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【森雅史の視点】2023年6月11日 J2リーグ第20節 FC町田ゼルビアvsV・ファーレン長崎

J2リーグ 第20節 町田 4(2-0)1 長崎
14:03キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数3,983人
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前線に強力なFWを擁し、相手のボールを奪うと素早く攻める。その点において両者の特長は似ているが、この日に差が出たのは「徹底」という部分だった。前線のエリキ、ミッチェル・デュークを含めて町田は守備のカバーが徹底されており、相手へのアプローチも早かった。そのプレスのせいで長崎は次第に疲弊していく。カバーリングが遅くなり、人数は足りていてもスペースを空けてしまうようになってしまった。30分、エリキからのパスをミッチェル・デュークが蹴り込むと長崎の勢いは急に削がれ、どんどん後手に回っていく。その動きが鈍った相手を町田は容赦なく攻め立て、63分までに4点を奪うと、84分にペナルティエリアないの不用意な反則でPKを与えて1点を失うものの、3点の差を付けて逃げ切った。

町田の奥山政幸は「僕たちのベースをみんなが徹底できたからの勝利。前線2人のスペシャル、個性が生きた。1失点は余計だったが、それも次につなげたい」と胸を張っていた。なお、ミッチェル・デュークはオーストラリア代表に合流するため一時的にチームを離れるが、15日の北京でのアルゼンチン戦しか予定されていないため、18日の栃木戦への出場にも意欲を見せていた。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

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