デジタルピヴォ! プラス

[無料]選手たちのポテンシャルを120%引き出すのが自分の仕事。(バジェーナブランカ城北レディース 川﨑康裕監督)[関東女子第7節]

 

2022年8月14日(日) 足立区総合スポーツセンター
(PHOTO・なか、山下浩正 まとめ・山下浩正)

 

ドリームフットサルパーク/ポルコ。

 

バジェーナブランカ城北レディース。どちらが先に3勝目を挙げるのか。

 

久々にベンチ入りし川﨑監督を支えた大室龍大コーチ。

 

第13回関東女子フットサルリーグ2022 Powered by PENALTY 第7節
バジェーナブランカ城北レディース 2-2 ドリームフットサルパーク/ポルコ
[得点経過]
1-0 08分58秒 城北レディース #30 有田佳奈
1-1 22分50秒 ドリーム/ポルコ #14 中田優衣
2-1 31分15秒 城北レディース #30 有田佳奈
2-2 31分59秒 ドリーム/ポルコ #21 茂木未希

 

ELEVENSPORTS
https://elevensports.com/view/event/cl5g9tlyjdsa40ja6e1bbxew0?src=CPT_EL

 

試合終了のホイッスルを聞いたとき胸中に2つの思いが浮かんだ。1つは戦力で上回っているバジェーナブランカ城北レディース(以下、城北)が勝ちきれなかった無念さ。もう1つは、ドリームフットサルパーク/ポルコ(以下、ポルコ)が『足利効果』で見違えるほどのチームに成長した事実を城北はどれだけ把握していたのかという点だ。例によって思いのままを城北の川康裕監督にぶつけた。

 

 

城北の新人ピヴォ有田2ゴールの活躍

Pivo!  さっそくだがこのポルコ戦、どんなゲームプランで臨んだのか。相手は昨季1勝1分け6敗で11チーム中10位に終わっている。無敗で準優勝した城北との実績、戦力差は歴然だ。だが今季ポルコはすでに城北に並ぶ2勝を挙げている。決して侮れる相手ではなかったと思うがどうか。

 

ゲーム序盤、強烈な左足シュートを放つ城北#5村岡真実。ここはポルコのディフェンスにはね返される。

 

村岡は今節ノーゴールに終わったがスーパーなプレーで#30有田の先制ゴールをアシストした。

 

 そうですね。ただ、うちは相手を考えるよりも先に自分たちのフットサルを優先してやろうということを毎試合掲げています。
その中で相手に対してどういう戦い方をするかをチームミーティングで話しています。
ポルコに関しては昨年はクアトロを徹底していましたが今季からはピヴォ攻撃を使ってくるという分析はしていました。

 

前半序盤にロングシュートを放つポルコのキャプテン#22足利。押し込まれる状態を打破し相手守備ラインを下げさせるために放った一撃のように見えた。なお足利は後半12分城北陣内深い位置でボールを奪うと2-2とする同点ゴールをアシストした。

 

Pivo!  特に2勝目の第3節AOH戦、ポルコはキャプテンの#22足利千春が1年半ぶりにケガから復帰し攻守両面でリーダーシップを発揮、同点ゴールをアシストすると2-1の逆転勝利にチームを導いた。この試合ポルコの勝因をボクは自分の中で『足利効果』と総括した。監督の目に相手キャプテンの存在はどう映ったか。

 相手の22番に関しては相手のキープレイヤーと試合前に話しています。彼女が入ることによってポルコのボール回しのテンポはよくなるし何よりうちとの試合に関してはかなり体を張ったディフェンスが目立ったかなと思います。
いい選手です。危険察知能力が高かったのはさすがベテランって感じでした。

Pivo!  ゲームは開始約8分、直前にこの日初めてピッチに立った#30有田佳奈が鮮やかなゴールを決めて城北が先制する。有田が入ったことでフィクソに下がった#5村岡真実からその有田へライナー性の長い縦パスが入り、これを有田が動きの中からヘッドでスラしてゴールを奪ってみせた。有田はこの日後半11分にもゴールを決めていて、出場3試合で3ゴール、今やチーム得点王。なでしこリーグ在籍時はディフェンスの選手だったそうだが高校時代から指導にあたり城北入団後は開幕節からピヴォに起用している監督としては彼女のゴールセンスを見抜いていたか。

 

有田がゴールを決めた直後のシーン。顔をおおうゴレイラのしぐさからシュートの意外性が伝わってくるようだ。

 

 ゴールセンスというよりは嗅覚ですかね。笑
独特なリズムの持ち主ですね。ドリブルやボールキープするシーンはうちにはいない選手というか。今はまだコンディションがよくないのでディフェンス面は目立っていませんが攻守共にできる選手だとは思っています。
コンディション、フットサル経験値を上げればもっとおもしろい選手になると思います。

Pivo!  有田の全3ゴールのうち2ゴールは村岡がアシストしている。しかもいずれも有田をピヴォに置く3:1のフォーメーションからのもので、フィジカルにたける村岡はレスト無しでクアトロ(4:0)と3:1の両セットでプレーするが明らかに3:1セットのほうが生き生きしている。クアトロでは迷子とはいわないが、なでしこリーガーだった彼女だが、「フットサルに慣れてきたからこそ引出しが増えた分プレーに少し迷いが出てきた」と前節終了後に監督は語っていた。今後もクアトロセットにこだわって村岡を起用していくのか。それとも3:1セット専任で村岡の得点力に期待していくのか。勝敗を分ける重要なポイントだ。

 まみは基本ピヴォセットで起用しています。
ただ、正直なところピヴォ攻撃とかクアトロとか初めのセットポジションとでしか考えていません。
試合中臨機応変にコートの中にいる選手たちでコミュニケーションを取りながら相手に対していい攻撃ができればいいと思っています。
監督の指示、押し付けだけでいいフットサルができるとは思っていませんし、選手たちも楽しくないんじゃないかなと思います。
選手たちのポテンシャルを120%引き出すのが自分の仕事だと思っています。
選手の適材適所を常に試行錯誤していますがそれが正しい答えかどうかもいまだに自問自答しています。
一番は選手が勝ち負けを競い合って試合を楽しむことを常に考えています。

Pivo!  最後の質問。今節はゴールが欲しい終盤、村岡と有田の縦の関係にこだわったためか攻撃が一本化した嫌いがあ理、その結果サイドアタックが影を潜めた。前節は#11高橋海友が、#19吉羽凪がサイドアタックからゴールを演出している。この2人に#14中田優衣を加えたドリブル自慢による仕掛けをしていたら結果は違っていた気がするが。

 先程の回答と似てはいますが、こういうまだ未知の発見、コンビネーションがうちのチームをレベルアップさせてくれる楽しみの一つかなと。まだまだ楽しみでしかないです。
それをスタッフ、選手、応援してくださるファンの方たちと共有していければと思っています。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ