J論プレミアム

【田村修一の視点】2023年9月2日 J1リーグ第26節 柏レイソルvs横浜F・マリノス

J1リーグ第26節 柏レイソル2(0-0)0横浜F・マリノス
19:03キックオフ 三協フロンテア柏スタジアム 入場者12,601人
試合データリンクはこちら

 

柏が横浜FMに快勝した。前半は互角の展開ながら、後半は横浜FMにチャンスを作らせない強度の高い守備と切り替えの速い攻撃で内容的にも圧倒。リーグ首位と17位(キックオフ時点)の試合とはとても思えない戦いぶりだった。柏は6月の第17節でも、試合終了間際に退場者を出さなければ、横浜FMに勝っていてもおかしくはなかった。今季のリーグ戦は結果が伴っていないとはいえ、もともとの地力はあるのだろう。天皇杯は準決勝に進出。リーグは残留に向けこれからも厳しい戦いは続くが、両山田の活躍やマテウスサヴィオの中軸としての安定性など好材料も揃う。見通しは暗くはない。

一方、横浜FMは前節の横浜FC(対戦時点でリーグ最下位)に続き、下位チームに2連敗。内容的にも自分たちの持ち味であるハイプレスとトランジションの速さによるスピーディな攻撃が影を潜め、マスカット監督が常日頃強調する「自分たちの戦い」がまったくできていない。リーグは2週間の中断期間に入るが、ルヴァン杯準々決勝を控え体制を立て直す時間が十分にとれるわけでもない。とはいえチームの哲学自体にブレはない。修正はそう難しくはないだろう。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ