公開記事【磐田の歓喜・特別編】マリノス番・舩木記者に聞くジョン・ハッチンソン(1)マリノスでは本当に難しいミッションだった
ジュビロ磐田は今シーズン後半の横浜F・マリノスを率いたジョン・ハッチンソン新監督を迎えて、J2の2025シーズンに挑みます。マリノスを継続的に取材している「蹴鞠のトリコ」の舩木渉記者にハッチンソン監督のキャラクターや強み、課題などを聞き、ジュビロの新シーズンを展望します。
(1)マリノスでは本当に難しいミッションだった
河治
ジュビロの新監督がジョン・ハッチンソンさんに決まりましたけど、ジョンに関してはエックスでマリサポの評価を見ても結構、賛否両論だったりします。現場でずっと観てきた舩木さんの印象はどうですか?
舩木
僕はサポーターの評判とか何とも言えないですけど、近年で言えば一番厳しい時に、監督というやったことない仕事を引き受けてくれて。最終的には軟着陸というような表現になるんでしょうけど、最悪の事態を避けて、うまい具合にチームをまとめて、出来うる限り良い形でシーズンを終えてくれたんじゃないかなと。やれることはやってくれた。本当に難しいミッションだったと思うので。
河治
ジョンを評価する意味でもマリノスの今シーズンを振り返りたいですけど、キューウェルさんからジョンに替わる流れをざっくりと振り返りたいと思います。どういう1年でしたかね。
舩木
とにかく試合が多くて、めまぐるしく状況が変わり、もう61試合、ニューカッスル戦を含めて62試合やってたので。振り返る暇もない状態で、ずっと来てしまって。僕もそうだし、選手たちもおそらくそうでしょうけど、どこで何があったか細かく覚えていないぐらい、怒涛の1年だったんじゃないかなと思いますね。
河治
はい。
舩木
ハリーさんのところで言うと、最初に彼がやろうとしたことが、今までやってきた方向性とは少し違ったと。そこに選手が戸惑ったところもあって。ACLっていう大きな目標があった中で、そこに力を入れていくっていうのがハリーの方針でもあったので。そこで準決勝を突破して、決勝まで行ったことは素晴らしい成果として、クラブが次の目標を意識できるような結果を残してくれた。ただ、やっぱりチーム作りの面では課題が多かったですし、彼にとって不幸だったのは今年ぐらい忙しくなってしまって、自分がやりたいことを伝えきれない。なかなかコミュニケーションもとりきれないとか、やりきれない部分が出てしまった。
河治
うん。
舩木
ハリーにとってもトップリーグは初めてで、自分が見知ったスタッフが一人もいないような状況で、すごく難しかったでしょうし、そう言うサポート不足も課題としてつなげなきゃいけない半年間だったなと思いますね。ハリーは結果出なかったので仕方がなかったですけど、可哀想な部分もあったのかなと。
河治
なるほどね。