デジタルピヴォ! プラス

4カ月ぶりの屋内フットサルクリニックを楽しむ! [コロナ禍に生きて]

『大人のミックスフットサル教室』の川﨑コーチ。

 

2020年6月1日 北区滝野川体育館
(PHOTO、TEXT・山下浩正)

 

アシスタントののんコーチ。川﨑監督のもとで関東女子リーグ昇格を果たした城北レディースのキャプテンだ。

 

『大人のミックスフットサル教室』の村上事務局長(手前)とマネージャー役のじゅんさん。

 

お母さんと参加している俊足の中学生。

 

教室は競技エリアの半面を使って行われる。

 

当日の体温を正午までに自己申告

「本日『大人のミックスフットサル教室』ご参加予定の皆様へ
本日ご参加予定の皆様は正午までに以下の①~⑥をお知らせください。
その後、体調に異変があれば、参加を辞退してください。
この情報を頂けないと参加ができませんのでご注意ください。

①本日(参加日)の体温
②咳、喉痛みはないか
③だるさは?
④息苦しさは?
⑤味覚、嗅覚はあるか?
⑥感染者との濃厚接触していないか?

どうぞ宜しくお願い致します。』

『大人のミックスフットサル教室』の事務局から届いたメールに昼前に返事をしたうえで、6月1日月曜日、僕は、開幕30分前の午後6時半に会場の北区滝野川体育館入りした。

ここに足を運ぶのは、事務局の人に聞いたところ、中断前の最後の回が2月10日だったから、ほぼ4カ月ぶりのことになる。

4カ月に及ぶ中断。

そんなに長い月日がたっていたのか。フットサル完全遮断に伴う体重3キロ増による出っ腹をさすりながら一瞬感慨にふける。

といってもこの中断は新型コロナウイルス感染防止のためではない。この体育館は、毎年春になると学校行事優先のために一般人対象のフットサルクリニック等は休止となるのだ。この教室に通いだして4、5年になるからその辺の事情には詳しい。

そして中断明け1回目が6月1日だったわけで、1週間ほど前にマネージャー役のじゅんさんからいつもどおりのありがたいLINEが入り、参加の意向を確認してくれた。
ただしこの時点では、この日に開催されるかどうかはまだ未定だという。
それから数日、東京都が緊急事態宣言を解除したことで、川教室の開催も無事、確定した。

体育館の自動ドアを入ると、受付まで動線が仕切られていた。
受付で大人の教室へ来た旨を伝えると、名前を聞かれ、傍らの参加者名簿をチェックしたうえで、“はい、結構です”と入場が許可された。
いつもは20人を超す人気教室だが、この日は3密を避けるために15人限定で開催され、そのリストが事前に提出されていたのだ。
すでに6項目の自己申告で事務局の“1次審査”はパスしているものの、なるほど、体育館は体育館で、こういう手順が必要なのか。
これまでの、手洗い・うがい、3密の回避とは違う、コロナ禍の洗礼を受けた気がした。

そして競技エリアに入ると懐かしい何人もの人が笑顔で迎えてくれた。

以下、4か月ぶりのささやかなフットサル体験をつづります、付き合ってください。

密にならない工夫が施されたメニュー

「フットサルはどうしても密になる時間がある競技です。
トレーニングはまずはしっかりソーシャルディスタンスをテーマにとは思って設定しました。
ただ、止まったトレーニングよりは動きを入れていったほうがゲームにつながるかと思い、こういうメニューにしました」

いつものどおり全員が輪になって講師役の川コーチの話を聞いたあと、メニューに取り掛かる。
4人1組になって、ドリブル・パス・ストップ・GO! を繰り返す。
なるほど、適度に動き、密にならない工夫が施されている。

それにしてもこの段階で僕は息が切れているのには正直驚いた。
自宅と近くの大きな公園で自主トレはやってきたつもりでいた。
でも、考えてみれば自分にどこまでも甘いタイプの人間だ。
テレビのドキュメント番組で見た、45秒走って・15秒歩くというインターバル走も(距離を稼ぐという?)本来の意図など無視して楽ができるという実感から早速取り入れる始末。
そのスピードたるや見る人によっては介護施設の人たちのお散歩に見えたことだろう。
とはいえ、自ら後期高齢者医療被保険者証を所持する身、人様のことをいえた柄ではないのだが。

同じメニューに足裏ドリブルを交えたり、30秒間スピードアップするなど変化を加えて心拍数が上がり汗もかいてきたところで小休止。この後、3チームに分かれ、7分1本のゲームを4試合ずつ行った。

みんな結構熱くなり、僕もそうだが、ほとんどの人が任意でマスクをしてプレーしているものの、お互いの距離が近くなり、
「密にならない! 密にならない!」
と川コーチが声を張り上げるシーンもあった。
でも、終始みんな喜々とした表情でボールを追い続け、2時間弱があっという間に過ぎていった。

言葉をかわした限り、ほぼ全員が、“全くといっていいほどボールを蹴っていなかった!”、“子供と公園で遊んだ程度”とこの4か月間を振り返っていた。
でも、ひとりひとりの顔に“フットボールが好き!”と書いてあるのを僕は見逃さなかった。

「始まるまでは今後を含めどうなるのかなと不安のほうがいっぱいでした。
ただ、皆さんが集まるにつれて“やっとボールが蹴れるねー”など会話をされているのを聞いて、この先もっとフットサルを楽しんでもらえる環境づくりをテーマにしていければなと思いました」

コーチの終了後のコメントである。
やる前の不安とその後の喜びと安ど感があふれてくるようだ。

来週以降も無事続けば、僕自身の過激な自主トレも相まって(←ウソつけ!)出っ腹も確実に解消されていくだろう(←そう願っているよ!)。

例によって参加者による自主的な後片づけの後に、参加者のひとりの意外な言葉が僕を待っていた。

「いい写真、撮れましたか?」

あっ!? 

最初にザクッと関係者と近くの人を撮って、その後ゲームが始まったら随時いろんなショットを撮っていこう。

そんな目論見はフーフーいいながら必死になってボールを追っているうちに(インターバルもあったというのに!)どこかへ行ってしまい、iPhoneはバッグに入れたまま、、。

この哀れな老人にもう一度チャンスを与えてください!

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ