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Fリーグプレシーズンマッチ府中×フウガ 格上が格下を破った試合だが、実力差は歴然!!

後半7分、フウガは金川のゴールで1点を返す。ゲーム終盤にも2ゴールを決めたが、点差以上に力の差を感じさせたゲームだった。

 

 

MAD-CROC MATCH DAY 〜F2012プレシーズンマッチ〜

府中アスレティックFC 6-3 フウガすみだ

2012年11月17日(土) 13:32 KICKOFF

東京・駒沢屋内球技場 観客数:708人

 

文・写真◆デジタルピヴォ! 山下

 

環境の違いが差を広げている

 

格上が格下を破ったこの結果は当然といえば当然かも知れない。

相撲ふうにこの取り組みを解説すると、ナショナルリーグの上位チーム、府中アスレティックFCは東の正大関。関東の雄として綱取りへの期待を一身に集めている。対するフウガすみだは三役入りを果たしたばかりの西の小結、といったところか。格下とはいえ、フウガはここ数年めきめきと頭角を現し人気と実力で上位陣を食う力量を備えている。

上位が下位にきっちり勝たなければいけない一番だが、勝負は分からない。ましてや代表がワールドカップで健闘。今後、世界の舞台でベストエイト進出を図るには土台となるFリーグのレベルアップが急務。そんな折も折、大関が小結に敗れるようなことになったらシャレにもならない。ということで格上の府中が一抹のプレッシャーを感じつつ迎えた一番だったが、結果は順当なものとなった。いや、試合内容は点差以上に開きがあり、これもカズ効果か、700人を越える駒沢屋内久々の大入りの観客に“やっぱ、Fって強いんだな”“地域ってこんなだった!?”という印象を残した一番となった。ほぼ毎日練習をしているFリーグと地域リーグのチームの格差は開くばかりだ。

 

W杯の盛り上がりを定着させるために

 

試合終了直後のこと。一方的な試合内容だったが、との記者の問いかけに、勝利の興奮冷めやらぬ府中の中村GMは言葉を選びながらこういった。

「Fリーグと関東リーグの差が出始めているということでしょうね。最後の粘りはフウガらしさがあったが、ひとつひとつの渡り合いでは差が出ちゃったかなと思いました。府中はおかげさまでフィジカルがさらに一枚、強くなったことの証かなと思います。それと、こうしたシーン(選手が観客と握手する光景を目の前にして)にも(Fリーグの)プロフェッショナリズムが感じられますね。ワールドカップで代表が大活躍して一躍フットサルが注目を集めていますが、その盛り上がりを定着させるためにも勝たなければいけない試合だったでの、よかったと思います」

 

GMの上機嫌には訳がある。府中関係者によると、Fリーグ入りしたあと府中は毎年2、3試合フウガと練習試合をこなしてきたが、去年やっと1勝したほど分が悪かった。でもそれはあくまで非公式で結果が表に出ることはなかった。今回のようにFリーグプレマッチという公式の場で格上としてのプレッシャーを感じながらの勝利に胸をなで下ろしていたのだ。

敗れたフウガの須賀監督は記者会見で「3月の全日本選手権で再び戦えるよう努力したい」と語ったが、Fリーグ準会員の誇りと意地を胸によほどの精進をしないとその差は開くばかりだろう。

 

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