ロクダス

森保絶対宣言をしたら、出鼻をくじかれた。頼むよポイチ!

文・写真=六川則夫

結論から言えば、サウジアラビア戦は、テスト以上でも以下でもなかった。交代メンバーを出し惜しみしたのも、あくまでも先発11人の適性を、サウジという、参加国の中で最も完成度の高いチーム相手に、どれだけできるか見極めていたとしか言いようがない。

結果を失った試合で得た成果は何か。GK大迫敬介の絶対的な存在が証明された。GK枠にオーバーエイジを入れるという、これまで日本が踏襲してきた選択は、今回採用されないのではないか。それほどまでに大迫のセーブは神がかっていた。後半43分のPKも、止めてくれるものと信じていたが、ボールスピードが速すぎた。

 

 DFのスリーラインはどうだったか。右サイドの渡辺剛は、相手のエース格二人に翻弄されながらも、試合が進むにつれ強度を発揮していたが、冨安レベルには及ばず。当然か。送る言葉は「つよし、しっかりしなさい」!

 

ボランチは、柴崎のパートナーは誰が適任かという視点で見ていたが、二人の田中のうちどちらが突き抜けていたかというと、見極めが難しい。柴崎のバックアップとしては、田中碧に落ち着きそうだ。

 

アウトサイドの二人は出来が極端だった。橋岡大樹はクロスの精度に難があったが、攻守にわたってサウジの攻撃に対して、体をぶつけて戦っていた。ACLでの経験がこの試合でも生かされていたように思う。逆に怪我明けの杉岡大暉は、まるで存在感がなかった。チーム立ち上げ当初、真っ先にフル代表に名を連ねるのが杉岡と評価されていただけに、伸びしろの無さが気になる。

 

結局左サイドは食野亮太郎が個人技で打開するしかなく、それが日本の攻撃に唯一テンポをもたらしていた。海外組の彼がいなければ、熱いタイで、とても寒い試合になっていたはずだ。

そして小川航基である。彼はゴール前でボールを受けてなんぼの選手であるが、残念ながら、小川のストロングポイントを生かすボールが入らなかった。やはりこのポジションは、ボールが収まる上田綺世を置いて、小川に繋げるというホットラインを熟成させるべきではなかったか。期待した旗手怜央は力不足というより経験不足か。

 

ロングボールが縦に収まらなければ、必然的に攻撃は遅くなる。いかに早くゴール前にボールを運ぶのか。ハリルホジッチをもってしても、日本のサッカースタイルを変えることが出来なかったこの命題に、はたして森保ジャパンはどう挑むのだろうか。

 

初戦を失ったことによって、第2戦のシリア戦が日本にとって、大きな意味を持つことになった。初戦のメンバーからどうチームを立て直していくのか。日本は総力戦でシリアに向かっていかなくてはいけない。

 

     

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