替えるのではなく、ゆっくり改善していけるように」とあるが、この日の練習・練習後のインタビューでもその言葉を体現しているように感じた。

須賀監督は名古屋戦・試合後の当サイトの個別インタビューでは「今日の試合は勢いで勝つのではなくて地力で勝つことが目標だったので、そういう意味で名古屋にとって、(すみだが)そういうチームになることはすごく大事だと思います。例えば、1発勝負になると怖いけど、リーグ戦は怖くないではなくて、普段からフウガとやるときは警戒しないといけないと思われるようなチームになっていくことがこのリーグを盛り上げる1つの要因になると思うので。そこは目指したいですね」と強い気持ちを語ってくれた。

「リーグで名古屋は1試合消化試合が少ないとはいえ、ただ順位表の中で上の中で戦ったこと」に関しては「自分たちのほうがポイントが上で戦うという、そういう試合だと彼らに意識させたうえで勝つのが目標でした。(名古屋は)自分たちが上のときは80%くらいで戦うと思います。逆に名古屋が下の順位のときは絶対に落とせないメンタリティーの中で戦うと思います。その中で勝つことが目標だったので。そういう意味ではそういう状態で勝てるチャンスのあった試合だったと思っています」
須賀監督は毎試合テーマを明確にしているが、あの試合に関してはそういった意味があったとのことだ。

テーマを持って試合を進めるうえで細かいマネジメントが必要となってくるが、練習後のインタビューでも須賀監督のマネジメント能力の高さを再認識することとなった。
以下は須賀雄大監督の練習後インタビューとなる。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

Pivo!:小田原セントラル・名古屋戦から少し時間がたちました。あの試合をベストバウトと呼ぶ声があります。勝てなかった悔しさがある反面、好ゲームであった認識もあると思います。今振り返り、監督としてはあれはベストバウトでしたか?

 

 

須賀:僕自身、正直、終わったときの気持ちがベストバウトというよりは、選手たちに勝利をプレゼントできなかったという後悔のほうが強いです。映像を観て、やはりそれはかなり深まりました。3-2の後のパワープレイの守備に関しては強い名古屋だからこそもっと徹底するべきでした。僕らはボックスとダイヤをうまく使い分けて、今季パワープレイで追いつかれることは1回もなかったのですが、そこの部分で、名古屋が強いからこそ徹底して、シンプルにやるべきだったなと今でも後悔しています。そういう意味では、ほかのところはシンプルにできていたのがすごくよかったところです。そこだけ、すごく難しくしてしまいました。そこの部分で選手に迷いを生じさせてしまったと思っているので。改めて、そういうところに関してもっとレベルを上げれたと思いますね。
もちろん、あそこで点が入ったからこその5-5のドラマがあるのですけど、あそこで仮に入ったとしても、あれはしょうがないというような、陣形も整っていて、個人の力で崩された失点の仕方ならいいと思いますけど、5-5の状態での崩しというのはマネジメントをしている僕の責任が大きいと思うので、先ほどいった部分もレベルが高い状態、守備がオーガナイズされた状態でかつ、獲られて獲り返してだったら、僕もベストバウトといえたと思いますが、まだ改善の余地がかなりあるのでそこに関しては悔しいという気持ちが強いです。

Pivo!:守備がオーガナイズしきれなかったのですね。

 

 

須賀:ある意味ですけど、チームがこれから成熟していけば、逆にあいまいさが相手に脅威だと思います。やっぱりはっきりしているほうが相手もはっきりしやすいので。今自分たちの状況見て、パワープレイの守備を考えたときにトレーニングの環境だったり、時間を考えると、それに多くの時間を割けていない以上、もっとシンプルな守り方だったり、はっきりとした守備の仕方のほうが合っているのかなと思ったので、そこに関しては修正をしていきたいなと思っています。

Pivo!:引き分けは監督の責任だと記者会見でありましたが、その部分は試合後分析した後もやはりそうだなということですね。

 

 

須賀:そうですね。それはそのとおりだという自分の分析だと思うし、試合後にいいゲームだったと拍手はできなかった理由はそこだったなと思っています。

 

 

 

 

Pivo!:練習前にフウガの選手に話を聞いたら、楽しんで練習をしているのだと知りました。実際観てみると楽しんでましたし、本当の試合をしているような感じもありました。それがすみだの練習の醍醐味ですか?

須賀:今は特に試合がない週なので。試合のない週は本当に全力で向かうという。そういう状況もあって今日はさらにインテンシティ―もモチベーションも高いトレーニングだったと思います。それを差し引いてもトレーニングは試合のためだと思います。どこへ行っても。ただ、じゃあその日の意味はそれだけかというと、それは違くて、1日1日というのを大事にするという意味では好きな仲間と一番やりたいことをやっているという気持ちというのはすごく大事だと思います。そこに関してはトレーニングがただのトレーニングにならないことはすごく大事だと思うし、それをチーム全体としてつくっています。トレーニングを試合のためだけといったら、試合に出ない選手は意味がないのかというと違うし、その1日ですら、もしかしたら、公式戦と同じくらいの満足感が得られる瞬間があるかもしれない。それくらいの気持ちで練習をやっていくことはすごく大事だなと思いますね。

Pivo!:西谷選手はデウソン神戸から来て、ボラ選手も入ったり、稲葉選手も前身のチームにいたとはいえ、バルドラール浦安から来た中で、みんな同じ方向を向けている。クラブのアイデンティティーを理解している。そこのマネジメントはどう意識していますか?

須賀:僕はそれが特別なことだとは思わないので。チームというのは同じ方向を向いてこそはじめて意味があるし、同じ方向を向いていなければ、どれだけいい選手がいても勝ちに結びつかないと思うので、そういう意味では彼らがそうしているのはある意味普通のことだし、普通のことを普通にいつも積み重ねているという感覚ですけどね。

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