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無料記事:横浜、首位に立つ。クラブ、選手、サポーターが魅せたY.S.C.C.プライド【F2第12節】(2018/12/10)

2018年12月9日、長野
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

Fリーグ2018/2019ディビジョン2 第12節
ボアルース長野 3-4 Y.S.C.C.横浜
2018年12月9日(日)ホワイトリング 観客数:2,115人

[得点経過]
0-1 04分42秒 Y.S.C.C.横浜 77 稲葉洸太郎
0-2 05分54秒 Y.S.C.C.横浜 8 宿本諒太
1-2 08分32秒 ボアルース長野 4 北原健治
2-2 08分50秒 ボアルース長野 23 原山英之
3-2 31分52秒 ボアルース長野 18 田口剛志
3-3 35分39秒 Y.S.C.C.横浜 3 伊藤玄
3-4 37分06秒 Y.S.C.C.横浜 オウンゴール

Y.S.C.C.プライド

開始4分、稲葉洸太郎がFKを決める。圧倒的なアウェーの空間で、Y.S.C.C.横浜が口火を切った。

連続失点と連続得点が重なり合う独特の雰囲気。後半開始してすぐに、前田佳宏監督はジャケットを脱ぎ戦況を見守る。そして、横浜からやってきたサポーターたちの力強い声が彼らを後押した。

プライドをかけた一戦。選手、監督、クラブ、そして横浜からやってきたサポーターたち、Y.S.C.C.に関わるすべての人たちのプライドがひとつになった時、Y.S.C.C.は首位となっていた。

▼同じ相手に2回負けるのは許されない

前田佳宏 Y.S.C.C.横浜・監督

ボアルース長野の関係者のみなさんにお礼を言いたいなと思います。こんなにお客さんがいてこういうピッチでやれたことが、Y.S.C.Cというクラブ全体を通してお礼を言いたいと思います。

それにふさわしかったゲームかどうかはわからないですけど、少しはフットサルというものが楽しいスポーツなんだなとか、子供たちが僕もやってみたいなと思ってもらえるゲームができたんじゃないかなと思います。

ゲームプランや中身の話はいろいろありますけど、それよりも長野と戦う前に言っていたんですけど、クラブのプライドをかけて戦おうと臨みました。うまくいくところ、いかないところがあると思いますけど、チームが掲げているハードワークをすること、ゲームにそのすべてが出たかなともいます。

正直今は安堵感と、戦った直後なので気持ちが高ぶっているので、あまり何を言ってもあれですので、これぐらいにしときます。

――今日はお互い大切な一戦でしたが、チームとしてはどういう位置づけで臨んでいたのでしょうか?

前田 選手には『Y.S.C.C.プライド』を。僕らは一度長野さんに負けているので、順位関係なく同じ相手に2回負けるのはクラブとしてはあってはいけないことであって、そういう形で取り組みました。

――前回の対戦でシュート数で圧倒しながらの敗戦でしたが、今回は相手の守備を崩すためにどういった対応をしてきたのでしょうか?

前田 前回のホームでやった時はシュート数が多かったんですけれども、肝のところからシュートが撃てていなかったというか、相手のディフェンスの外側からたくさんシュートを撃っていたという形です。今回は外側から撃つのではなくて、僕はいつも選手に言うんですけど、コーナーとコーナーと第2PKのポイントを結んだ三角に近づいて撃とうと。シュートが入る時はその三角のゾーンのどこかを通るので、その延長線上には必ずゴールがあってと意識して、と選手には言っていました。

――元代表の稲葉洸太郎をはじめ、横浜は個々の能力が高いと長野の選手が言っていました。どんなチーム作りをされていますか?

前田 もちろん元日本代表選手の稲葉洸太郎がいますが、選手に言っているのは彼が一番上で目立つのではなくて、彼を追い越していこう言っています。選手たちの個々は優れていると思いますけど、僕は型にはめるのは好きではないというか、選手の動物的なところを前面に出したフットサルをしたいので、そういうところが他のチームから見ると個人という風に感じているのかと思います。

簡単に言うと自由な、選手の判断を大事にしながらやるフットサルを突き詰めているという感じです。なぜ個人を突き詰めているかというと、日本には絶対的な王者名古屋オーシャンズがあって、名古屋は個々の能力が優れていて、その名古屋を方法論で負かそうとしても日本のフットサルのレベルが上がっていかないのかなと思います。名古屋に次いでくるチームが出てこないといけないと思いますので、それが自分たちのクラブであればいいなと思って、個人を大事にしています。

▼今まで感じたことない雰囲気

宿本諒太 Y.S.C.C.横浜・キャプテン

この大一番を制したことを素直にうれしく思っていますし、ほっとしているのが今の心境です。

長野が観客をあれだけ集めているに合わせて、横浜もツアーを組んでいて大勢の方が横浜から来てもらってホームのような応援をしてもらったことに感謝してプレーが出来ました。

今まで感じたことない雰囲気であったり、大一番という緊張感からかお互いやりたいことを消していたゲームだったので観ている人からするとボールが行ったり来たりで、選手としてはやりたいことはできないし相手にやりたいことをやらせないしという固い試合になってしまったので、お互いそこに対して覆せる技術があったりするともう少し深みのあるゲームができたのかなと思います。ですが、こういった試合ですので、こうなるのかなと思いながらやっていました。2-0で勝っている時に楽にいかないだろうと思っていたら、普段では起こりにくい失点でそのまま流れを持っていかれるとか、独特のものがあったんじゃないかなと思っています。

ここで首位になりましたけど、まだ来週にはボルクバレット北九州戦がありますし、あと残り3戦あるのでしっかり一戦一戦見据えて優勝に向けて頑張っていきたいと思います。

――横浜にとって長野はどういった位置づけでしょうか。

宿本 ライバルとして、結果がそういう風にさせているので選手としては意識する相手です。他会場では長野の結果を一番気にしている状況ではあるので、そういう意味では意識している相手でしたし勝ててよかったなと思います。

――前半残り12分で4つ目のファウルの後、長野ペースになったと思います。強く当たれなくなってしまった影響でしょうか?

宿本 そうではなく、自分たちの悪い癖で。前々節も前半の早い時点で5ファウルになりましたし、前節も5ファウルにすぐなってしまったので、こう言ってはあれですけども前半12分で4つは僕らの中ではまだあと1つあるという感覚でいたので、特に後ろ向きになったわけではないですし。今日のゲームプランとしては相手にボールを持たせるというところもあったので、そこまでプレスにいくこともなかったのでそこが影響がしたかというとそうではないかなと思います。

――前半に連続失点をしたのはなぜでしょうか。

宿本 1失点目が普段では起こりえないミスが起こってしまって入れられてしまったというのがありました。キックインの素早いリスタートからヘディングで、特に力もなかったですけどもそれが入ってしまうというところで動揺があったのかなと。そこを引きずってというところと、今日の1stセットが3失点しているんですけども、そこが試合を通して感触をあまりつかめずにいったので、そこが重なっていてしまったのかなと思います。

気の緩みではないですね、それは起こるものなので。会場のものなのか、GKがこぼしていたので精神的なものかわからないですけども、2-1なのでそんなに慌てることもないですし大きなピンチもなかったわけでそのまま1点勝っているというメンタリティで行ければいいと思ったんですけども、独特な感情があの中にあるので。ベンチは2-2にされたからといって、ネガティブにはなっていなかったですね。相手も乗っていますし、フットサルはメンタルが大きく影響するスポーツなんだなと改めて思いました。

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