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【六川亨の視点】2023年8月12日 J1リーグ第23節 FC東京vs京都サンガF.C.

J1リーグ第23節 FC東京2(1-0)0京都サンガF.C.
19:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数23,162人
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ピーター・クラモフスキー監督が就任してから、FC東京はJ1リーグで4勝1分け1敗と盛り返している。その原動力は、京都戦でも2-0と完封したように、6試合中5試合をクリーンシートで終えていることだ。理由は簡単で、「割り切っている」からである。アルベル前監督のようにボールポゼッションにはこだわらない。この日の試合でも、京都の3トップが前線からプレスをかけに来たら、無理してパスをつながず中盤を省略して1トップのディエゴ・オリヴェイラにパスを出し、カウンターの起点として活用した。

0-2とリードされた後半17分、曺貴裁監督は190センチのFW木下康介、191センチのFW原大智を、さらにその7分後には189センチの得点源パトリックを投入して反撃に転じた。するとクラモフスキー監督はディエゴ・オリヴェイラに代えてCB木本恭生をDFラインに投入。森重真人、エンリケ・トレヴィザンとの3BKで京都の3トップを封じつつ、さらに両SBも下げて逃げ切りを図った。「我々としては自分たちのフットボールをしっかりやること」とは試合後のクラモフスキー監督。前任者とは対照的なリアリスティックな指揮官は、FC東京のDNAにマッチしているかもしれない。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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