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Fリーグ・府中アスレ監督 谷本俊介の勇猛精進(3)「王者を倒す覚悟と思考」(2014/11/10)

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いわずと知れたFリーグの絶対王者・名古屋オーシャンズ。

リーグ7連覇という偉大な記録を持ち、さらには今季のAFCフットサルクラブ選手権で2度目のアジアチャンピオンとなり、日本を越えてアジアの中でも際立つ存在。

日本国内では唯一のプロチームで、監督、選手が全員プロであることはもちろん、オーシャンアリーナという国内唯一のフットサル専用アリーナを持つ名古屋は環境も含めて最高の条件が整っています。

リーグに参戦しているどのチームも優勝を目指して戦っており、ライバルチームの中に実力、環境共に飛び抜けたそんなチームが存在する事実は、他チームからすれば素直に喜べることではないでしょう。

ただ勝負の世界が好きな私の個人的な意見としては、純粋にフットサルの強さを求める中で、それだけ強いチームと戦えることはこれ以上ない幸せなことだというのが正直な思い。

それはうそ偽りなくアジアチャンピオン相手にシーズンで最低3回は挑戦できるチャンスがあるわけですからね。

実際に、リーグで戦っている中で、世間一般的に名古屋に勝つことがひとつのステータスとなっており、監督、選手たちにとっても、自分たちの評価を上げるために大きなモチベーションにしているでしょう。

また名古屋に勝つことは、ファンにとっても特別なことで、勝ったときの興奮、喜びはこれ以上ない盛り上がりを見せてくれます。

ですので、リーグ戦で数多くの試合があり、どの試合も結果は勝敗に応じた同じ勝ち点しかつかないかもしれませんが、名古屋との試合は勝ち点以上の特別な価値があると私は感じています。

そんな王者・名古屋は今季のリーグ戦で第18節終了時点で4度の敗戦を喫しています。

町田、大分、浦安の現在プレーオフ圏内にいる上位勢が名古屋を倒し、それに続いたチームが我々府中。

第18節・ホーム府中に名古屋を迎えての試合で5-2の結果で会心の勝利を得ることができたのですが、その勝利への道筋について振り返りたいと思います。

 

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今回、名古屋との試合を迎えるにあたって我々には大事な背景がありました。

まずは、前回のホームゲームでフウガドールすみだを相手に3-9の大敗を喫し、ファン、サポーターを初め、その日の試合の冠を背負ってくださった府中市の行政の皆様に不甲斐ない試合をお見せしてしまいました。

その試合は悔しさを通り越し恥ずかしさを感じるほど、これ以上ない惨めな試合で、ファンやサポーターの反応から改めてホームゲームで勝つことの重要性、勝負事は結果がすべてということを痛感。

ですので、たとえ相手が王者・名古屋であろうとも何としても勝利して、失望したファン、サポーターたちの心を取り戻し、さらに自分たちのプライドも取り戻す機会とその試合をとらえていました。

しかし、客観的に見れば、(第18節時点で)リーグ7位のすみだ相手に大敗した府中が、どうやって首位の名古屋に勝てるのでしょうか? というのが正直なところでしょう。

ただでさえ実力差のある名古屋を相手に勝利するためには、なみなみならぬ覚悟と高等な戦術、戦略が必要です。

実際のそのときのチーム状況はというと、実はあまりよくない状態・・・いやむしろ悪い状態だったと思います。

すみだ戦の大敗のあと何とかチームを立て直し、アウェイ神戸戦で勝利したものの、その試合で中心の選手の皆本が4枚目の警告をもらい、名古屋戦の出場停止が決定。

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