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王者・ヴィアマテラス宮崎、大物補強・静岡SSUボニータ……群雄割拠のなでしこリーグ1部 3月15日開幕カードは帰ってきた岡山湯郷Bellevsスフィーダ世田谷FC

なでしこリーグ1部・全チームの選手監督が集まり健闘を誓う 

2025プレナスなでしこリーグ1部はアマチュア女子サッカーリーグの最高峰です。2025年3月10日、JFAハウスで2025プレナスなでしこリーグ開幕記者会見が開催されました。2025プレナスなでしこリーグは1部、2部ともに3月15日(土)に開幕します。1部で口火を切るのは13時キックオフの1試合、岡山湯郷Bellevsスフィーダ世田谷FCです。岡山県津山陸上競技場で開催されます。

今回は、注目チーム、注目選手に絞って2025プレナスなでしこリーグ開幕をお伝えします。

全チームの選手が集合した

盛り上がる気配を見せる日本の女子サッカー、なでしこリーグの選手はどのように戦うのか 

2025年に入って、日本の女子サッカー界は盛り上がりを見せています。なでしこジャパン(日本女子代表)が2025シービリーブスカップでアメリカ女子代表を破って優勝。サンフレッチェ広島レジーナは、202425 SOMPO WEリーグ 第13節でエディオンピースウイング広島に2万156人のファン・サポーターを集めました。なでしこリーグでプレーする選手は、こうした機運をどのように感じているのでしょうか。

「なでしこジャパンもサンフレッチェ広島レジーナも、素直にすごいと思っています。なでしこリーグが、この先もっと盛り上がっていくには選手の地道な活動やゲーム自体を面白くしていかなければいけないと思っています。頑張っていきたいと思っています。」(小島美玖選手:ASハリマアルビオン)

小島美玖選手(ASハリマアルビオン)

「観客数が多いと選手は力を出せます。私たちはアマチュアリーグならではの地域とのつながりを大切にして、なでしこリーグをもっと盛り上がげていけるように頑張りたいと思います。」(筬島彩佳選手:愛媛FCレディース)

筬島彩佳選手(愛媛FCレディース)

なでしこリーグ全体が盛り上がるために、まずチームとしてしっかり地域の方々に応援してもらえるように盛り上げていきたいと思います。(朝倉加奈子選手:日体大SMG横浜)

朝倉加奈子選手(日体大SMG横浜)

アカデミー生として岡山湯郷Belleの歴史を見てきた内田好美選手の誓い

地域の盛り上がりといえば、岡山湯郷Belleが、なでしこリーグ1部に帰ってきました。昨シーズンは2024プレナスなでしこリーグ2部を優勝。20勝2分0敗の圧倒的な成績でした。かつては宮間あや選手、福元美穂選手らを擁して一時代を築いた古豪が9年ぶりの1部リーグです。

内田好美選手(岡山湯郷Belle)

記者会見に出席した内田好美選手は開幕戦の開催地・岡山県津山市出身の29歳。WEリーグでのプレー経験があります。

「2部にいたときに、ほとんどのチームと対戦したことがないです。今の自分たちの立ち位置を感じました。

プレーする選手は変わっても、地元の皆さんはずっと応援してくださっています。長い歴史の中でずっと見守ってくれています。応援してくださる皆さんのためにも、日々、頑張りたいです。」

内田選手は岡山湯郷Belleの下部組織育ち。岡山湯郷Belleの躍進により湯郷温泉がたくさんの人で埋まった頃のことも覚えています。

「私個人としてはBelleのアカデミー生として、降格したときの悔しさとか、Belleがなでしこリーグ1部のレギュラーシーズン(2014年)で優勝した喜びとかを見てきたので、今、こうして1部に戻ってきたシーズンに自分がBelleで戦えることに気持ちが高ぶる部分があります。その思いを持って戦おうと思います。」

昨シーズンの岡山湯郷Belleはホームゲームの平均入場者数が1千人を超えました。1部に昇格した今シーズンは、さらに盛り上がることでしょう。

「良い意味で『怖いもの知らず』です。自分たちより強度やレベルが高い相手との試合が続くと思いますが失うものはないです。全力でぶつかって目の前の試合を勝利していきたいと思っています。」

追われるヴィアマテラス宮崎が目指す自分たちらしさ 

ヴィアマテラス宮崎は連覇を目指します。2021年シーズンに九州リーグ2部に参戦して以来、毎年、全てのディビジョンでリーグ優勝し昇格を繰り返してきたチームは、初めて昇格なく、しかも追われる立場となります。

記者会見を終えた水永翔馬監督に話を聞くと、開口一番に「厳しいシーズンにはなると思う」という答えが返ってきました。初めての経験、そして、得点源だった齊藤夕眞選手が大宮アルディージャVENTUSに移籍しました。

「でも、自分たちは常にチャレンジャーです。自分たちらしさを常に出すことが重要になります。」

水永監督の姿勢は変わりません。

水永翔馬監督(ヴィアマテラス宮崎)

嘉数飛鳥選手もチャレンジャーの姿勢を崩しません。ただ、記者会見の中で、これまでのヴィアマテラス宮崎とは違う立場に立っていることを感じました。

「どのチームも強いだろうなと思いますし、昨年に優勝したことで追われる立場になって、私たちの対策をしてくるチームもたくさんあるだろうと思いました。

昨シーズンも、ずっとチャレンジャーと言い続けてきました。昨シーズンは本当にチャレンジャー精神の勢いと自分たちらしさで優勝できて良かったと思います。それでも(夏の)中断明けには警戒されてきたことを選手全員で感じましたし、今シーズンは昨シーズンよりも、やはり警戒され分析されると思うので、そういう意味では『追われる』格好です。」

嘉数飛鳥選手(ヴィアマテラス宮崎)

それでも、ヴィアマテラス宮崎は連覇をする力を十分に持っています。嘉数選手に、今シーズンは何をファン・サポーターに披露したいのかを聞いてみました。

「厳しい試合の中でも、全員攻撃・全員守備。技術もすごく大事だと思いますが、選手全員で、最後まで諦めずアツい持ちを見せてたくさん勝利し、見に来てくれた人に笑顔で帰ってもらうことですね。」

ヴィアマテラス宮崎は、今シーズンも「地域の花」となることでしょう。

WEリーグ空白地の東海地方・中京圏周辺3チームが優勝を狙う

昨シーズン、ヴィアマテラス宮崎と最後まで優勝を争ったのはニッパツ横浜FCシーガルズと朝日インテック・ラブリッジ名古屋でした。強力な戦力を維持したニッパツ横浜FCシーガルズは初優勝に闘志を燃やしています。小須田璃菜選手はファン・サポーターにメッセージ。

「応援してくれる方々が増えていいますが、それを当たり前だと思わずに、感謝の気持ちを持って今シーズンこそ優勝できるように全力で頑張っていきます。今年もともに戦ってほしいです。」

小須田璃菜選手(ニッパツ横浜FCシーガルズ)

朝日インテック・ラブリッジ名古屋は磯村健監督が2022年シーズン以来3年ぶりに監督復帰しました。4月26日(土)に第7節・伊賀FCくノ一三重戦をLA・PITA東員スタジアム(三重県員弁郡東員町)で開催します。これは2025プレナスなでしこリーグ2部・ヴィアティン三重レディースvsFC今治レディースとのダブルヘッダーです。

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