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【森雅史の視点】2023年8月19日 J1リーグ第24節 鹿島アントラーズvsサガン鳥栖

J1リーグ第24節 鹿島 2(1-0)1 鳥栖
18:03キックオフ 県立カシマサッカースタジアム 入場者数19,693人
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お互いに決してチャンスが多いとは言えない試合だった。その中で特筆すべきは鹿島の1点目だろう。

こぼれ球を拾ったディエゴ・ピトゥカは前進するとパスコースを探す。そこにうまく現れたのは樋口雄太だった。「最初は右足で合わせようかと思ったのですが、相手がいなかったので左足にはなったのですけど、そこまで待って蹴りました」。コースを狙い澄ましたシュートは朴一圭が伸ばした手の先をすり抜けてゴールに飛び込む。動き出しのタイミングのよさ、ボールを体の左まで持っていけるという冷静な判断、左足で正確なコースに蹴ることができるという技術の3つが融合したゴールだった。

それだけの評価されるべき得点だったが、古巣相手に、しかも古巣のサポーターの前ということで樋口は喜びを抑えながら表現した。森保一監督の目の前で決めたアピール弾だったが「まずは目の前を一歩ずつ。それが自分のサッカー人生だと思っています」と、試合後も落ち着いた様子で語っていた。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

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