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[マッチレポート]近年まれに見る名勝負が生まれた理由(スペインカップ準々決勝第4試合)(2013/4/27)

収容人数4,000人のうち1,500人以上のセゴビアのサポーターがスタンドを埋めた。試合開始直前にはあまりにも観衆が集まったので地元警察が入場を制限し、チケットが手元にあるにもかかわらず会場に入れない人も出るという事態が起こっていた(最終的にチケットを持った人は全員入場できた)。地元のインテルに比べると数は少なかったが、より大声を出していたセゴビアサポーターが選手たちを大きく後押ししていたのは間違いない。

 

文・写真◆座間健司

 

 

観衆がチームを勝たせることはない。どんなに多くの観衆が集まっても、チームのクオリティが対戦相手に比べて格段に劣ってしまえば、勝つことはできないからだ。一方、こういうこともできる。サポーターの後押しがなければ、勝つことができない試合もある。セゴビアにとって、このゲームはまさにそういう類の試合だった。

スペインカップ準々決勝第4試合は今季の大会開催地をホームとするインテルとセゴビアが対戦した。スペインリーグが1989-1990シーズンに始まってから約23年。インテルとセゴビアはスペインを代表するチームであり続けている。インテルはリーグ最多優勝記録を誇り、いつの時代も勝利にプライオリティを置いている。そういうクラブだ。一方のセゴビアもリーグを代表するクラブだ。現在はスペイン代表の監督を務めるベナンシオが90年代後半から2000年初頭にかけて、ダニエル、ルイス アマドらを擁し、リーグ制覇、インターコンチネンタルカップ優勝など一時代を築いた。近年も現在インテルの監督を務めるヘスス ベラスコが率い、アルゼンチン代表のマティアスらを中心にプレーオフ決勝に進出している。両者には伝統がある。さらにマティアスやヘスス ベラスコが現在インテルにいるようにインテルは常にセゴビアのいい人材を引き抜いてきたという歴史もある。最近だけではない。過去にも監督のヘスス カンデラス、ゴレイロのルイス アマド、現役を引退したダニエルもセゴビアからインテルへ移籍している。そんな事実もあり、セゴビアのサポーターはインテルが自分たちのホームに乗り込んで来るととにかく憎悪のすべてをぶつける。

 

準々決勝第4試合、館内は超満員だった。ホームのインテルを応援する人はもちろん、セゴビアのサポーターも大型バスでやって来て、館内の4分の1以上を埋めていた。あまりにも人が多いので、警察が入場を制限するほどだった。また熱心なセゴビアサポーターが太鼓を叩き、インテルのサポーターがその楽器を取り上げようとしてスタンドでいさかいも発生。会場はこれ以上ないくらいの熱気に包まれていた。

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