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町田・関野淳太監督インタビュー・1「前期の7引き分けがプレーオフ進出を拒んだ最大要因」(2014/5/17)

image子どもたちを前に笑顔を見せる関野監督。横山コーチから指導を引き継いだMFP千住のスクールで。

 

▼監督4シーズン目の決意

ペスカドーラ町田の関野監督は昨シーズンまで3年間、チームを指揮してきた。「3年がひとつの区切り」としてきたことから身の振り方を考えていたときに山本GMをはじめフロント陣からの要請で契約を1年更新した。その関野監督は昨シーズンをどう総括し、新しいシーズンにどんな思いを抱いているのか。いつもながら、率直できたんのない意見を聞かせてくれたので数回に分けてお届けしよう。なお、みなさんご存知のようにペスカドーラ町田は関野監督のアシスタントコーチとして岡山コーチ(前バルドラール浦安監督)を招いたが、これはこのインタビュー後に判明したことでこの記事には反映されていません。そのことをお断りしておきます。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▼“勝てばプレーオフ”という重圧

Pivo! 町田にとって昨シーズンは終盤にいろいろあった激動のシーズンだった。

関野 ほんとにあと一歩、手がかかってる状態だったんで。プレーオフも全日本選手権も。でも、最後の最後まで結構根を詰めてというか切羽詰まった試合をできたはできたんで。そういう意味では充実したシーズンだったと思います。

Pivo! その“あと一歩”へ何が足りなかったのか?

関野 リーグのほうでいうと、最終的な要因となったのはあの浜松戦(最終節に4-6で敗退)だったと思うんです。“勝てばプレーオフ”という状況でああいう試合で、浜松相手ということで、メンタル的な弱さというものが出てしまった。今シーズン、というかこの3年間、メンタル的な成長があったと思ってるんですよ、僕は。なんですけど最後の最後で、今まで経験したことのない“ここさえ勝てばプレーオフ”っていうところと、それ以前のところで、浜松戦がどうなろうと結構プレーオフ進出が決まりそうな状態をずっと僕ら過ごしてきた。その期間がちょっと長かったんで。みんなの中でも“あ、行ける!”“また駄目だった”“行ける!”“また駄目だった”という状態が続いた(笑)。で、結局、大分セントラルでも大阪が名古屋に勝っちゃったりという番狂わせがあって。“え~!? じゃ、やっぱり最終的に浜松戦に勝たなきゃいけないんだ!”っていうところの最終的なプレッシャーっていうのは多分あったと思うんですね。精神的な疲れもあったし。プレッシャーもあったし。ま、でも、プレーオフへ行くべきチームだったらあそこは勝つべきだったと思うし。

▼前期の7引き分けが尾を引いた

関野 ま、ただ、そこだけ見ちゃうとそれが原因になっちゃうんですけど。長いシーズン、前期と後期があって、やっぱり前期の引き分けの多さっていうのは結局は尾を引いてしまったっていうのは間違いなくあったんで。

Pivo! 前期、ペスカはなんと、6勝5敗7引き分け! しかもロースコアのドローが多く、点がとれず勝ち切れずにもがき苦しんだ時期が続いた。

関野 あの7引き分けの中で2つ勝ちにしてればね、3位のバルドラール浦安から6位の府中アスレティックFCまで4チームが勝ち点8で並んでたから、勝ち点10で前期3位で終わってるんですよ(最終的には前期7位)。で、前期3位で終わってたら、もうとっくに(プレーオフ進出は)決まってたんですよ。

Pivo! 大阪も前期2位の貯金がものをいって最終的にプレーオフ進出をつかんでいる。

関野 そうなんですよ! パッて見ると、浜松戦に負けたから行けなかったって思っちゃうかもしれないですけど、でもリーグの全体を通していうと、やっぱり前期、勝つべきところで勝てなかったってところが結局は尾を引いてしまったのかなと思います。

Pivo! 勝ち切れない試合が多い前期だった。

関野 ほんとっす。勝たなきゃいけない試合だったり。逆にいうと負けてもおかしくないのを引き分けたりっていうのがあったと思うんですけど。あと、前期、スタートでジャッピーニャ(本田)がいなかったっていうことが要因としてありましたね。ジャッピーニャが復帰してからの数試合は、やっぱリ、ジャッピーニャが点を獲って勝ってるんで。だから引き分けが多かったときというのはジャッピーニャがケガしている時期で、あと1点! というところでのジャッピーニャの不在っていうところでの苦しみはありましたよね。

Pivo! 帰ってきたときの活躍は、さすがエースというにふさわしいものだった。

▼ホームゲームのアドバンテージ

関野 だからといってね、ジャッピーニャが点獲らなきゃ勝てないっていうチームじゃ駄目だと思うし。そういう意味で選手層というか、点を獲れる選手っていうのが足りなかったのは間違いないんで。

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