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[無料]ゾットが大勝、他の3試合はいずれもドロー! -関東リーグ1部開幕節-

ゾットのメンバーとして関東1部に復帰し俊足ぶりを遺憾なく発揮した#10中井健介。リーグを代表するプレーヤーだ。

 

試合に先立って昨季の優勝チーム、バルドラール浦安セグンドからリーグへ優勝杯の返還式が行われた。

 

引き続き優勝杯のレプリカが浦安に授与された。

 

2023年6月4日(日) 東京ドームスポーツセンター東久留米   
(PHOTO、TEXT 山下浩正)

 

第25回関東フットサルリーグ1部 Powered by PENALTY 開幕節4試合が6月4日、東京ドームスポーツセンター東久留米(東京都東久留米市)で行われた。試合は開幕戦でゾットが府中に力の差を見せつけて圧勝したが、第2試合以降の3試合はいずれもドローという結果となった。個人的に久々に見た関東1部は熱くそしてきっ抗した試合の連続。この日試合のなかったバディランツァーレ(下位リーグ3位)、1部・2部入替戦で残留を決めたデルミリオーレ クラウド 群馬(同4位)を含む10チームがシーズンを通して手に汗握る試合を展開する。

 

<第1試合 ゾット早稲田FC 9-2 府中アスレティックFC>

 

昨季上位リーグ4位の府中アスレティックFC。

 

同3位のゾット早稲田FC。

 

開始2分、今季関東1部第1号ゴールを決めたゾットの#77伊藤宏樹。攻守両面で存在感を発揮した。

 

気迫のこもったプレーに「頂点」への意欲

開幕戦はゾット対府中。試合はゾットが2分#77伊藤のゴールで先制すると力量差を誇示するかのように4分キャプテン#16神田、7分#27大澤、11分#11藤井、15分#7高瀬、そして17分藤井と6連続ゴールで第1ピリオドの主導権を握った。それにしても昨季短期在籍から一度退団、復帰した#10中井のスプリント力には目を見張った。チームでマイボールにするや一瞬の間も与えず鋭い切り返しで駆け上がり相手ゴール前へと襲いかかる。キャリアの浅い府中の選手にとってこの逆襲があるために思い切ったパスワークから相手ゴールを脅かすことができない。どうしても安全なパスを選択してしまうからだ。中井はこの日ゴールこそなかったが俊足という持ち味を存分に発揮してチームの勝利に貢献した。こうして中井が攻撃で存在感を発揮すれば、守備ではフウガから移籍してきた#9宮崎が巧みなポジショニングから相手の攻撃の芽を摘み取りカウンターにつなげる。33歳中井、34歳宮崎と攻守に軸を得たゾットを記者は優勝候補の筆頭にあげたい。

 

ポジションをスイッチしフィクソに入った中井からのロングボールを足元に収めセグンドにパスする#9宮崎暁。早くも主役2人が連携をみせている。

 

府中がゴールを決めたのは第2ピリオド3分。カウンターから左→右→左と速いパスをつなぎフィニッシュは20歳の#14峯島。寄せてくるゾット ゴレイロ#99柳川をかわしてファー上に絶妙なシュートを突き刺した。第1ピリオドはゾットにチンチンにやられた府中だがハーフタイムに冷静さを取り戻すとチームでナイスゴールを決めた。こうして厳しい戦いを重ねることで平均年齢20.4歳と若い選手たちは確実に成長していく。一方、1点を許したゾットに気の緩みは見られない。選手の顔に緊張感がみなぎっている。清野監督もハーフタイムが明けると大量得点を忘れたかのように「点を獲るぞ!」と選手の背中を押す。気迫のこもったプレーに「頂点」への意欲がみなぎっている。ゾットは6分、藤井がハットトリックとなる3点目を決め再び6点差とする。普通大差をつけると出場機会の少ない選手をピッチに送り込む。ゾットもそうした。しかし危なっかしい場面をちょっとでも見せるとすかさず主力を投入。14分、府中#13小野に2点目を許すが、16分#2安岡、17分#大澤と連続ゴールを決め9-2で試合を締めくくった。

 

<第2試合 バルドラール浦安セグンド 4-4 コロナFC/権田>

 

昨季下位リーグ2位のコロナFC/権田。

 

リーグ初優勝したバルドラール浦安セグンド。

 

“新生”チャンピオン浦安、権田とドロー

昨季リーグチャンピオン浦安の最終節のメンバーシートを今節のそれと見比べると14人のうち10人がトップへの昇格もしくは移籍等で異動しているだけにほぼ新生チームといっていい。平均年齢も20.4歳と若くのびしろしかないといっていいだろう。対する権田のそれは30.8歳。今回のベンチ入りメンバー14人中10人が残留組だけに息が合っているはず。勝ち点3獲得のためにもう一工夫ほしかったといったら厳しすぎるか。

 

先制ゴールを決めた#10鈴木翔太。2-2とする同点ゴールも決めている。

 

こちらは1-1の同点ゴールと2-3とする逆転ゴールを決めた#30岡部誠也。

 

先制は浦安。10分、左アイソレーションからのマイナスの折り返しを#10鈴木がダイレクトシュート。だが13分に権田は#30岡部のゴールで同点とし、1-1で第2ピリオドへ入ると1分、今度は権田が先にゴールを決める。左からのシュートパスを#23藤村が絵に描いたようなファー詰めだ。しかしここも3分、鈴木のこの日2点目のゴールで2-2の同点とする。続いて権田が6分に岡部、8分に#11廣瀬とどちらも逆転ゴールを決めるが、対する浦安も8分に#13花田、13分に#20稲葉がともに同点ゴールを決め一歩も引かない。結局タイムアップまで6分強を残して4-4のドローで終わった。

 

1-2とする#23藤村涼の逆転ゴールをアシストし#9山本直がガッツポーズ!

 

結果としてチームを敗戦から救う4-4の同点ゴールをゲットした#20稲葉柊斗。

 

<第3試合 O-PA 3-3 ファイルフォックス八王子>

 

地域CL王者オーパはファイルとドロー

第3試合は、昨季リーグ準優勝の資格で地域チャンピオンズリーグに出場、並み居る全国の強豪を押しのけて優勝したオーパ対ファイル。先制は3分、ファイルだった。#12佐々木がピヴォに当て落としを決めたもので、狭いスペースで完成させた鮮やかな連携だった。さらにその1分後、佐々木が右コーナーキックからのパスをダイレクトで合わせ連続ゴールを決める。追撃したいオーパは13分、ゴールほぼ正面で得た7mのフリーキックを#14小畑が決め1点差に詰め寄る。同点にしたいオーパだが逆に第2ピリオド4分、ファイル#14田口のゴールで1-3と突き放される。だがその2分後、地域CLの最優秀選手に選ばれたオーパの#12林がドリブルを仕掛け、ゴレイロとの1対1を浮き球のシュートで制して1点差に迫る。ところがその後9分間1点が決まらないオーパはタイムアップまで4分を残してパワープレーに移行。その直後に#9小堀が同点ゴールを決めた。残り4分弱。どちらも勝ち越しゴールがのどから手が出るほど欲しい中で激しい攻防を繰り返すがノーゴール。この試合もドローに終わった。

(注:「第3試合 O-PA vs. ファイルフォックス八王子」は転載時に処理ミスを起こし全画像を破損してしまい、そのためにテキストのみのレポートとなりました。ここにおわびします、申し訳ありませんでした!)

 

<第4試合 カフリンガ東久留米 3-3 ブラックショーツフットサルクラブ>

 

悲願の1部復帰を果たしたブラックショーツフットサルクラブ。

 

昨季下位リーグ1位だったカフリンガ東久留米。

 

関東リーグでは極めて珍しい大歓声の中で試合はスタートした。

 

ホームチーム対1部復帰チームの対決

第4試合はここをホームとするカフリンガと、「2部優勝と1部への自動昇格を4年越しで達成」したブラックショーツの戦い。先制はブラックショーツ。開始4分、左コーナーキックから逆サイドに展開したパスを#29滝沢が決め復帰チームは歓喜に沸いた。しかし15分にカフリンガのキャプテン#4鰐渕による左アイソレーションから中への折り返しを#30坂本がファー詰め、同点に追いつく。その後もこの日最大の観客の応援を背にするカフリンガと4年越しの1部勝利を目指すブラックショーツの火花を散らす戦いが続き第1ピリオドを1-1で終える。

 

開始4分、ブラックショーツ#29瀧沢拓也が先制ゴールを決めた。

 

カフリンガは#30坂本隆のゴールで同点に追いつく。

 

厳しいチェックでボール奪取にいく#28出浦知弘。カフリンガ の陰の主役だ。

 

2-1とする逆転ゴールを挙げベンチの祝福を受けるキャプテン#4鰐渕恭輔。その表情から歓喜と興奮が伝わってくる。

 

ゴールを決めた鰐渕が最初に向かったのはサポーターの前だった。彼のガッツポーズがサポーターの興奮をあおった!

 

迎えた第2ピリオド4分、カフリンガ#8夏野がドリブルで相手ゴール前に割って入り右にパス、鰐渕が決めて逆転。ブラックショーツの復帰初勝利は遠のいたかに見えたがその1分半後、カフリンガゴール正面10mでフリーキックの好機が到来、これを強シュートすると、カフリンガの選手に当たってオウンゴール! 再び同点となる。この失点、カフリンガにとって守備の意思統一が不十分な中でのものだったように見えた。でもまだ2-2。どちらにとっても次のゴールが決勝点になる可能性がある。それを求めて気力を振り絞る両チーム。“そこ”に一歩近づいたのはカフリンガだった。13分、右コーナーキックのチャンスをつかむとキッカーがゴールラインに沿ってシュートパス。これをゴール手前で鰐渕がコースを変え、ディフェンスに当たってゴール。2連発のオウンゴール。こんなことがあるのか!? と見てて思った。タイムアップまで残り6分。ドラマは終わってなかった。残り2分、ブラックショーツがパワープレーに出る。その渦中で#16尾崎が左サイド縦突破から中へ折り返し、#9栗林がファー詰め。この試合3度目の同点ゴールが決まり、そしてタイムアップ。気力と気力がぶつかり合う戦いに終止符が打たれた。

 

試合が終わりうなだれる選手たちをサポーターの大歓声が包んだ。

 

なお、第2節は6月24日(土)、エスフォルタアリーナ八王子で開催される。

<第25回関東フットサルリーグ1部 Powered by PENALTY 第1節結果>
ゾット早稲田FC 9-2 府中アスレティックFC
バルドラール浦安セグンド 4-4 コロナFC/権田
O-PA 3-3 ファイルフォックス八王子
カフリンガ東久留米 3-3 ブラックショーツフットサルクラブ

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