東本貢司のFOOTBALL Dungeon

Begin The Begin : これが“コージー”フットボールだ?! 紳士のスポーツの肝心要は”ルール”!?

東本氏がこれまでに手がけてきた多くの著作や記事のアーカイブから、自選の物に加筆、はたまた大幅リライトしてお届けしようではないかという新企画「Begin The Begin」の第1弾。

 そこに氏が持ち出してきたのは、23年前のまだフットボール文化が成熟していない頃の読者に向けてのフットボール論。ですから、文中では「サッカー」という表記が多用されるのも、なんだか東本氏の文章からすると不思議な感じ…。それでも、きっちりフットボール、もとい、サッカーがどんなスポーツかは説明して、興味をもたせるのはさすがだなと感じさせる一品、東本流フットボールもといサッカー論、どうぞお楽しみください。

 

東本氏の前説

コロナ禍に翻弄されるままに、およそ“未知の領域”迷い込んで模索する各国プロ・フットボールリーグ・・・・。そのあおりでどこか遣る瀬ない気分を引きずって“様子見”を決め込んでいるうちに、ふと、フットボール・ジャーナリズムに関わってきて節目の30年目を迎えていることに気が付く、という、妙に悩ましくも感慨深い今日この頃ーーー。

 ならばこの際、これを天啓と決めつけて過去30年間の“自跡”を振り返りつつ、心機一転、明日の糧を見出し新境地を手探りするーーーなんて、“見事なまでの牽強付会(けんきょうふかい)”はいかがなりや?!(ため息ものの牽強付会、平にお許しを!)

 というわけで、あたふたと“膨大な資料の山(を収めたハードディスクの奥底)”を穿り返したあげく、記念すべき“先陣”を務めさせることにしたのは・・・・・。

 そう、“侍ジャパンなんとか”が史上初めて、ワールドカップ本大会の大舞台に打って出ることになった1998年、その初春に某TVプログラムのガイドブック相当として企画された、いわく「ワールドカップ・ビギナーズのための副読テキストブック」―――中の冒頭の一編。

 20数年ぶりに読み返してみて、あゝ、それはもう、幼き頃の我が子を思い出すかのように、ほろり破顔一笑、ごくりと呑み込む唾の数条に、額にじんわりアブラアセ、ひんやりこそばい背筋のどこそこ・・・・!

 まずは、何はともあれ、とにもかくにも、心して、いや、どうか心に忍の一字をぐっと噛みしめ刻み込んで、お読みいただかれんことを―――(折あらば、率直忌憚なきご感想を。改めて今後の貴重な糧とさせていただきます。拝)

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