サッカーの羅針盤

公開記事【山雅探報】[特別企画]霜田正浩監督にビジョンを聞く(1)プレーモデルのアップデート

松本山雅の監督に就任して、活動をスタートさせた霜田正浩監督。J3は開幕までの時間がJ1やJ2より遅めですが、その時期にどういったことを仕込んで行きたいのか。鹿児島合宿(2月8日から)の前まで数回に分けて、霜田監督の言葉から、プレーモデルと戦略性を紐解いて行きます。

 

(1)プレーモデルのアップデート

ーー「ゲート」という言葉をよく使っています。つまり二人のディフェンダーの間に生じている門の間から、裏にボールを通すという意味だと思いますが、その意図は?

ボールを持つことが目的ではなくて、相手のゴールに向かうことが目的なので。堅守速攻がボールを握るチームに転換するときに、一番陥りやすいのが自陣でボールを引っ掛けられて、カウンターを食らうということが多いので。

できるだけゴールの意識は無くしたくない。ボールを握る、ボールを繋ぐのは何のためかを常に、練習の中で意識させたいと思っています。

ーーゴールを目指す上で、最初に見る場所というのは今の時点でも示している?

(キャンプの前の時点では)方向性のある練習しかやっていないし、ただ、どっちに向かって攻めるとか、ボールを持った時にどこを見るとか。繋ぎながら、握りながらそういう方に向かって行くというのをやっています。

ーー開幕までの段階は?

松本の1週目、2週目で、1週目はとにかく概念を伝えて練習をする。2週目はそれを実際のゲームに落とし込むというところです。

和歌山に行ってからはそれをハードにやる。まず頭と体を両方一緒に動かすのは大変なので。寒いし、人工芝だし、怪我をしたくないので。とにかく頭を先に動かしてもらって、その次に和歌山で体。鹿児島に行ってからは両方を合わせて、戦えるメンタルとフィジカルのコンディションを鹿児島に行ってから作りたいなと。

ーーレノファ山口の時に散々聞いたので、その確認になっちゃう部分もありますけど、プレーモデルのキーになるところは?

山口の時とちょっと違って、変わったのがボールを繋ぐ、ボールを握る、でもそこに相手のゴールがある、方向性があるというのが、ちょっと変わってるところで。3トップに点を取らせたいし、3トップとトップ下の4枚にできるだけ早くボールを渡したい。

それが渡せないなら1回バックパスするとか、サイドを変えるとか、手数をそこでかけるのは良いですけど、手数をかけるのはなんでというのを落とし込みたいです。

ーー3トップというと誤解されちゃいがちですけど、システムではなくて、最終的に3枚がゴール前で仕留める仕組みということですね。

システムは別に何もこだわりがなくて、ゴールの前に点取る人間が一人ではなかなか点にならないので、3人いてほしいと思っているし、さらに4人目が関わると。

ーーミニゲームの中でもボールを持ってラストパスを出そうとする選手に対して、前にいる一人プラス二人加わって、3人になっているシーンが見られます。

ボールを乗ってる人にちょっとでも時間があって、顔が上がって、前を向けたら、前にパスを出したいので。ボールを持ってる人の前に、たくさん人を置きたいと思っています。

即時奪回が当たり前になってきているので、ボールの近くに人を増やせるところが、リスク管理につながると思っている。そういうのが少し、今までと違って、ボールの周辺の選手の数とか距離とかを変えようと思っています。

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