サッカーの羅針盤

ほぼ公開【元川悦子のヤマガアイ第11話】甲府で奮闘する佐藤和弘の今(前編)キャプテンやって、山雅を降格させて本当に申し訳ない。

5月28日の鹿児島ユナイテッド戦でまさかの逆転負けを喫し、11節終了時点で勝ち点15と9位に沈んでいる松本山雅。とはいえ、今季のJ3は大混戦。独走しそうなチームは1つもない。首位・鹿児島とも6イント差で、まだまだ巻き返せる範囲内。そう前向きにとらえて勝ち点を積み上げていくしかない。
そんな古巣のことを気にしているのが、今季からJ2・ヴァンフォーレ甲府に新天地を見出した佐藤和弘だ。

中京大学を出て、ツェーゲン金沢、水戸ホーリーホック、甲府、大分トリニータとJFLからJ1まで泥臭く駆け上がった技巧派MFが松本山雅に赴いたのは、2020年10月。柴田峡監督(現JFL青森)の下で「チーム再生請負人」として奮闘。同年はJ2・17試合のみの出場だったが、佐藤のプレーは異彩を放った。

そこでクラブ側も大きな期待を寄せたのだろう。2021年はキャプテンに就任。「42試合全部出られるように体を作っている。攻撃リズムを作るのは自分次第。味方を生かすも殺すも自分次第」と気合を入れていた。

ところが、ご存じの通り、同年の山雅はシーズン序盤から低迷。6月には柴田監督が解任され、名波浩監督が後を引き継いだ。その後も佐藤は試合に出続けていたが、一度失った流れを最後まで取り戻せず、まさかのJ2最下位でJ3降格を余儀なくされた。

彼は最終節のV・ファーレン長崎戦後のセレモニーで号泣。何としても1年でJ2復帰させると強く決意した。しかし、2022年は大卒ルーキー・菊井悠介、住田将らの台頭もあって出番が減少。後半に入ってコンスタントに出るようになったが、チームの失速を止められず、昇格のキーマンにはなり切れなかった。

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