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[無料]デフフットサル女子日本代表メンバーとしてワールドカップスイス大会2019に出場しました!(中野FCアサレア ♯22 中島梨栄)

 

2020年9月20日 北区滝野川体育館
(PHOTO、TEXT・山下浩正)

 

中野FCアサレアは、東京・中野をホームタウンに活躍する中野FCの女子部門で東京都女子リーグ2部に所属している。

 

ピッチを所狭しと走り回る♯22中島のプレーシーンを以下の写真で紹介しよう。懸命なプレーぶりは人の心を引き付ける魅力がある。

 

 

北区女子リーグで健常者に混じってプレー

新型コロナ禍の影響でシーズンの開幕が遅れた今季、恒例の北区女子リーグ(東京)も9月に開幕したもののその後は日程調整が難しく開かれていない。しかし、例年熱の入ったプレーが続くこのリーグらしく開幕戦で圧倒的な存在感をもたらす選手がいた。中島梨栄。ろう者で、普段は所属するクラブチーム、中野FCアサレアで健常者に混じってプレーしている。そんな彼女に北区女子リーグ開幕節後に手話通訳の方を介して話を聞いた。

実は中島選手、デフフットサル女子日本代表メンバーとして、ワールドカップ2019(スイス)に出場しているのだ!

彼女に初めて会って取材した日はその重大な事実を知らなかったが、後日ネットで調べて初めて知った。記事にまとめるに際してワールドカップのことを改めて聞くことができたので、その話から紹介しよう。

日本代表は過去最高の5位に!

Pivo! 直近のデフフットサル女子ワールドカップに中島さんは日本代表メンバーとして出場されたとつい最近知った、改めて出場おめでとうございます! 
この大会で日本は何位に入ったのか?

中島 大会は、2019年11月スイスで開催されました。この大会で日本代表は過去最高の5位になりました。

Pivo! 中島さんにとってどんな大会だったか?

中島 決勝トーナメント1回戦、今回優勝国のブラジルに1-2で負けてメダル獲得の目標には届かず、とても悔しいです。

Pivo! 大会出場によって得たことは?

中島 海外はゴールへのきゅう覚がすごいなと思いました。自分もそういう面で強くなりたいと思いました。

Pivo! 今後の日本代表の活動予定は?

中島 先月(10月)2023年デフフットサルワールドカップに向けてデフフットサル日本代表が再始動しました。負けじとがんばります!

 

 

 

 

北区女子リーグはレベルが高くてとてもいいトレーニングに!

Pivo! 初参加の北区女子リーグでプレーして印象はどうだったか。

中島 相手がわたしよりレベルが高くて、とてもいいトレーニングになったと思います。

Pivo! なるほど。レベルの高さは具体的にどの辺で感じたか。

中島 一番はスピードだと思います。

Pivo! ホントですか! あなたのスピードが他の人に劣っているとは思えなかったが。

中島 ありがとうございます、でも、そのとおりです。

Pivo! 今日は2試合を消化して、僕が見た限り最初の試合で右コーナーキックからチームメートのゴールをアシスト。それと2試合の立ち上がりに相手ゴールほぼ正面からのチームメートのシュートパスをファー詰めした。なので僕が確認した限り1ゴール1アシストの活躍だった。それで間違いない?

中島 そうですね、そうかもしれないです、はい。

Pivo! これについてはどう思うか。

中島 うれしいです。

Pivo! もっと決められるチャンスもあったのでは?

中島 そうですね、そうだと思います。もっと決めたかったと思います。

 

 

 

守備で自分が抜かれた場合はちょっと大変

Pivo! 自分のよさはどこだと思うか。

中島 左足のシュートです。自分たちの左コーナーキックからシュートする機会が何回かありました。1つはゴールのバーに当たって決められなかったんです。

Pivo! 率直にいって、ろう者として他の健常者のメンバーとのコミュニケーションは難しいと思うが、それでも、キックインのときに「イチ!」とか、コーナーキックの開始のときに「バイ!」と声に出して合図しているのが聞こえたが、それで間違い無いか。

中島 そうです、はい。

また、そのほかのサインプレーとして仲間に例えば手話としての“キツネ”というのがあるんですけど、例えばそれをサインとして使っています。サインプレーのときに使っている合図は、ほとんど手話を使っていますが、みんな、その手話の意味を覚えてくれています、わかってくれています。特にチームの2人の人は手話をよく覚えてくれています。

Pivo! ゴレイラ(ゴールキーパー)の方もろう者だと聞いているが、試合中はどんなコミュニケーションするのか。

中島 試合中はお互い、はっきりといいたいことを伝えています。例えば、怒ったり、そういうこともあります。

Pivo! ということは、ゴレイラとも健常者とも、コミュニケーションはうまくいってる?

中島 はい、そうですね。試合中は(健常者と)会話するようなコミュニケーションはないです。ないですけど、必要があればほとんどは目で、アイコンタクトをよくやっています。

Pivo! あなたのポジションはピヴォ?

中島 はい、そうです。

Pivo! ピヴォとして攻撃のとき、ターゲットとしてパスを受ける立場になればチームメートが見える。そうするとアイコンタクトもできるということですね。

中島 はい、そうです。

Pivo! 逆に守備とのときの苦労ってどんなことが?

中島 う~ん、そうですねぇ、守備は基本的にマンツーマンですけれども、自分が抜かれた場合は、ちょっと大変ですね。なんていうか、まず自分がきちんとやることです、抜かれないように。相手に決定的にきちんとマンツーマンでつく、そういうふうにやってる感じです。そうすれば、ほかの仲間にも安心してもらえると思うので。

Pivo! なるほど。チームメートに安心感を与えることができる。

中島 そうです、そうです。

Pivo! そうすると攻撃よりも守備のほうが負担が大きくなるか。

中島 それはそうですね。

ピヴォとして怖い選手になって、ゴールを決める!

Pivo! ところでいつからサッカー、フットサルをやっているのか。

中島 サッカーは20歳くらいにやり始めて。

Pivo! そうなんですか、ずい分遅いですね。

中島 そうです、そうです。で、25歳くらいからフットサルを始めました。

Pivo! それはこのチームで。

中島 いえ、今のこのチームは4チーム目くらいです。

Pivo! 今、失礼ですが、おいくつですか?

中島 35歳。子供が2人います。

Pivo! あ、2児のママ! それでフットサルを10年も続けている! すごいなぁ。

中島 あ、そうです、はい。

Pivo! 毎日が大変でしょうに、苦労をしながらフットサルを続けて理由は?

中島 好きだからですかね。

Pivo! やっぱり楽しい。

中島 好きだからやめられません。楽しいです。

Pivo! でも、2人の子どもを家に残して試合のために出かける、そして帰ってまた子どもの世話など家事をする。大変だ。

中島 そうですね(笑)。家に帰ったら夜ご飯を考えてつくらなきゃいけないですね(笑)。

Pivo! まだまだ頑張ってプレーを続けると思うが、これからどんなプレーヤーを目指していくのか。

中島 ピヴォとして怖い選手になって、ゴールを決める! そういう選手になりたいと思います。

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