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[由梨のイタリア日記②] セリエA の女子の大半が給与をもらっており選手寮も準備されている、うらやましい環境です。

江藤正博選手は2015年からイタリアに渡ってプレーをしています。

 

体育館のインタビュールームで。

 

ユニホームなどにプリント圧着をするための機材も揃っています。

 

最初に今シーズンのイタリアの女子フットサルリーグがどのように行われているのか? を書いておこうと思います。
セリエA femminile Eliteのカンピオナート(=リーグ戦)はだいたい10月から4月中旬までの間、毎週日曜日の午後に開催されています。前期はAグループ(北部リーグ)とBグループ(南部リーグ)の2グループに分けられ、8〜9チームでホーム&アウエイの試合をします。そして後期は各グループの上位5チームがゴールド(上位)リーグへ、下位3〜4チームがシルバー(下位)リーグへ行き、再びホーム&アウエイで試合を行って順位を決めます。順位が確定した4月中旬からはスクデット(=優勝)を懸けたプレーオフ最終ラウンドの始まりです。プレーオフはゴールドリーグ10チームにシルバーリーグ上位2チームが参加し12チームでホーム&アウエイのトーナメント方式で戦います。決勝まで残ると6月初めまではシーズンが終わりません。
また残留を懸けて戦うプレーアウトは、シルバーリーグの3位〜6位の4チームでホーム&アウエイの逆トーナメント戦を行い、2試合とも負けたチームは降格となります。シルバーリーグ最下位のチームは残念ながら自動降格です。
そのほかに前期リーグ終了時点の各グループ上位4チームが参加できるファイナル エイト コッパ イタリアというカップ戦が3月にスーペル コッパ イタリアというリーグ優勝チームとカップ戦優勝チームが戦うものが1月にあります。

 

練習風景1。

 

練習風景2

 

練習風景3。

 

クラブのエンブレム。体育館の床にも描かれていた

 

さて、私が今、練習参加&見学をさせてもらっているPescara Calcio a 5 femminile(=以下ペスカーラC5)は現在セリエA femminile EliteのAグループに所属。先日の前期最終戦3−4で負けてしまったため、後期はシルバーリーグで戦うことが決まってしまいました…とても残念です。
ペスカーラC5の監督はブラジル人(イタリア語はペラペラ)で、選手は20名が所属。イタリアはもちろん、ブラジル、アルゼンチン、ハンガリーからもプレーしに来ており、年齢層は15歳から39歳のチーム。女子はトップチームのほかにユニオレスという15歳から18歳のチームも持っています。
もちろん大半が多かれ少なかれ給与をもらっており、外から来た選手用に寮も準備されており、そこで共同生活を送りながらフットサルをしています。前期リーグ最終戦に負けてしまった後の練習後に少し話をしていたら冗談半分で「練習中、ピストルを向けられてる気分だよ」といっていたのがとても印象的でした。

コートは男子チーム・女子チーム共有のホームコートがあり、専用の更衣室はもちろん、医務室、事務所、ミーティングルーム、ユニホームなどにプリント圧着をするための機材がある部屋、なんでもそろっている用具倉庫を完備。理学療法士もいて、練習中・練習前後もケアをしてくれるし(いないときは各自で医務室のものを使用してもOK)、アウエイの試合にはペスカーラのエンブレムがあちこちに散りばめられた専用のバスで移動するというから驚きです。これだけすごいのに何故か一般のトイレに電気がないということを発見しました。何故? と思ったけど、でもなんかそういうところがイタリアらしいと感じてしまう!

練習は基本的に月曜のオフ以外は毎日あり、週2回は2部練習を行い、試合前は分析担当の人とのビデオミーティングも行っています。練習する時間は1時間〜1時間半くらい。リラックスするところはリラックスし、やり合うところはガツガツ行く、そのメリハリがいい緊張感を保った練習につながっています。また男子トップチームの監督やコーチが来て直接指導をしてくれたり、男子トップチームの練習後に残ってアドバイスをしている風景も普通に見かけました。女子のユニオレスは別の練習場でトレーニングをしているのですが、練習終わりにトップの練習を見学しに来ていたり、組織としてのつながりもとてもいい関係が築けているところがすばらしいです。

【イタリアで頑張る日本人選手】
2015年シーズンから、元Fリーガーの江藤正博選手がイタリアに渡ってプレーをしています。現在プレーをしているのは、セリエBのフォンディ。昨年、セリエBのパロンバーラに選手登録をして好成績を残したこともあり、今年同リーグに所属するフォンディに移籍しました。プロとしての2シーズン目は目標をチームの優勝貢献ということで今シーズンは前期こそ勝ち点差が僅差の中で下位に低迷するものの、得点ランキング4位にも入り込み、チームの再建に力を注いでいます。

江藤選手よりメッセージ。

「海外に来て2年がたちますが、イタリアに来てから学ぶことが多い毎日を過ごしています。今まで日本でしてきた経験だけですべてできると思っていましたが、日本とは全然違う世界のスタンダードをこっちで体験して、またそれが毎日刺激になりいい勉強になっています」(情報提供:カルチョ・ファンタスティコ)

<プロフィール>
横山由梨(よこやまゆり)
イタリアで大学に通いながらサッカーやフットサルをプレー。日本とイタリアのスポーツ・文化交流などにも携わり、イタリアサッカー協会公認フットサル指導者ライセンスを取得。そのときにフットサルマガジンPivo!でイタリアフットサル情報「cosi fan tutti」を連載。その後は地元の神奈川県に帰還し、指導者として地元のチームでサッカーやフットサルの普及に力を入れつつ、秦野フットボールクラブでフットサルプレーヤーとして活動中です。

秦野フットボールクラブ女子フットサルでは、今季一緒に神奈川県1部リーグで闘ってくれる仲間(選手&コーチ)を募集しています。詳しくは秦野フットボールクラブホームページ(http://www.hadano-fc.org)またはFacebook(https://www.facebook.com/ladies.hadanofc/?pnref=story)にて。

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