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無料記事:[ 関東女子リーグ入れ替え戦 ] FUGADOR すみだレディース、フウガファミリーの一体感でAmaralo/峰FCを下し、見事に関東リーグ昇格を果たす(2016/3/10)

 

VEEX TOKYO Ladiesとの参入戦に敗れたFUGADORすみだレディース(以下フウガ)だが、今季関東リーグ最下位のAmaralo/峰FC(以下峰)との入れ替え戦に勝利すれば関東リーグに昇格できるというチャンスがまだ残されていた。
参入戦後から入れ替え戦まで2時間しかたっていないフウガは体力的にも精神的にも疲弊していることが心配されたが、見事に気持ちを切り替えて終始ペースを握った試合運びで峰を圧倒し、関東リーグ昇格を果たした。

[ SuperSports XEBIO 第7回関東女子フットサルリーグ入れ替え戦 ]
FUGADORすみだレディース 3-0 Amaralo/峰FC
2016年2月21日(日)小瀬スポーツ公園体育館(山梨県)

まとめ◆デジタルピヴォ!記者YNG

 

峰は引き分け以上で関東リーグ残留という有利な状況であり、関東のトップリーグで年間通して戦っていたという、都県リーグで戦っていたチームよりもはるかに大きな経験を持っている。
今季は人数が少なく、厳しいチーム状況であったが日本代表GKの山下を輩出するなど実力者ぞろいの強豪チームだ。
参入戦は15分ハーフであったが、この試合は20分ハーフで、疲労が残るフウガはさらに厳しい条件の中で峰に勝利しなければならない状況だ。

 

FUGADORすみだレディース。

 

Amaralo/峰FC。

 

しかし、試合が始まるとフウガの猛攻の時間が続く。ピヴォの#19金子のキープ力、#7横山、#9足利、#21勝俣のドリブルで何度もチャンスをつくり出す。
峰は人数が少なく、引いて守備を固めながらボールを奪ってフウガ陣内へ攻め込めば遠目からでもどんどんシュートを撃っていく。シンプルな戦法だが、ゴール前までは侵入できずに遠目から撃つしかないように見える。

開始から5分、フウガは左サイドから足利が縦に突破してシュートパスを送ると、ゴール前に飛び込んだ金子が合わせて先制点を挙げる。

 

鋭いパスによく反応して合わせた金子。

 

ゴール後は歓喜のジャンピングハイタッチがフウガのスタイル。

 

その後もVEEX戦では出番の少なかったメンバーも続々と起用し体力的な問題を軽減させながら次々とチャンスをつくり出す。
峰も強いシュート力を武器にフウガを脅かす場面が見られ、キックインやコーナーキックからのチョンドンにフウガは苦しめられるも全員でよくブロックし、GK#12杉山も安定したセーブで守る。

 

峰も激しいプレーで逆襲に出るもフウガもよく体を張って守る。

 

追加点が欲しいフウガは9分、ハーフウェーライン付近でボールを奪った#15西岡が攻め込んでGKとの1対1を冷静に決めてリードを広げることに成功する。

 

冷静にゴールを決めた西岡が笑顔を見せる。

 

ベンチのメンバーに急いで駆け寄ってハイタッチ。

 

フウガの攻撃の手は止まらず、勝俣のシュートが連続してゴールポストに当たるなど、攻撃力の高さをとにかく見せつけるがその後はゴールとならずに前半を終える。

 

コンディションが万全ではなかったが勝俣がリラックスした表情を見せる。

 

後半も引いたスタイルの峰に、フウガがどんどん攻め込んでいく展開で試合は進む。
峰はボールを奪ってカウンターでチャンスをつくり出す場面もあるが、フウガは切り替えも早くて必死に戻ってシュートをブロックするなど2試合目ながら集中力もテンションも高い。

 

個性派ぞろいの攻撃陣を後方で支えるフウガ#13北隅。

 

フウガのペースが続いて試合も終盤を迎え、15分、左コーナー付近でボールを受けた金子が中央へ折り返すとそこに走り込んだ勝俣が相手より先にボールを受けて左足でシュートを決めてついにゴールを決める。

 

大事な試合で決定的な仕事をする勝俣はここでも決める。

 

このゴールでほぼ試合を決めたが、FUGADORすみだトップの須賀監督をはじめとするフウガファミリーも応援席で大きな声援を送る中でさらに追加点を獲ろうと猛攻を続ける。

 

キャプテンの金子もサイドから積極的にシュートを撃つ。

 

緩急のあるドリブル、アウトサイドキックを巧みに使ってチャンスをつくり出す横山。

 

スピードと左足の強烈なシュートで常に相手を脅かす足利。

 

終盤にはフウガの歴史を知る#8秋元がボールキープやファーサイドへのパス、そして自ら前を向いて惜しいシュートを放つなど何度も演出するとベンチも盛り上げようとする声を絶やさずにチーム一体感がよく伝わっていた。

 

フウガの歴史を知る秋元の強烈なシュート。

 

そしていよいよ試合終了の笛が鳴り響き、フウガに歓喜の瞬間が訪れた。

 

フウガファミリーと喜びを分かち合う。

 

表彰状を受け取るキャプテン金子。

 

最後にようやく本来の笑顔に戻った勝俣がカメラアピール。

 

今シーズン、日本代表経験者などが加入し東京都1部リーグの優勝と関東リーグ昇格に並々ならぬ意欲を感じさせたフウガが見事に目標を達成した。

フィクソ#13北隅、GK杉山が後方を支え、特に出番の多い横山、足利、勝俣の前線での躍動感あふれるプレーはゴールへの期待感でいっぱいで既に関東リーグにも劣らないレベルと思われる。

チームレベル的に、VEEXとともに関東リーグにいるべきであろうといえる2チームが昇格を決めた。
来季は9チームで行われる関東リーグだが、過去最大級の激戦になるのではないだろうか?
開幕が今から非常に楽しみである。

試合後、今シーズン新加入したフウガの守護神の#12杉山藍子選手にインタビューを行った。

 

 

Y:関東リーグ昇格おめでとうございます、VEEX戦で相当消耗したと思いますが入れ替え戦にはしっかり切り替えて見事な勝利でした。感想をお願いします。

杉山:VEEX戦に負けたことは正直かなり悔しかったです。東京都リーグ最終節で勝利できた分、VEEXもきっとギアを上げてくるだろうと思っていましたし、簡単な戦いではないことはわかっていました。 すごく悔しかったですが、フウガのみんなは前を向いていました。そんなみんなが頼もしかったですし、自分自身もすぐに切り替えることができました。峰戦は自分たちのよさを出そう! 楽しんで試合しよう! といった雰囲気でリラックスしてプレーすることができ、それが勝利につながったのではないかと思います。

Y:今シーズン、バルドラール浦安ラス・ボニータスからフウガに移籍後、コンスタントに出場をして東京都1部リーグ優勝と関東リーグ昇格とすばらしい結果を出しました。関東リーグに向けて意気込みを聞かせてください。

杉山:みんなでこのチームを上げようと必死で取り組んできて、とても長く感じたシーズンでしたが、昇格を決めた瞬間はなんというかホッとしたといった気持ちになりました。 個人的には1年ぶりの関東リーグです。ここからがスタートなので、今後変わっていくフウガレディースに注目していただければと思います。 関東リーグ優勝を目指していきます!!!

Y:応援席も非常に盛り上がっていました、最後にサポーターにメッセージをお願いします。

杉山:年間を通してのリーグ戦や、山梨開催だった参入戦入れ替え戦に足を運んでくださった、サポーターの皆様、ありがとうございました! 東京都にはまだまだたくさんいいチームがあります! 東京都から、全日本選手権1位を取れるチームが出てくるように切磋琢磨していきますので、これからも応援よろしくお願いします。

 

続いて、今シーズンからフウガの指揮を執った富澤孝監督にインタビューを行った。

 

 

Y:参入戦、入れ替え戦2試合お疲れ様でした、関東リーグ昇格おめでとうございます。ハードな試合でしたが峰を圧倒しての勝利でしたね。2試合目までにうまく切り替えて試合に臨めていたように見えました。

富澤:VEEXさんに負けてしまい、峰さんと戦うという想定もスタッフ、選手ともにしていたつもりです。しかし実際にそういう状況になってみて、肉体的、何より精神的に疲弊してしまった選手が予想以上に多かった。VEEXさんに負けてしまったのも、選手たちを疲弊させてしまったのも、すべて監督である自分の責任です。 選手たちの前でもそれは認めて、この試合のことは一度忘れてもらって、2時間後の試合に向けて少しでも選手たちにはメンタルを回復させることに集中してもらおうと思いました。

Y:試合は疲労がありながらも終始ペースを握っての完勝でした。

富澤:峰さんと戦うにあたって、というかこの1日に臨むにあたって、このメンバーでいろいろなことを乗り越えてここまで来ることができた。そんなメンバーが、このチームが関東リーグに上がれずに終わる、悔し涙で終わるなんて有り得ない。「最後は勝って関東リーグ昇格を決めて、このメンバーと笑顔で喜びあおう」と話して送り出しました。峰さんの力や試合を進めるペースは知っていましたし、3点目がなかなか獲れなかったことは非常に苦しかったですが、選手たち、スタッフたちの頑張りで無事に勝ち切ってくれました。

Y:今シーズンはフウガに移籍してきた選手が多かったですが、富澤さんも新たに監督に就任してのシーズンでした。すばらしい結果が出せた感想を聞かせてください。

富澤:自分はうれしいという感情よりも、ホッとしたというか脱力感が大きかったです。 この日、会場へ応援へ駆けつけてくれたのは、いつも応援していただいているサポーターさんや親族の方々、そして須賀監督をはじめとするFUGADORすみだトップ、セカンドチームの選手たち、スタッフなど、たくさんの方々に応援していただきました。たくさんの方々に応援していただく有り難さと同時に、FUGADORすみだというクラブの大きさ、すばらしさを自分もそうですが、選手たちも改めて感じることができたのではないでしょうか。

Y:最後にサポーターにメッセージをお願いします。

富澤:応援に駆けつけていただいた皆様、本当にありがとうございました! 来シーズンは関東リーグという、1つ上のカテゴリーに昇格します。今までフウガドールすみだレディースに注目してくださったみなさんはもちろんのこと、初めてご覧になる方、関東圏内のみなさん、更には全国のみなさんに注目していただけるよう、より一層努力していきたいと思っていますのでよろしくお願いします。

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