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[ 第5回日本フットサル施設連盟選手権レディース ]関西対決の決勝戦を制したarco‐iris KOBEが初優勝を飾る(2016/6/6)

 

[ 第5回日本フットサル施設連盟選手権レディース ]
2016年4月17日(日) テバオーシャンアリーナ(愛知県)

まとめ◆デジタルピヴォ!記者YNG

 

2015年シーズンを3月に終えたばかりであるが、4月17日(日)に早くも女子フットサル界の2016シーズンの始まりとなる大きな大会、日本フットサル施設連盟選手権が開催された。
各地域の民間施設での予選を勝ち抜いた12チームが集まったが全日本選手権の常連チームも多く、公式の大会と変わらずハイレベルの戦いが繰り広げられると、関西第1代表のarco‐iris KOBE(以下arco)が同じく関西の第2代表SWH Ladies Futsal Club(以下SWHL)との決勝戦を制して今大会初優勝を飾った。

 

 

[ 決勝戦 ]
arco‐iris KOBE 1-0 SWH Ladies Futsal Club

 

民間大会の最高峰の戦いが見られる今大会は、10分ハーフランニングタイムというレギュレーションで公式大会とはまた違った戦いが繰り広げられたが、決勝戦まで勝ち上がったのは常日ごろからライバルとして意識し合う関西代表の2チーム、一昨年と昨年の全日本選手権チャンピオンが地力の強さを証明した。
そのチーム同士の戦いはこの日、5試合目となる決勝戦でも戦う気持ちや集中力を切らさないプレーで激しく攻守が切り替わる展開で目が離せない試合となった。

開始からやや攻勢だったのはarco、#17藤田をピヴォとして起点にボールを前線に送り、#12春山がそこに絡んでシュートを狙う。日本代表経験のあるこの2人を軸にarcoはチャンスをつくり出すがSWHLがフィクソの#11天満やGK#21山本がしっかりブロックする。

 

ピヴォとして能力の高さを見せるarco藤田。

 

左足での強烈なシュートを見せるarco春山をSWHL天満がブロック。

 

arcoの攻撃をしのぐとSWHLは持ち前のパスワークでチャンスをうかがいながら、日本代表の#14坂田、#15網城のサイドからの仕掛けで反撃に出るが、今大会arcoのフィクソとして長く起用された#2西尾が体を張ってSWHLの攻撃をシャットアウトする。

 

SWHL坂田のスピードや切り返しは常に脅威的だ。

 

SWHL網城も日本を代表する選手としてチームを引っ張る。

 

今大会攻守に大活躍のarco西尾の献身的な守備がチームを支えていた。

 

お互いに守備が固く、後半になっても決定的なチャンスをなかなか迎えられないままランニングタイムは時間がすぐに経過していく。
遠目からのシュートも積極的に放つ両チームだが、ここまで残る全国レベルのGKの牙城は崩せずに無得点のまま試合終了の時間が迫っていく。

 

ライバルチーム同士の戦いは球際の争いも激しくて見逃せない。

 

フリーキックでゴールを狙うarco春山。

 

キャプテンを務めたarcoのGK#1古市、シュートブロックとロングスローにたけて注目される。

 

日本代表の守護神でもあるSWHL#21山本は常に冷静にシュートに対処、安定感抜群だ。

 

しかし、PK戦も視野に入りかけた残り1分、中盤でボールを持ったarco西尾がSWHL陣内に入ったところ、かなり遠目ではあったが思い切りシュートを放つとゴール前に走り込んでいた藤田がそのボールに触ってコースを変え、これが見事に決まって劇的な決勝ゴールとなった。
そのまま1対0で試合終了のホイッスルが鳴り、arcoが今大会初優勝を飾った。

 

arco西尾の積極的なシュートが決勝点を生み出した。

 

劇的なゴールを決めた藤田を囲んで歓喜に沸くarco。

 

優勝を飾ったarcoだが、今大会は#6小村が采配に専念、#5竹田、#7平井、#9関灘、#10中野、#19若林、#20齋藤の兵庫県選抜メンバーを外して戦い続けた。
これだけメンバーを変えながら結果を出したことにarcoの強さにあらためて驚かされた大会であった。
日本代表経験者、兵庫県選抜組以外のメンバーに期待をかけて挑んだarcoとしてはかなりチーム力の底上げにつながるであろう。

 

若い選手たちの底上げが今後のarcoの重要課題の1つだ。

 

常に選手間の競争が激しいarco、今回のチャンスを生かして次につながるであろう。

 

ベンチ外の選手たちがすぐ近くで見守る中でのプレーに気合も入っていた。

 

観客席から大きな声援を送り、ベンチ外の選手も一丸となっていた。こういうチームは強い。

 

優勝を決めてベンチ外の選手に駆け寄る出場メンバー、一体感を強く感じられた。

 

今季は王者奪還を目指すarco‐iris KOBE、今大会ではコーチ役に徹して采配に専念し、見事な結果を残した小村美聡選手に話をうかがった。

 

Y:優勝おめでとうございます。今大会は兵庫県選抜組を外して挑み、普段は出番の少ないメンバーに多くの期待を寄せたと思います。試合時間も短く難しい戦いでしたが見事な結果を出しましたね。

小村:関西予選がトリムカップとかぶってしまっていたため、選抜メンバー以外で予選を闘いました。 そのメンバーで勝ち抜いたら全国もそのメンバーで行こうと初めから決めてました。オーシャンアリーナでできるんだぞ! と。そのメンバーで予選を勝ち抜いたからこそ次のステージが獲得できたんです。時間が短い中でも選手を入れ替え、短い時間で最高のパフォーマンスができるように、選手には常に伝えてました。 

Y:基本的には、日本代表経験のある春山選手、藤田選手を軸にしてゲームをつくっていましたね。 2人とも安定したプレーだったと思います。藤田選手が決勝点も見事に決めてくれましたね。

小村:春山はケガで万全ではなかったのですが、ポテンシャルはある選手なのでそこは信じて起用していました。 藤田も予選はあまり調子が上がってなかったのですが、あのメンバーの中では自分がやらないといけないという気持ちがあったのではないでしょう。

 

決勝点を挙げた藤田。

 

今大会チームを引っ張った春山。

 

Y:今回は西尾選手がフィクソとして後方からチームを支えながら攻撃面でも強烈なシュートで見せ場をつくりました。 決勝点につながるシュートも西尾選手でした。 

小村:今、フィクソがいない中でよく耐えてくれました。最後はフル出場、タフな選手です。よく成長してくれているので今ではarco-iris KOBEに欠かせない選手です。

 

激しい当たりとシュート力で大いにアピールした西尾。

 

Y:メンバーが多くなり、競争も激しくなりますが、2016年度は幸先よいスタートを切れました。今季の目標を教えてください。最後にarcoや女子フットサルのファンに向けてメッセージをお願いします。

小村:今季はポルトガル遠征と去年負けた全日本選手権兵庫県予選が最大のポイントです。
「世界に挑戦、世界に通用するプレーヤーになること」「全国王者奪還」今年はこれに尽きます。女子フットサルはまだまだ成長していかなければいけません。その中でやはり競争心だったり、今までつくり上げてきた先輩たちの思いも乗せて、全国の女子フットサルプレーヤーは目標・夢をもっと明確に持って考えてもらいたい。それがアジア王者奪還にも世界トップ3にも届くことだと思います。チームもそこを目指して頑張ります。これからもarco-iris KOBE、女子フットサルをよろしくお願いいたします。

 

優勝決定後でも浮かれず、すぐに全員を集めて気を引き締める姿が見られた。

 

[準優勝以下入賞チーム]
準優勝 SWH Ladies Futsal Club。

 

3位 丸岡RUCKレディース。

 

3位 SAICOLO。

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