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アップでほとんど右でシュートを撃てなかった森岡選手に一発、ズコン! と決められた(奥村監督・湘南)[Fリーグプレーオフ準決勝](2018/1/15)

「負けたけど選手が躍動する姿を見られてうれしかった」と充実感を口にした奥村監督と、敗戦の悔しさに会見の間涙が止まらなかった刈込キャプテン。

 

DUARIG Fリーグ2017/2018 プレーオフ準決勝
ペスカドーラ町田(リーグ2位) 3-2 湘南ベルマーレ(リーグ3位)
2018年1月14日(日) 駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場 観客数:1,609人
[得点経過]
1-0 00分43秒 町田 99 森岡薫
2-0 06分15秒 町田 8 滝田学
2-1 17分03秒 湘南 21 浦上浩生
3-1 27分39秒 町田 22 ダニエル サカイ
3-2 38分24秒 湘南 44 本田真琉虎洲

 

ゲームプランとは真逆の立ち上がり

「両ゴレイロがすばらしいので非常に固い試合になると思う。ただ、自分たちが先制されたら相当苦しくなるので、しっかりディフェンスして、相手のキーマン抑えて、カウンターだったりとかセットプレーで1点を先に獲るというところが試合のウエイトを占めると思う」
すみだを破って1回戦を突破した直後の会見で準決勝のポイントについて聞かれた奥村監督はこう語っていた。しかし、ふたを開けてみれば、試合開始43秒で“相手のキーマン”にカウンターから先制点を奪われ、苦しい立ち上がりを強いられた。先制点のきっかけをつくってしまったのが湘南のエースとしてチームをここまで牽引してきたロドリゴ。森岡薫とのマッチアップからまさかのトラップミスを冒し、森岡はその一瞬のすきを見逃さなかった。そして後半7分湘南は、町田のもう1人のキーマン、ダニエル サカイにカウンターから勝ち越しゴールを奪われて3-1とされ、この時点で勝利のためには3点以上が必要という苦しい展開を強いられたが、パワープレーから本田が1点を奪うのが精一杯だった。戦術担当のプレーイングコーチを置き、監督はチームマネージメントに徹するという斬新な体制でリーグを大いに沸かせた湘南はこの時点で終戦した。会見場を後にする奥村監督と刈込キャプテンに、僕は、健闘を讃えるために心からの拍手を贈った。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▪️記者会見
(試合を振り返って)
奥村敬人湘南ベルマーレ監督
彼らの気迫はすごかった

「お疲れ様です。まあ、ひと言でいうと、経験の差ですね。アップでほとんど右でシュートを撃てなかった森岡選手に一発、ズコン! と決められた。ま、そこでこの試合に懸ける思いというか、っていう部分で、ま、上回られたのかなっていう気がしますね。結果的には、どの道、引き分けでも駄目だったんですけど、彼らの気迫はホントすごかったですね。うちの選手が駄目だったということではなくて、さらに彼らの気迫が特に、昨日も話したんですけど、ペナルティーエリア内の“戦場”の部分で彼らのカバーリングの速さとかシュートに対して下をしっかり切るとか徹底されてて、そこの部分で自分たちは、まあ、ハーフライン付近からのミスからカウンターを決められて、マークを外して決められて、セットプレーで決められてと、ま、勝利に値するチームじゃなかったのかなというふうに単純に思います。
ま、ただ、リーグ3位で、プレーオフも準決勝で負けて3位という結果ですけど、過去を考えたらすばらしい結果だと思いますし。選手たちはこのステージへ連れてきてくれて、ホント、感謝しています。あと、サポーター、スポンサーの方々、今日もね、すばらしかったんで。ね、泣いてんの?(と隣りのキャプテンを見やり)。僕も泣きたいですけど、ま、彼が泣いてんのでやめときます、今日は。ホントに選手たちの後押しをしてくれたのかなと思いますんで。まあ、10年たって、11年目でこういう結果を出すことができて、まだまだですけど、チームに新たな歴史を刻めたのかなと いうふうには思ってます。ホントに10年間苦しかったんですけど、こういう、夢のようなシーズンを送れて、それが夢じゃなく当たり前になってチームというのは成長していくと思いますし、クラブとしても成長していくと思います。そのためにこのシーズンがよかったと思えるようにまた来年再来年とそういうチームになっていかなければいけないと思いますので。ま、日々精進、僕の好きな言葉なんですけど、それしかないと思います。上を見てもしょうがない。日々積み重ねて自分たちがどんどんどんどん強くなっていく。それしかないと思いますので。ま、まだ全日本選手権もありますし、これからもっともっと皆さんに楽しんでもらえるような、皆さんが驚くようなフットサルを展開していきたいと思っています。以上です」

 

刈込真人湘南ベルマーレキャプテン
サポーターが最高の雰囲気をつくってくれた

「お疲れ様です。えと、負けてすぐなのでまだ整理できないんですけど、ホントにまず悔しいのが一個で。僕は湘南に6年間いさせていただいて、初めてプレーオフという舞台に立つことできて、ホントに幸せでした。また…、今日みたいに…湘南のサポーターがたくさん詰めかけてくれて…最高の雰囲気をつくってくれたので、ホントに、勝ちたかったんですけど。…悔しいです。またもう一度、全日本でテッペン取るチャンスがあるので。しっかりまた準備して戦って…、テッペン取りにいきたいと思います。以上です」
(あふれる涙をこらえきれず、言葉に詰まりながらのコメントだった)

 

(質疑応答)
日々の積み重ねがこの結果につながった

Pivo! 試合は荒れたところもあったので監督としてはストレスのかさむ試合だったと思うが、一方で充実感もあったと思うがどんな気持ちで指揮をとっていたのか。

奥村 そうですね、荒れたというか、当然じゃないですかね、この戦いの中で、あの雰囲気の中で選手たちが高揚するのは当然だと思いますし。そこで負けたくないという気持ちがお互い出た部分で、ま、荒れたというか、楽しいなと、これこそ戦いなんだなというのは見ててすごく感じました。充実感については、負けて充実感というのはどう表現していいかわかんないんですけど、基本的には強い相手とやって、選手たちがすばらしいプレーをしたりとか、ミスをしたりとか、そういうのをベンチで見るのが楽しいというか、どういう気持ちなのかなとか、この選手勝負してんのかなとか、あ、ここちょっとビビちゃったなとか、ここ行ったんだとか、そういうところをピッチの中で見て、その瞬間でも成長した姿を見れるのはすごい楽しいですし。まあ、その中で勝てればいいと思うんですけど。ま、今日に関しては相手が上回ったという部分かなという。
ま、ただ、すばらしいプレーをしてたんじゃないですかね、うちの選手たちは。勝った負けたっていうのはその試合の中でいろんな要素があると思うんですけど、今日はうちに勝ちが来るような流れじゃなかったのかなと。それは最初いったように相手の経験、気迫っていうのがうちを上回った。主導権を握れなかった、っていうところがすべてだったと思うので。ま、ホントに、いつもどおりというか、試合自体は見ててすごい楽しかったですね。

Q 奥村監督が就任した今年、チームが劇的に変わって、いろんな人を巻き込んでこれだけのサポーターが来たと思うが、監督から見て今季湘南は何が変わったのかというのと、あと、これを維持するのがすごく大事だと思うが、どんなことが必要か。

奥村 そうですね、ホント、いつも、なんで変わったのっていわれるんですけど、ま、変わってないというか、ま、(コーチの横澤)直樹が4年間やってくれたメソッド、継続してやってて、それが選手たちに浸透して、ジャッピーニャ(本田)とか小門勇太とか新しい選手が来て、直樹も選手となってという部分で、よりやりたいフットサルっていうのができてるという部分なのかなという。特に自分の中では変わったとは思ってないですし。戦術戦略面はしっかり直樹に任せて、自分の仕事としてはチームのマネージメントをしっかりするっていうところで、それでチームが、クラブが勝てればいいと思ってますので。そこの部分で選手たちがいかに気持ちよくプレーできるかとか、迷いなくプレーできるかとか、そういった部分の気遣いだったりとか、普段の何気ない仕草だったりとか、そういった部分をしっかり見極めてアプローチするようにはしてました。何が変わったというよりも、ホントに積み重ねでしかないのかなと、そこは思ってます。
継続の部分ではホントにまだまだフットサル選手として半人前の選手が多いので。完成された選手というのは名古屋と比べたらいないと思いますし。その部分で伸びしろがあると思いますし。まあ、選手がどれだけフットサルを好きになって、このスポーツで食っていくんだっていう気持ちを持ってもらうしかないのかなと。ただFリーグのチームに所属しているからいいというだけじゃなくて、このスポーツに愛情を持って、追求して、日本代表で自分が世界に出てやるという思いを持ってやらないと、ま、このままかなと。その辺は、そういうアプローチはしていきますけど、最終的には個々の選手たちがどう感じて。例えば今日の試合を経験して、悔しくてもっとうまくなってやろうと思って。日々、食事もそうだし、睡眠もそうだし、練習もそうだし、筋トレもそうだし、そういった部分で人生懸けてフットサルをできるか。というところが大事なかと。
僕たちは少なくても、昔話になっちゃいますけど、このフットサルをとにかく盛り上げようという気持ちでやってきたので。ま、それがすべてかなと思ってます。

(席を立ちながら…)
くそ、悔しー!!

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