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無料記事[Fリーグ2016/2017 プレーオフFinal Round第2戦]シュライカー大阪・木暮賢一郎監督「3年前の初日に僕は歴史を変えようという話をして、そのときからぶれずに、多くの決断をしてきました」(2017/3/5)

 

SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017  プレーオフFinal Round2戦目
シュライカー大阪 3-2 ぺスカドーラ町田
2017年3月4日(土) 岸和田市総合体育館 観客数:1,170人
[得点経過]
1-0 04分45秒 大阪 8 永井 義文
2-0 06分21秒 大阪 11 チアゴ
2-1 19分40秒 町田 10 森岡薫 第2PK
2-2 22分15秒 町田   オウンゴール
3-2 39分55秒 大阪 11 チアゴ

 

 

シュライカー大阪(以下大阪)はプレーオフFinal Round第1戦でぺスカドーラ町田に敗戦をし、Final Roundは第2戦まで持ち越された。
リーグ1位の中、レギュレーション上、2-2でもよかった状況でチアゴがパワープレー返しを残り5秒で決め、ゲームとしても勝利をおさめ、プレーオフ1位を決める。
大阪は木暮監督指揮のもと、リーグでも1位。プレーオフでも1位と名古屋オーシャンズ以外成し遂げることのできなかった偉業をFリーグ10年目にして成し遂げる。
木暮監督はFリーグの歴史を変えるために3年計画で優勝を目標に掲げていた。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

以下は、木暮賢一郎監督佐藤亮選手の記者会見と質疑応答。

試合を振り返って。優勝を決めた今の気持ち。

 

 

 

木暮賢一郎監督

「今日のゲームに関しては、本当の本当に最後で昨日とは違う状況でした。もちろん私たちは引き分けでも優勝が決まるというところはありました。ワンシーズン(リーグ)優勝はしましたが、完全優勝、しっかりとタイトルを取るためにはラスト1試合ということで昨日の敗戦を受けて、恐らく選手も含めてメンタル的には多少苦しいところはあったと思いますが、選手たちは本当に勇敢に戦ってくれたのではないかなと思います。もちろん戦った12名だけではなく、メンバー外の選手であったり、いつも選手たちに試合に出ていても出ていなくても、30分であろうと、2分であろうと、タイトルを取るためにそういう厳しい要求をしてきたので今日の結果というのは全選手の今シーズンの取り組みがあってのこと。全選手におめでとうといいたいです。また、自分自身のことをいうとフィジカルコーチ、キーパーコーチ、トレーナー、ドクター、いつもビデオを撮ってくれているサテライトの監督、彼らがいたからこそ僕自身もいい仕事ができていると思うので全選手、スタッフへ感謝の気持ちとおめでとうという言葉を送りたいと思います」

 

佐藤亮選手

「優勝が決まった瞬間というのは、苦しさからの解放感とうれしい気持ちで今振り返るのが難しい感情ではありました。昨日の敗戦から、本当に終わってから緊張感というか、あまり自分自身も感じたことのないプレッシャーを感じる中で今日の試合に臨みました。結果として優勝できてよかったです。今シーズンに限らず、これまでシュライカー大阪にかかわってきたすべての選手だったり、スタッフだったり、サポーター、スポンサーの皆様も含めて、シュライカー大阪の10年間の積み重ねでこういう結果が得られたのではないかなと思います。もちろん、結果を出したのは今シーズンのメンバーであり、監督、スタッフにはなるのですが、これまでの歴史も含めて、僕自身は大阪に在籍して8年目になりますが、シュライカー大阪の歴史が1つの形になった日になったのではないかなと思います」

 

以下は木暮賢一郎監督の記者会見と質疑応答。

Q:資金力が圧倒的にある名古屋がこれまで連覇をして来た中で、お金ではなく頭を使う必要があったと思いますが、1番考えたこととこの優勝の意味について。

木暮:僕が大阪に来たときにフットサルの戦術とかフットサルの戦い方ということではなく、おっしゃったように圧倒的な資金力であったり、1チームだけ抜き出ているフットサル・Fリーグの現状を変えたいなという思いもありました。大阪にはもらっている金額なのか、プロなのか、セミプロなのか、はたまたアマチュアなのか、Fリーグの中で混在している中で、一貫して大阪の選手に要求してきたことは、プロフェッショナルとして取り組む姿勢はブレずに伝えてきたつもりですし、そういうアイデンティティーをクラブに根づかせたかった。そのモチベーションになるのは、ハングリー精神といいますか、セミプロでもアマチュアでも1つのストーリーとして、すごく強豪のチームを倒すという大きな大きなモチベーション、そういう戦う原動力に名古屋オーシャンズという存在があったとは思いますけど、1円でもお金をもらっているとか、もしくは、もらっていなくてもクラブと契約をしてワンシーズン戦うということは、クラブであったり監督は毎日の練習を100%・120%戦う約束だと僕は思っています。今シーズンの活躍とか、結果というのはその次に来るという話を選手たちにはしています。今シーズン活躍したから来シーズンどうなのかとか。ただ、このシーズンを戦うクラブとの契約がある限りは、勝とうが負けようが、自分が苦しくても、プライベートでなにかあっても、ピッチに来る。トレーニングする。100%戦うのがプロフェッショナルだよと。プライベートで電話番号知らなくても、ピッチの中ではチームメートのために体を張って戦うのがプロだよと。ここにいる佐藤はキャプテンとして僕から1番すっぱくいわれていたと思います。自分自身はフットサルを始めたころは、よきフットサル界のよきみんなが仲よしで、手を取り合ってこのスポーツを発展させていきたい、そういう中で選手をやって来たので今いったことの真逆の部分も理解していますし、大切なことだと思っています。ただ、本当に次のステージに行くには、環境がよくなることを自分たちが待っていても時間だけが過ぎていくだけだと思っています。理想は、僕たちがこのような結果を出したことでチームが更に変わって、とか、他のクラブの意識が変わって、もっともっとフットサルというスポーツが発展していくことが願いであったり、結果がどうであれ、何かが変わる変わらないの前に自分たちがやることというのは、そういったプロとしての姿勢であったり、考え方であったり、正解かどうかは分かりませんが、少なくとも大阪の選手たちにはそこをすごく要求してきました。昔からやってきている選手は、なかなか受け入れられないこともあったかもしれませんですし、若い選手は監督がそういうのだから素直にそれがスタンダードになったのかもしれません。国籍であったり経験であったり、年齢が違うグループの中でクラブとしての考え方を、僕はサッカー界の大先輩から学んだり、自分が経験した中で、自分がプロとして選手としても監督としてもやって来た中で、大阪というクラブにはそういう考え方を植え付けるといったら語弊がありますが、そういう考え方を浸透させて、そういうクラブがタイトルを取りに来る。そういう姿勢を見せたいなという思いでここまで来ました。もちろん1つのストーリーとして大きな成果が出ましたので、こういう思いがフットサル界を支えてくれる皆さんであったり、新しく魅力を感じてくれた方であったり、若い選手であったり、子供たちであったり、このすばらしいスポーツがさらに発展してもっともっとプロに。野球とかサッカーに近づいていく、今でいうとバスケットもそうです。少しでも近づいていく。1つのきっかけになってくれたらなあと僕は信じています。そう思って3年間選手にも接してきたのでそうなることを祈ってますし、今後もそのような気持ちを持って続けていきたいなと思っています。

Q:プロアマ混在しているリーグで、意識の差はクラブで差があると思いますが、その中で選手が同じ方向を向いて優勝を成し遂げられた要因について。

木暮:もちろん12チームある中、恵まれているほうだとは思いますが、全員が午前中に練習をして、午後はスクールがあるという生活サイクルなので、こちらの要求と、そうはあっても体を休めたいとか、疲れがあるとか理解したうえでレベルアップであったりしていかないといけない中で1番意識したのはそういった考え方。そのグループで成し遂げたい目標設定から1番自分がぶれてはいけない。選手はフットサルが大好きで、自分の生活であったり、そういったものを含めて、かけて、時間を割いて一生懸命やっているのは理解しています。フットサルをしたい欲求というのはタイトル、この喜びに向かうことが1番だと信じてやって来ました。もちろんマイナースポーツなので当然フットサル以外の部分で普及活動であったり、多くの方に知ってもらうであったり、魅力の伝え方はたくさんあると思いますし、それも大事なことだと思います。ただ、自分自身ずっとやって来た中で、今まで注目されるきっかけがあったと思いますが、こういうタイトルをかけて戦えるチームが1つでも増えて、観に来た人がその熱さであったり、そういうものをおもしろいなと感じてリピーターになることが地道かもしれませんし、これまでも誰かのアイデアできっかけをつくることはありますし、今までもあったと思いますが、そのきっかけをつくった後にそれを定着させるためにはフットサルの人間がおもしろいゲームをする。それ以外にないのではないかなと信じてやって来たので当然ゴールというのは優勝するために時間を使う。そこは選手に対してぶれずに。3年前の初日に僕は歴史を変えようという話をしようという話をしていて、就任して選手の前で挨拶したときからそこを自分がぶれずに多くの決断をしてきました。多くのベテランを使わない時期があったりとか、若返りがあったりとか、今日のゲームでも村上であったり出ていない選手もいましたし、ここにいるキャプテンの佐藤も出れない時期であったり悔しい思いをしたと思います。自分自身も選手だったので、その気持ちは十分わかりますけども、そこでぶれてしまったら、本当に一生懸命やっている選手に僕は申し訳ないと思うし、監督である以上は最初に掲げた目標をぶれずにやり続ける。そこは信念として伝え続けたつもりです。

 

Q:MVPを獲得した小曽戸選手の今シーズンの評価と、獲得してどういう声をかけたいか。

木暮:MVPという賞は誰にもわからない賞で代表と同じで10人いれば、10人この人がと思いは違うと思います。1ついえるのは僕は全選手が大好きでこのタイトルを取らしてあげたい。取ってほしいなという思いで接してきましたので、正直、誰がMVPでもベスト5でも、みんなから祝福されるチームから出した証だと思っています。それがたまたま小曽戸選手だったというところで、小曽戸選手の思いとしては現役時代に日本代表で一緒に長くプレーをして非常にチームメートとして、代表のキャプテンとしても、非常に信頼できる選手でした。彼の姿勢であったりとか、考え方というとこで目をかけていたという、選手としては信頼していた後輩にあたります。小曽戸選手を獲得したのも、彼のそういう技術とかプレーはもちろん、プロとしての姿勢をほかの選手であったり若手に伝えられる選手の獲得ということで、すごくクラブに熱望して取った選手です。昨シーズン、開幕戦で古巣の大分戦で骨折をして、本人も悔しい思いをしたと思います。日本代表ではW杯での敗退の責任をすごく感じていたと思います。昨シーズンは彼にとって苦しいシーズンであったと思います。今は監督と選手なのであまりそういう話はほとんどしないです。今回の彼のMVPというのは、Fリーグにいる全日本人選手にとってお手本になる。プロとしての、外国人は別として、ゴールとかプレーの質よりも、僕が求めているプロフェッショナルな選手としては、1番そのモデルに近いことは間違いないと思います。(三浦)カズさんに肩を並べるくらいまでやってほしいなと思っています。

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