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ニールセン監督絶賛ゴール サンフレッチェ広島レジーナが一対一の勝負で勝る ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは戸惑いもう一歩前に出られず(無料記事) 

視察したなでしこジャパン(日本女子代表)のニルス・ニールセン監督を笑顔にする好ゲーム 

2025年3月22日にフクダ電子アリーナで行われた2024−25 SOMPO WEリーグ 第15節はサンフレッチェ広島レジーナがジェフユナイテッド市原・千葉レディースを2−0で下しました。 この試合をなでしこジャパン(日本女子代表)のニルス・ニールセン監督が視察しました。

なでしこジャパン(日本女子代表) ニルス・ニールセン監督 写真提供:WEリーグ TOP写真も

サンフレッチェ広島レジーナ・吉田恵監督の采配がジェフユナイテッド市原・千葉レディースのペースを狂わせる 

「相手が前からあまり来なくて、ブロックをコンパクトにしてきた。ボールの動かし方や崩し方をもっと勉強しなければいけないです。」 

ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの大澤春花選手は無得点に終わった試合を振り返りました。 

大澤春花選手(千葉L) 写真提供:WEリーグ

前からの守備への準備をするも、サンフレッチェ広島レジーナは前から来ない

ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは、この試合に向けたトレーニングで、ビルドアップの確認を繰り返してきました。特に、サンフレッチェ広島レジーナが、ボールを保持する最終ラインやゴールキーパーに前から圧力をかけてくる前提で、パスをつないで前進する方法を念入りに身につけてきました。しかし、サンフレッチェ広島レジーナは一枚上手でした。予想に反しミドルブロックを構成。前からではなくボールが中盤に入ってから激しい守備でボールを奪いにかかり、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースの前進を阻みました。 

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サンフレッチェ広島レジーナ 吉田恵監督が「気合」を語った理由

試合後の監督会見でサンフレッチェ広島レジーナの吉田恵監督に「一対一に迫力があり強い印象を受けた原因は個々の選手の力か、戦術か、それとも気合なのか」を質問したところ「一番は気合だと思います」と笑顔で答えが返ってきました。 

「気持ちの部分がやっぱり全面的に出るのが一対一の勝負だと思います。特に守備の面において非常に気持ちの部分が大きいと思います。選手の気迫が一対一の勝負で勝つ方に転がっている。その気持ちの部分を毎試合で出すのは難しいと思うのですけが、このくらいのレベルで出していかないと目標としているトップ3に勝利する試合を続けていけないと思います。これを続けられられるように、強さを発揮できるようにやっていければと思います。」 

吉田恵監督とニルス・ニールセン監督がサンフレッチェ広島レジーナのファン・サポーターに言及 写真提供:WEリーグ

サポーターのアツい応援に応える

この日のフクダ電子アリーナのメインスタンドは、約半分が紫に染まりました。一つひとつのプレーに大きな拍手が起き、選手を後押ししていました。特に一対一の守備対応に起きる大きな拍手のうねりはチームの戦術と一体化しており、選手に自信をもたらしてくれるのではないでしょうか。吉田監督は監督会見に感謝の言葉から入りました。 

「広島のファン・サポーターが駆けつけてくれて、試合前からものすごい声援・応援を送っていただいたので、選手はすごく気合が入ったと思います。本当にありがとうございました。」 

後半にサイドのポジションで起用された柳瀬楓菜選手の攻守に渡る活躍が試合の流れを変えた  写真提供:WEリーグ

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前節に続いて徹底されたインテンシティ

瀧澤千聖選手は献身的に走り続けました。 

「(吉田恵監督から)切り替えのところはすごく意識するように言われています。前節もすごく良い切り替えができていました。今日もしっかりと試合に出たと思います。スタメン争いも、とても良い競争ができています。もっとチームとして底上げをしながら勝ち続けたいと思います。」 

力強いプレーが印象に残る瀧澤千聖選手 写真提供:WEリーグ

 インパクト十分だった2得点

1点目は中盤で奪ったボールを上野真実選手がすぐさま放ったロングシュート。無人のゴールにボールが吸い込まれていきました。 

なでしこジャパン(日本女子代表)のニルス・ニールセン監督は、試合後に取材対応し、自らの鼻を触りながら「上野選手はゴールに対する嗅覚が優れている」とプレーを絶賛しました。 

2点目は交代出場した呉屋絵理子選手がコーナーキックを押し込みました。得点を確認するとゴール裏に走り広告看板の前にまで来ましたが、飛び越える寸前で自制。3月9日に大和ハウスプレミストドームで広告看板を飛び越えて3メートル近くを転落した兄・呉屋大翔(J2千葉)選手のパフォーマンスを途中まで再現した上で、極めて安全に自陣に戻りました。 

ボランチでもプレーすることになった呉屋絵理子選手(中央) 写真提供:WEリーグ

なでしこジャパン(日本女子代表)ニルス・ニールセン監督がWEリーグ視察で注目した4人の選手とサポーター

実力伯仲の中位争いは続く

激しく、鋭く、明るく楽しいサンフレッチェ広島レジーナらしさを表現する試合となりました。サンフレッチェ広島レジーナはウィンターブレイク後に3試合連続で引き分けていましたが、ここで白星。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは1分3敗となりました。 

(2025年3月22日 石井和裕) 

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