[湘南・相根監督]基本こそ選手の宝物。監督初年度はエイトとピヴォ当てだけでチームを作った(2014/1/30)
相根澄湘南ベルマーレ監督。フットサルのイタリアセリエAでプレーした最初の日本人選手であり、日本代表でチームを牽引したキャリアを持つ。
相根監督には折に触れて貴重な話を聞いてきた。時には、公表をはばかられるほど率直な話もあったりするが、その中で、就任初年度(2012/2013シーズン)のチームづくりの話は極めて興味深いものだった。リーグは最終盤を迎えて熾烈な戦いの真っ最中だが、チームづくりという永遠普遍のテーマに触れるのも貴重だろう。エイトとピヴォ当てという基本中の基本を徹底してやった相根監督の話に耳を傾けてほしい。
まとめ◆デジタルピヴォ! 山下
日本の将来のために選手を育てたい
Pivo! 湘南ベルマーレの監督として就任した昨シーズン、どんなチームづくりをしたのか。
相根 僕が湘南の監督に就任して初年度はリーグ戦で失点してもいいからチャレンジをしました。フットサルの基本のエイトとピヴォ当てを徹底してやったんです。もちろん、当然それは経験のある市原、藤井(現・町田)、小野はそんなのわかってるよっていう状況なんですけど、若手が今のスペイン式の4枚並んでそこからの展開していくという、いろんな戦術が当たり前のようにあって、いろんな監督が日本に来られて勝つための戦術というのはいろいろ与えていると思うんですけど、そうではなくて、まず4枚並んでやる前に、そこでピヴォに当てたらチャンスだよということを知らないでそこに入っていってるんで。やっぱり、日本の将来も考えて選手を育てたいという部分で、それをやることで最終的には勝つようになったときに、何物にも代えられない宝物になることは分かっていたし、そういうメンバーもいたので、それをやったんですけど、(初年度は)なかなか勝てずに苦しい時期を過ごしました。でも、狙いどころをはっきりさせたいなと、そういうことを若手にも知ってもらってフットサルを積み重ねていきたいなと思っていたので徹底してやりました。
Pivo! 地味な作業だ。
相根 もっと簡単にできることかなって思っていたんですけど、チームに合流して初めて会う若手の選手が多かったから、そうはいかなかった。去年の湘南にはボラ、小野、岸本、藤井、ジオゴというベテラン選手がいたじゃないですか。だからもっと自然体でいけるかなと思っていたんですけど。彼らがどうこうというわけではななくて、(若手とベテランが)融合するのに時間がかかったなと思いますね。
Pivo! 若手の中に、基本中の基本をやることに戸惑いもあった?
相根 それはなかったと思いますけど、意図が分からなかったんじゃないかな。タイミング悪くやることで、ひとり、タイミングがずれるだけで流れが変わるじゃないですか、フットサルって。それを分からない中で若手は最初やってたと思うんですけど。昨年でいうとPUMA CUPのあたりで、刈込、内村、安藤といった若手が台頭してきました。
ピヴォ当てあってのクアトロ
Pivo! エイト、そしてピヴォ当てから入ったのは、まず基本を再確認するため?
相根 そうですね。絶対にそれが、後々プラスになるというのは自分の経験上分かっていたので。
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