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【田村修一の視点】2024年4月22日 U23アジアカップ U23日本代表vsU23韓国代表

AFC U23アジアカップ カタール2024 U23日本代表0(0-0)1 U23韓国代表
22:00キックオフ ジャシムビンハマドスタジアム 入場者2,683人
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U23日本代表がU23 韓国代表に敗れ、グループリーグ2位でノックアウトステージに進んだ。

 

日本がUAE戦からスタメン7人を換え、韓国は中国戦からスタメン全員を換えて臨んだターンオーバーの試合は、前半はともに消極的だった。勝ち点、得失点差、総得点がすべて同じチーム同士の戦いは、90分で決着がつかない場合はPK戦でどちらが1位になるかを決める。準々決勝に備えて無理はしない。消耗戦だけは避ける。PK戦での決着もやむ負えない。両チームともに、そんな危険回避の姿勢が見える戦い方だった。

 

後半は多少積極的になったとはいえ、慎重な戦いぶりは30分の韓国の先制点まで続いた。以降、日本が猛攻を仕掛けるが、粘り強く守る韓国に最後までゴールを割ることができなかった。結果、日本の準々決勝の相手はカタールに決まった。

 

最大のノルマである五輪切符獲得に向けて、ベスト8で当たるのはカタールとインドネシアではどちらが戦いやすいのか。カタールには地元の利が、インドネシアにはグループA最強のヨルダンを圧倒した勢いがある。また、準決勝での対戦が想定されたサウジアラビアは、日本を避けたのかイラクに敗れて準々決勝は反対のヤマに回った。残るグループリーグ最終戦、グループDではウズベキスタンとベトナムが、ベスト8でサウジアラビアとイラクのどちらを選ぶかの戦いをこれからおこなう。

 

それぞれが思惑を胸に秘めながらのグループリーグの後に、パリ五輪出場権獲得という目的のための戦いが始まる。韓国に敗れたとはいえ3試合でGK山田を除く全選手の先発出場を実現した大岩は、「やるべきことはすべてできた」と手応えを口にした。日本の真の姿、チームの全貌をノックアウトステージでは見せて欲しい。

 

 

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。

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