“戦術伝道師”木暮賢一郎インタビュー_1「U23ではパラレラとエントレリーニャスの組み合わせを重視。ひとりでも多くの選手が成長するためのヒントを与えています」(2013/10/7)
9月の全国選抜真っただ中の花巻市総合体育館で、グレこと木暮賢一郎FリーグU23選抜チーム監督に遭遇した。あれ、どうしてここに? との問いかけに、「スカウティングに来ました」とさらりといったが、監督として自らのコーチングに何をどう反映し生かすか、そのためのヒントをつかもうとする意欲を感じた。と同時に東京都選抜対北海道選抜戦後には北海道の精神的支柱である菅原選手らを生徒に、たった今終わったばかりの試合内容をベースにピッチの傍らでグレによる“戦術道場”が開かれた。作戦ボードを使ってパラレラの必要性を熱く説く、グレ。その姿まさに“戦術伝道師”だった。当サイトはそのあとにグレをつかまえて話を聞くことができた。
まとめ◆デジタルピヴォ! 山下
チーム戦術の完成度をあげるのは個の力
Pivo! たった今終わった東京都選抜対北海道選抜の試合で一番印象に残った部分は?
木暮 フットサルのシステムというか、チームとしての戦い方というのは東京も北海道もやろうとしているスタイルはしっかり見えました。Fリーグと比べても遜色ないものだし、それは地域リーグとはいえ、日本のフットサルのレベルが上がってきていると感じましたね。
Pivo! それはFリーグでも通用する?
木暮 あくまで、やろうとしているスタイルの話。東京は前からプレスにいったり、1stセットはピヴォを使うとかの思考ですよね。それはFリーグのチームに勝つとかどうとかじゃなくて、ただやるんじゃなくて、高いところを目指して。引くのが悪いのではなくて、引くならなんで引くのかという狙いですよね。カウンターとかで、スピードある選手がいるのかとか。どういう戦術でやっているのかというを考えてやっているんだなと。
Pivo! おのおのが意思のこもった追求をしていると。
木暮 そうですね。何がいいか悪いかはないですから。それはAが好きか、Bが好きかの話なんで。AならAでやることをしっかり目指してね、信念をもって。なんのためにやるのかというのが見えたのはすばらしいと思いますね。ただ、個々の選手はFリーグとか世界につなげていくと、細かい、個人戦術という言葉が適切なのかは分からないですけど、チームで前からプレス行きましょうとか、ピヴォを使いましょうというのがあるとする。そういったものの完成度を上げていくには個人の部分が大事。個の部分というのは、ドリブルがうまいとか、パスがうまいということだけじゃなくて、ボールにプレスがかかっているか、かかっていないかというのをしっかり感じて、自分がどういうポジションをとっているのか。パラレラをするってなっても、本当にパラレラすればよかったのかとか、後ろのサポートをつくるためには抜けたほうがいいのかという決断力というのが、スペインとかブラジルは高いわけで。その細かい駆け引きやフェイクが意味がある。そういうところが上がったうえで、最初の(チームの)枠のレベルが上がるわけですから。
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