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【森雅史の視点】2024年4月10日 J1リーグ第3節 横浜F・マリノスvsガンバ大阪

J1リーグ第3節 横浜FM 2(0-0)0 G大阪
19:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数15,528人
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前後半で主導権を握るチームが変わったのは、日産スタジアムのピッチによるところが多かった。

 

メインスタンドから見て右は芝生が剥げ、土が見える部分があるほどデコボコだった。最初に右に向かって攻めた横浜FMは不規則に弾むボールに苦労し、パスが乱れ、何度もターンオーバーを繰り返す。比較的ピッチ状態がよかったG大阪は攻めたが、ホームチームは何とか耐え抜いた。

 

後半サイドが変わると今度はG大阪がピッチに苦しみ、横浜FMペースに。53分に山根陸が左サイドから入れたクロスをアンデルソン・ロペスがトラップでマーカーの足の届かないところにボールを置き、左足を振り抜いて先制した。さらにG大阪が反攻に出ていた90+8分、オフサイドをかいくぐった植中朝日が追加点を挙げて勝負を決めた。

 

もっといいピッチ状態ならさらに試合は白熱したはずだが、その中でも別の楽しみはあった。宇佐美貴史だけは悪いピッチをものともせずプレーしてみせたのだ。ボールコントロールもパスもほぼ正確。宇佐美の技術を見るだけでも、勝敗を超えたサッカーの美しさを見ることができた。負けてなお人の目を惹きつけられるというのは、プロフェッショナルとして素晴らしい仕事だと言えるだろう。

 

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

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