代表の前田大然、蔚山戦の裏側、西谷和希への鋭い質問『今週のひぐらしひなつ おすすめ3本』(7/2~)
『タグマ!サッカーパック』ユーザーに向けて、サッカーパック対象コンテンツをご案内するコーナーが復活。7月はサッカーライターの「ひぐらしひなつ」さんが毎週「これは!」と思った記事をおすすめとして紹介いきます。
※コンテンツ対象期間:6月24日~6月30日
■【代表うぉっち】大舞台でヒーローになれなかった前田大然は現実を受け入れて前を向く:そういうところで冷静になれる人が上で戦えている(KAWAJIうぉっち)
2017年J2水戸でブレイクした爆速男。相手DF陣をビビらせる迫力のスプリントで猛威を振るい、翌年はレンタル元の松本に戻ってJ2優勝・J1昇格に貢献した、J2界隈の他サポにとっては恐るべき存在でした。今季はJ1で戦いつつ、ついに初のA代表招集。東京五輪も目前に迫る中、コパ・アメリカで彼がどれだけポテンシャルを発揮するのかは非常に興味深いところでありました。そんな前田大然選手の「本当に出てよかったのかなっていう、そう思うくらい何もできなかった」という言葉。技術面・個人戦術分析に長けた河治良幸さんの記事は、クールな距離感を保ちつつ選手個々人への深い愛情を感じさせてくれます。
■ここに負けるわけないと思えた理由 ラウンド16はホーム&ホームだった【轡田哲朗レッズレビュー/ACL R16第2戦 蔚山戦】(浦レポ by 浦和フットボール通信)
6月26日、ACLラウンド16第2戦・蔚山戦。第1戦、ホームでアウェイゴールを奪われた浦和にとっては背水の陣でしたが、アウェイの地で3-0の見事な圧勝。準々決勝へとコマを進め、その戦いぶりはわれわれに勇気を与えてくれました。その裏側をたっぷりとのぞけるのがこちらの記事。大槻監督の選手起用や言葉の掛け方といったチームマネジメントは興味深く、リスクを負って勝ちにいく戦術を局面ごとに解説しながら、いかにそれを選手たちに遂行させていったかが読み取れるようになっています。同時に蔚山サポの少なさに奮い立つといったサポーター的な目線も混じりつつ、試合の昂奮が生々しく蘇る一編です。
■西谷和希「自分が(浜下)瑛に(PKを)蹴らせてしまったので、責任は感じている」【J2第20節愛媛FC戦のコメント】(19.6.29)(栃木フットボールマガジン)
悪くない試合をしながら大事なところで詰めの甘さが出て結果を出せず、J2下位に沈んでいる栃木。6月29日のJ2第20節・愛媛戦も、前半にPKで先制しながら後半に2失点して逆転負け。しかも失点は85分と90+4分です。この最後の粘りきれなさは、本当にもったいない展開。74分、追加点のチャンスだったこの日2本目のPKを外したことが返す返す悔やまれるのですが、このときチームメイトにPKを蹴らせる決断をした西谷和希選手のコメントがこちらです。1本目に浜下瑛選手の得たPKを自分が蹴って決めたから、今度は自分の取ったPKをお返しに蹴らせる。一見、ちょっといい話にも聞こえますが、栃木番記者・鈴木康浩さんの西谷選手への質問が刺さります。果たして西谷選手の答えは。のっぴきならない勝負の世界の厳しさを、読んでいるこちらも突きつけられるようでした。
ひぐらしひなつ
サッカーライター。大分県中津市生まれ。
九州を拠点に育成年代からトップまで幅広く取材。大分トリニータのオフィシャル有料メディア「トリテン」などに執筆、エルゴラッソ大分担当。2019年6月1日に新著『救世主監督 片野坂知宏』を上梓したばかり。2018年7月発売の著書『監督の異常な愛情-または私は如何にしてこの稼業を・ 愛する・ようになったか』で「サッカー本大賞2019」優秀作品および読者賞受賞。他に『サッカーで一番大切な「あたりまえ」のこと』、『大分から世界へ 大分トリニータユースの挑戦』。