J論プレミアム

【六川亨の視点】2023年7月26日 FCバイエルン・ミュンヘンvsマンチェスター・シティ

Audi Football Summit バイエルン1(0-1)2マンチェスターC
19:30キックオフ 国立競技場 入場者数65,049人
試合データリンクはこちら

 

23日の横浜F・マリノス対マンチェスター・シティ戦の後半開始時の気温は28・9度、湿度は63%だった。シティは後半からGK以外の10人を交代させたが、横浜F・Mは1人だけ。ここらあたり、地元だけに高温多湿の環境に“まだ”慣れていたと言える。

それから3日後の26日、後半開始時の気温は30・9度に上がり、湿度は52%だった。シティは3日前に試合をしているだけに、“まだ”耐性があったかもしれない。一方のバイエルン・ミュンヘンは後半から11人全員を交代したものの、30分を過ぎる頃からはガタッと運動量が落ちた。リードしているシティも後半から8人を交代でピッチに送ったが、1-0とリードしていたため無理をしない。両チームとも歩いている選手の足元から足元へパスをつなぐだけ。これでは攻撃が活性化するはずはない。とはいえ、このままタイムアップを迎えたとしても誰も選手を責めることはできないだろう。それだけ厳しい試合環境だった。

それでもバイエルンはドイツ王者の意地を見せて一度は同点に追いつく。するとシティは4分後にあっさりと決勝点を奪ってしまう。両チームのゴールとも、俊足によるドリブルでのチャレンジが突破口を開いたように、最後は個人の“頑張り”が「猛暑の夜の消耗戦」を締めくくった。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ