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【無料記事】インタビュー:さいたまSAICOLO小野監督独占インタビュー

 

関東女子フットサルリーグ最終節が行われた12/23(土)、日本リーグ及び関東リーグに参戦しているさいたまSAICOLOの小野監督から発表があるという話があり、試合後に小野監督に独占インタビューを行った。

小野監督:まずこの場を借りてご報告させていただきますが、私、小野直樹は今シーズンを持ってさいたまSAICOLOの監督を退任させていただく事になりました。一番大きな理由としては、日本リーグの規定が男子のFリーグに倣って、来季からチーム代表及び運営担当責任者と現場の監督、コーチ、選手の兼務はできない旨の通達がありました。その為、来季は誰か代わりの担当を育てながらと考えていました。当初文書には”原則”という文言があったので、来季は引継ぎ期間として良いかとお伺いをしてみましたが、それはできませんと。原則とは書いてあるものの、本来ホーム&アウェイで行うには、兼務をしない体制でやるべきであり、先延ばしにするのではなく、来季から本来の形でやりましょうという事になりました。Fリーグの女子クラブはそういった体制でやっているのでそういう意見になるのは仕方ないとは思います。ただ、いま女子の各クラブの体制、特にFリーグの女子クラブではないチームはなかなか体制作りからやっていかなければならず、それを少しずつ改善してと考えていました。ただそういう方向になり、現状では他に運営委員をやれる人がいない状況です。具体的には行政との折衝、スポンサーさんへの営業、ホーム運営等をすべて私が携わってきていました。もちろん選手は手伝ってくれますが、音頭を取ったり、取りまとめたりする事ができないので、仕方ないかなというのが、一番の大きな理由です。

二番目としては多くの女子チームで監督をされている男性の共通の悩みかもしれませんが、選手との距離感が気になっていました。勝っている時は良いのですが、大事な試合に負けた後等のロッカールームの中の様子まで分かりませんし、距離を感じる事がありました。一番感じたのが、8/19(日)関東リーグ第7節、府中市立総合体育館での府中戦、最後勝負賭けてパワープレーをしたものの堀田が怪我をして、最後残り28秒で点を獲られて負けた試合、誰も見ていなかったかもしれませんが、試合後のベンチの様子でとても感じました。もちろん自分は完璧ではないですし、トレーニングだけでなくて、ピッチ内外のチームを作るという部分でまだまだ足りない所はあるとは思いますが、自分の出来る限りではやっていますし、今の時代では言い過ぎではないかと受け取られる部分もあるかもしれません。ただそれは自分のスタイルだし、境界線も気を付けるようにはしていますが、大事な試合に負けた後の凄い距離感を感じました。こういう言い方をするとおこがましですが、最初SAICOLOに来た時は、皆、初めて聞く言葉、初めてやる練習にとても食いついてきました。現在だと自分の言葉は普通になってしまったのかなと感じるようになりました。その為、新しい風を吹かせた方が良いのかなと感じていたのも事実で府中戦の後に選手4人からなる理事会メンバーに「今季で辞める事を考えている」と伝えていました。そこで今回運営委員をどうするとなった時にも、チームの代表である高橋から「監督を辞めるなら、小野さんが運営委員やったらどうですか」と言われました。高橋にそう言われた時に吹っ切れたというか、監督は辞めようと決めました。チームを作ったのは私ではないですが、日本リーグをやるかどうかの決断をさせたのは私ですし、足を踏み入れた以上、監督をやらないからもう知らないという訳にはいかない、責任もありますし、今後はクラブの運営やフロントという面でSAICOLOの為にできる範囲でやっていこうと思いますし、もしかしたら自分の新たなフィールドの一つになるのかなと前向きに捉えています。具体的には法人、クラブがしっかりと運営出来るにはどういう仕組みを作ったら良いかという事を試行錯誤しながらやっていこうかと考えています。

流れとしては監督から身を引こうと考えていた所に運営委員と話しが来たのでそちらに専念しようという事でしょうか。

小野監督:というか運営は誰もできないので、やるしかないかなと思った時に高橋の話しがあって、高橋にそう言われたのであれば、きっぱり辞めようと決断しました。

フットサルA級ライセンスもお持ちですし、指導への未練はありませんか?

小野監督:それはあります。まだ今季日本リーグのプレーオフが残っていますが、まだ日本一を獲った事はありませんし、今年は怪我人が多くて大変でしたし、来季もしかしたら、もっと新しい選手に出会えるのではないかとか考えます。女子フットサルでは最高峰のリーグですし、それに出場しているクラブでもありますし、なくはないですよね。ただ現状を考えたり、皆の事を考えたりした時に新しい風を吹かせた方が良いかなと思いますし、何よりこのままだとクラブとして停滞して途中でギブアップして日本リーグに参加できませんという状況になってしまうかもしれませんので、それは絶対に避けなくてはなりません。但しクラブに言ったのは運営委員の仕事をしっかりとこなして、日本リーグにも行きますが、関東リーグには行かないよと。公式戦のベンチに入る事はしない。それで他のチームからオファーがあったら、行くからねと言ってあります。運営委員の仕事に穴は空けないのは大前提として、日本リーグ、関東リーグのチームは対戦の可能性があるので、やれませんが、他のカテゴリーから、例えば東京都のエントランスリーグから2部に上がりたいとか、関東リーグに上がりたくて何度かチャレンジしているものの上がれないとか、男女問わずそういうクラブから自分が必要とされるのであれば、チャレンジしてみたいなという気持ちはあります。それはクラブに話はしてあります。もしそういう話があれば前向きに考えようかなと思っています。

– SAICOLOに下部組織とかU-15カテゴリーを作るという選択肢はありますか?

小野監督:めちゃめちゃ考えていますが、とてもいまそこまで人を割けないです。ハードの面もソフトの面も、練習場所についても。全くどこからもオファーが無かったら、少しSAICOLOの為になるような事を考えていて、例えば自分が横浜でフットサルコートを運営しているのでそこを使って等、妄想レベルですが考えています。

もう1点関東リーグの運営についてです。誤解をして欲しくないのですが、決して関東リーグの運営委員の方々の批判をしているという事ではありません。今季の関東リーグの順位ではフウガドールすみだレディースさんが優勝、VEEX TOKYO Ladiesさんが2位になり、日本リーグに所属していないチームが地域CLへ出場。そこから下に日本リーグと関東リーグに併用参加しているチームが続きました。全ての理由とは言いませんが、これは少なからず日程が影響しているのではないかなと思っています。もう少しお互いに女子フットサルのレベルを上げるとか女子フットサルを見に来てくれる人の為に魅力的な試合にするという観点が欲しいと思っています。日本リーグが先に日程が決まってしまうかもしれませんが、後から決まる関東リーグも日本リーグの日程を考慮して来季はスケジューリングしていただきたいという希望があります。どうしても連日の日程になってしまうという事は理解しますが、その場合はせめて24時間空けるとかの考慮をして欲しいと思います。結果というのもありますが、良い試合ができないというのが問題だと思っています。良い試合ができれば関東リーグのレベルが上がり、関西や北信越の地域に対しても充分やっていけると思っているのです。そういう事を踏まえて関東の女子フットサルのレベルを上げるという意味で考慮していただきたいと思っています。これは府中さんや浦安さんも同様の悩みを持っているのだと思います。特に今季ウチは大きな怪我をする人が多く出てしまいましたが、体への負担ももちろんですが、目に見えないメンタル面への負担も大きいと思います。関東は男子の1部、2部、女子をまとめて会場を抑えて割り振りをしています。女子は男子と環境が違って日本リーグと関東リーグの併用参加を認めている訳ですから、関東女子フットサル委員会だけでなく、関東フットサル連盟として考慮して欲しいです。繰り返しになりますが、成績云々ではなく、選手の体調や良いパフォーマンスを出して、レベルの高い試合をするという事の為に検討いただけないかと考えています。リーグがレベルアップする事が、リーグ自体の価値を上げる事につながります。ウチが連日の試合だったからとか、勝った、負けたという事を問題にしている訳ではなく、いま関西や北信越の後塵を拝している関東リーグのレベルアップの為に、レベルの高い試合をする為に関東フットサル連盟には切に希望したいと思っています。この意見を聞いて少しでも賛同いただける方がいて、その結果レベルの高い関東リーグになってくれると自分は非常に嬉しいと考えています。

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