勝者は三木谷浩史である
文・写真=六川則夫
明けましておめでとうございます。本年もロクダスをよろしくお願いします。
天皇杯のウイナーズは神戸、ではウイナーは誰か。胴上げをされているこの男しかいないだろう。
三木谷浩史である。ポドルスキ―、イニエスタ、ビジャとワールドクラスの選手を補強、その投資に見合う結果と売りお上げを記録した。リーグ優勝を果たした横浜FMは、シティグループのスカウティングを生かし、シーズン中も適材適所の補強をして、常にチームを進化させた。対極的ともいえるチーム強化の手法だが、両チームの戦略は、今後のJリーグのビジネスモデルになることは間違いない。神戸に引導を渡されたのが、プロヴィンチャのチームながら、勝者のメンタリティをJリーグ開幕当初から積み上げてきた鹿島という構図は、Jリーグの未来を暗示している。
チームの明暗を分けたのは、イニエスタとレオ・シルバの完成度の違い、というかパフォーマンスの差だった。鹿島のスイッチを入れるレオ・シルバは、反則覚悟のタックルを受け、攻撃の芽をつぶされた。一方イニエスタは、攻撃の起点としてボールを繋いだ。神戸は、確信犯でレオ・シルバを沈めた。イニエスタは反則も躊躇せず気持ちいい。
新装となった国立競技場の記念すべきオープニングゲームは、天皇杯決勝神戸対鹿島戦。何年ぶりだろう?国立でお正月を迎えるのは。23区内に住んでいると(板橋です)、東京のチームでもホームスタジアムに向かう時は、都落ちする感じがするが、国立競技場は東京のど真ん中、今後ここでどれだけサッカーの試合ができるか、楽しみだが、先行きは不透明だ。
せっかくの好天にもかかわらず、360度覆った屋根が青空と光を限定的なものにした。今や日中にやる試合は、まだら模様というのが、世界のスタンダードになってしまった。それもやむなし。
1月8日、バンコクに向かいます。AFCU23選手権の取材です。初戦のサウジアラビア戦が注目の的。正直言って、サウジは強い。この試合で、日本の現在地が明らかになりますよ。
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