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【森雅史の視点】2023年7月12日 天皇杯3回戦 横浜F・マリノスvsFC町田ゼルビア

天皇杯3回戦 横浜FM 1(0-2)4 町田
18:34キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数6,361人
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町田が横浜FMを巧妙なトラップにかけた。前線からハイインテンシティでボールを追い回し、パスコースを限定する。もし横浜FMがいつものメンバーなら巧みなコンビネーションでボールをつなげただろう。だが起用機会の少ない選手を軸としたために判断の時間がかかる。そこを町田は突いた。そんな町田の目論見も、もし横浜FMがいつものパスサッカーを捨ててクロスを多用したら崩せたかもしれない。だが横浜FMは横浜FMであろうとし続け、ますます深みにはまってしまった。

試合の構図はそうなったが、もう一つ書き残しておかなければいけないことがある。

西村雄一主審のジャッジングは見事だった。J1とJ2の対戦でしばしば問題になるのは、両リーグのスピードの違いだ。特に攻守の切り替えのスピードには差がある。J2のチームがいつもの感覚でプレーすると、J1チームからはゆっくりに見えてしまう。西村主審はいち早くそのことに気付いていたのだろう。ロングスローの前やゴールキックなどの前に、最初は選手に注意を促し、次にはカードを出すなど分かりやすいジャッジで試合のスピードを上げていった。その両チームのストレスの中間点の探り方は経験の賜物だろう。しかも判定の素早さも選手に興奮する時間を与えなかった。J1首位とJ2首位の激突を裁くのにふさわしい審判だった。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

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