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スフィーダ世田谷FCが連勝の好スタート 静岡SSUボニータとヴィアマテラス宮崎は連敗 2025プレナスなでしこリーグ1部(無料記事)

スフィーダ世田谷FCが迫力ある戦いで静岡SSUボニータを退ける

2025プレナスなでしこリーグ1部 第2節の注目カードはスフィーダ世田谷FCと静岡SSUボニータの対戦。スフィーダ世田谷FCが41で勝利しました。スフィーダ世田谷FCは42分、45分に連続得点、そして、76分、79分にも連続得点。見事に攻め切りました。

柏原美羽選手(右)は150試合出場の表彰を受けた。激しい攻防がスタンドを沸かせた

女子サッカーの素晴らしさが詰まった派手な熱戦

静岡SSUボニータは横山久美選手が4本のシュート。いずれも重く迫力のある弾道で、これをゴールキーパーの石野妃芽佳選手(S世田谷)が好セーブで防ぎました。1本でも決まっていたら、勝負の行方はわからなかったでしょう。スフィーダ世田谷FCは内田美鈴選手の鮮やかなオーバーヘッドシュート、堀江美月選手の迫力満点のダイビングヘッドがゴールネットを揺らし、派手で見応えのある試合となりました。

別格の力を見せた横山久美選手

昨シーズンまでのベースに新戦力の個性が加わるスフィーダ世田谷FC

42分の先制点と76分の追加点は篠原沙耶選手によるもの。篠原選手は今シーズンに伊賀FCくノ一三重から加入しました。左のタッチライン際を主戦場とするアタッカーです。29分に交代出場し初出場を果たし2得点の大活躍。技術があるため、守備者のアプローチを見てギリギリでプレー選択を変えられるのが特徴です。身長165センチとサイズがあるのも魅力。今シーズンの注目選手となりそうです。

71分に交代出場した近藤彩優子選手も面白い存在です。攻撃のアクセントとなる持ち味を発揮しました。近藤選手は昨シーズンまでオルカ鴨川FCで10番を背負った選手。スフィーダ世田谷FCのポジション争いが激化しそうです。

2得点の篠原沙耶選手(中央)、奮闘の根本彩夏選手(左)とゲームをコントロールした金子ゆい選手(右)

試合後に、スフィーダ世田谷FCの川嶋珠生監督に、交代選手が活躍できる要因を質問すると、このような答えが返ってきました。

「昨シーズンまで指揮をとられていた神川監督のベースがあり自分たちの良さを発揮しているところがあります。29名全員がきちんと日々に向き合ってきた成果がピッチに現れています。だからこそ新加入選手が思い切ってプレーできると思います。」

過去に優勝争いを経験した選手も多く、これまで熟成してきたチームの特徴を継続して戦えそうです。

静岡SSUボニータの強力なアタッカーを封じた湯江歩選手(左)と攻撃で存在感を示した近藤彩優子選手(右)

女性監督同士の戦いが女子サッカーの未来を広げる

昨シーズンまではコーチだった川嶋監督は、今シーズンから初めて指揮官となりました。前評判の高い静岡SSUボニータとの対戦。そして、女性監督同士の対戦について話してくれました。

「簡単なゲームはありません。どちらに転がってもおかしくない攻防の中で、本当に選手たちが今シーズンに懸ける思いをピッチで表現してくれたと思います。

(静岡SSUボニータの本田美登里監督は)リスペクトしている女性指導者です。経験値では勝てないので、どう攻略していくかが楽しみの一つでした。静岡SSUボニータは前節で惜しくも敗戦しているので今日に全てを賭けてくると感じていました。脅威となる土屋佑津季選手と横山久美選手をどのように封じていくか。さらに使わせないためにどのように持っていくかを入念に準備しました。最終的にはアタッカーの選手たちがきちんと点をとってくれたのは狙い通りでした。」

川嶋珠生監督と握手する本田美登里監督

奮闘の横山久美選手はチームを引っ張ると約束

逆に、敗れた静岡SSUボニータの横山選手は「発展途上のチームなので簡単には勝てない」とした上で、自らの責任を語りました。

「失点した後に崩れていってしまったので、自分のプレーで示していかなければいけないと思っています。」

静岡SSUボニータとディフェンディングチャンピオンのヴィアマテラス宮崎が連敗。2025プレナスなでしこリーグ1部は10月12日(日)の第22節まで熱戦が続きます。

(2025年3月23日 石井和裕)

川嶋珠生監督

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