デジタルピヴォ! プラス

[F2第9節]「5ファールすぐたまって。まぁ、きつかったですよねー」と高垣監督。デウソン神戸戦の“真実”はトルエーラ柏の記者会見後に明かされた!(2018/11/1)

会見終了後に本音の一端を明かした高垣監督(右)と、キャプテンとして初めて会見に臨んだ石田雄太郎選手。

 

Fリーグ2018/2019 ディビジョン2  第9節
トルエーラ柏 5-3 デウソン神戸 
2018年10月20日(土) 柏市中央体育館 観客数:402人
[得点経過]
1-0 00分37秒 トルエーラ柏 9 田中惇史
2-0 12分36秒 トルエーラ柏 36 横山巧  
2-1 16分09秒 デウソン神戸 19 森脩 ※第2PK
3-1 21分03秒 トルエーラ柏 9 田中惇史
3-2 24分38秒 デウソン神戸 19 森脩
4-2 29分33秒 トルエーラ柏 22 麻賀郁 
5-2 32分29秒 トルエーラ柏 10 宗像郷
5-3 34分33秒 デウソン神戸 5 柿本輝

 

勝利の雄たけび

「よっしゃー!」。そういって会見の席に着いた高垣監督。勝利の雄たけびか。プレス関係者が僕ひとりと知って(いつもだいたいそうだが)、「今日はいいたい放題かな!?」と意味深な発言をした。それが何を意味するのか僕なりに考えてみた。
http://www.fleague.jp/score2/teamrank.html

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▪️記者会見
(試合を振り返って)
高垣結トルエーラ柏監督
デウソンも力をつけてきてしんどい試合だった

「えー、今日はありがとうございました。やっぱりどの試合も楽な試合はないなってところで、アウェーでデウソンとは0-6というスコアになってるんですけど、ま、チーム全体としてそこを考えずに、デウソンも力をつけてるというところで気持ちを入れて戦った結果、勝てたんじゃないかなと思います。ま、フィニッシュのところをもう少し早い時間帯に沈めてればゲーム運びも少し違ったんじゃないかなと思ったんですけど、ま、柏らしいというか、トルエーラらしい勝ち方だったなと。しんどい試合でしたね」

石田雄太郎トルエーラ柏キャプテン 
自分たちが成長するために手を抜かずに戦った

「試合はどうだったかを? はい、えーと、監督と似たような感じですけど、ま、僕も前期6-0で勝ったけど、6-0という点差ほど楽な試合ではなかったという印象が残ってるんで。ま、気を引き締めて臨んだつもりですけど、でも、やっぱ、前半もう少し点差をつけれてればここまで難しくはなかったかなと反省をしています。あと、やっぱり、僕らも勝ち点を落とせないんで、ここで勝つっていうよりかは、もう、まだまだ自分たちが成長するために一切試合中も手を抜かず、っていうのはみんなに結構いってました。点差がついてもまだ点獲りいこうっていうふうにはいってました。はい、以上です」

 

(質疑応答)
横山は結果残すと思った、ありがたかった

Pivo! キャプテンの言葉のとおり、今日の柏は球際を強く行っていた。

石田 そうですね。5-2になったのかな? ときも、僕としてはまだ点数足りないよってベンチでいってました。まだ獲りいく姿勢を見せないと一点獲られたら苦しくなるよっていうことはいってましたね。なので、僕は前から行ってました。

Pivo! 監督、球際のあいまいさが柏の弱点として指摘されてきたところでもあるが、監督からも特別指示したところでもあったのか。

高垣 そうですね。平日のトレーニング自体も最近デュエルの、球際のところ、攻守の切り替え、トランジションのところ、そこにキーファクターを置いてずっとトレーニングしてるので、やっぱり、僕たち最低限そこは勝たないと。エリート集団でもないと思ってるので。そういう泥臭いというか、そこを勝っていけば得点にもつながるし、結果にもつながるんじゃないかな、と思ってます。

Pivo! 今日は新入団のルーチャイ(横山巧)がデビュー戦で自らのボールカットからドリブルで運んで最後はゴレイロをかわしてゴールという見事なフィニッシュがあった。彼は試合前のアップでも強打に行くだけではなく冷静にゴレイロをかわしていいシュートを撃っていた。フィニッシュに難のある柏として、すばらしい新人の加入ではないか。

高垣 そうですね、まあ、練習に来てたときからスピードはピカイチなんで。練習中からもキーパーと1対1になる場面が多くあったんで今日も必ずあると思って見てました。アラで仕掛けて独走態勢でキーパーと1対1。あとは沈めるか沈めないかのところで沈めてくれたんで、さすがですよね。今回がデビュー戦じゃないですか。そこでしっかり沈めるっていうところはさすがだなと、結果残すなと思いました。ありがたかったです。

Pivo! デビュー戦といえば開幕直前の対外試合で骨折したカオルくん(麻賀郁)もデビュー戦だ。

高垣 カオルもでデビュー戦ですね(笑)。カオルもいいっすね。特に最初の一歩二歩、スタートが速いんですね。なんで、スタートで相手ちぎっちゃえば。あいつもフィクソからドリブルでずっと行ったことがあったので。上手な選手です、はい。よかったです。

Pivo! チームとして選手層に厚みが出てきた。

高垣 そうですね。結構、厚くなったんじゃないかなと思います。あとはその戦力をシンクロさせてセットでしっかり戦えたらもっともっといい結果が出るんじゃないかなと思ってます。

Pivo! 後半の終盤、5-2とリードしながらパワープレーを仕掛けられ1点とはいえ失点した。柏が今後リードをする場面でパワープレー攻撃を食らうシーンが増えることが予想されるが、ここをどう受け止めているか。

高垣 前回パワープレー食らったのとはちょっと違ってたんですよね。前回、右に3枚置いてたんですけど、今回は真ん中に1枚置いて、で、早めに右3枚にしてそこから攻撃だったんで、ちょっと対応しきれなかったことはありました。ま、ホントに、ひとり、先頭の選手が中絞っちゃえば解決することだったので、(その場で)すぐ修正して、ま、失点はしましたけど、そこまで焦らず守れるだろうなと思ってました。

Pivo! 次の横浜は第9節終了時点で2位。3位でしかも勝点1差の柏にとって重要な試合になると思うが、そこへの意気込みを。

高垣 意気込みはもう勝たなければいけないところで、勝ちに行くんですけど。あとは碓井が今日退場になったんで、はい、そこをどう埋めるかというところがポイントなってくるんじゃないかなと思います。あと、今回外れた川瀬、彼も頑張ってくれると思うので。川瀬は今、調子がそこまで上がり切ってないんですよね。ほかが結構よくなってきてるっていうのもあるんで。その辺がしっかりチームとしていいバランスがとれれば結果はついてくると思います。

石田 順位もありますけど、僕ら前期勝ったっすけど、順位も今はワイエス(Y.S.C.C.横浜)が上で、で、相手のほうが強いし。シンプルだと思います。やっぱ、自分たちより強い相手とやるしかないと思ってます。別になめることもないし、シンプルでおもしろい試合かなと思います。

 

(編集後記)
「で、どうなんですか、試合見てて」と僕に逆質問した監督

会見はここまで。MCが終了を告げると、高垣監督は「えーと」といいつつ彼の眼の前に僕が置いたICレコーダーをOFFにしようとするのを、あ、そのまま、そのまま! と制する僕。柏の会見は“仮締め”後のここからがおもしろくなるというのは監督自身一番よく知っている。それを承知のうえでの監督のシャレっ気たっぷりの行為だ。「あ、こういうのがアレか、あ、初めて知った」とキャプテンがいえば、「こういうのがねえ。こういうのが気をつけないといけないところなんだよー」と監督。山下が公式発言以外のことも書いちゃうことが舞台裏でなにがしか話題になっているとみえる。会見の注意点(!?)をキャプテンとして初めて会見に臨んだ石田選手に指導をしたところで、監督がトランジションじゃないが、切り替えをしてきた。

「で、どうなんですか、試合見てて。5ファールすぐたまったじゃないですか。まぁ、きつかったですよねー」。なるほど僕の意見を引き出すための変化球か。

「それは球際に強く行った結果で、レフェリーが相手が倒れると笛を吹いちゃう傾向が見られた。その結果であって、全然問題ないと思う」と僕。…と思うんですよね、というかホッとした表情を浮かべているがそれ以上、監督は何も発言しない。慎重だ。それでいい。でないと山下が監督の発言として書いてしまうから。「柏はこれまで球際の強さが足りなかったことが不満だったが、それが今日はしっかり球際に行って相手の自由を奪っていた」、これが僕の真意だ。それに対してF1経験者がいるデウソンは“倒れ上手”が多く、そのたびに笛が吹かれた印象だ。碓井の一発レッドはそれを象徴する場面だったと思っている。

「いや、よかったです(そういう意見が聞けて)。見た目的にすぐたまっちゃって、試合が荒い荒いってなっちゃうとちょっとあれなんですけど、戦った結果だと。一番最初にうちの選手がフィクソにいてピヴォを背負って、そこでもう、ピッ! て吹かれて、それでもうファールの基準が、ああ、今日はここかと」

なるほど、監督がいいたいのはここだったか。そこに僕は気づけなかった。っていうか、質問で追求しきれなかった。そこを補ってくれるのが“会見後”の監督なのだ。

監督の言葉を引き継ぐなら、その最初の笛以降、あれよあれよという間にピッピピッピと笛が吹かれていき、16分09秒、6ファールとなり、デウソンのキャプテン森に第2PKを叩き込まれている。これでスコアは2-1となり柏のリードは1点に。その後は柏の選手が自制して第2PKは1回だけに終わったが、そうでなかったら前半を4分も残して同点もしくは逆転もあった。監督が、「きつかった」といったのも、なるほど、うなずける。もしも柏の敗戦とでもなったら、ブラジルだったらレフェリーは「(勝利を盗んだ)ドロボー!」呼ばわりされるところだ。

柏は、頻繁に吹かれる笛など気にせず、相手を圧倒すればよかったかもしれない。しかしそこは人間、笛のことが頭から離れなかったとみえて、リードしていながらつらい思いをし続けていたに違いない。碓井への一発レッドにしても、その瞬間、えっ? と我が目を疑ったほどだった。172cmの碓井が、181cmの森をあそこまで鮮やかに倒せるものか。ふたりはデウソンのゴール前でゴリゴリとポジション争いをしていたのは確か。そこにはマリーシアが働きレフェリーが逆に引っかかったとしかいいようがない。柏の肩を持つということではなく、現場から10mほどのところにいた僕の偽らざる本音だ。

「いやあ、難しかったっす、今日は」

微妙な発言は大人として飲み込んだふたりだが、異口同音にいったこの言葉がこの日のことを言い表している、そう思った。(山)

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