J論プレミアム

【森雅史の視点】2022年2月18日 J1リーグ第1節 川崎フロンターレvsFC東京

J1リーグ第1節 川崎 1(0-0)0 FC東京
19:05キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数17,544人
試合データリンクはこちら

 

川崎の苦悩は続いている。

前半立ち上がりこそ川崎は昨シーズンを思わせるような力で試合の主導権を握った。起点となったのは、これまでボールを持っては仕掛けられず、奪われるかバックパスをしていたマルシーニョ。この日は徹底的に守備ラインの裏を狙ったことで持ち味のスピードが生きた。

ところが20分を過ぎると次第に動きが鈍くなりFC東京の反撃を許す。ミドルシュート中心ではあったものの、厳しいショットが飛んでチョン・ソンリョンの活躍場面が増えていく。後半に入るとさらにFC東京の勢いが増し、51分、ディエゴ・オリヴェイラがフリックしたボールにレアンドロが抜け出してチョン・ソンリョンとの1対1という決定機をつくられてしまった。

だがこのピンチをチョン・ソンリョンが間一髪防いだことで、FC東京も足踏みする展開に。すると81分、攻守に獅子奮迅の働きを見せていたレアンドロ・ダミアンが遠野大弥のCKをニアサイドで薄くコースを変え、決勝点を生んだ。

試合のMVPは6回の決定機を防いだチョン・ソンリョン。日本代表選手で一番出来がよかったのは谷口彰悟で、守備だけではなく積極的なフィードを見せていた。その他の代表選手に関してはまだチームにフィットしておらず、今しばらく時間がかかるかもしれない。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ