WE Love 女子サッカーマガジン

日経MJヒット商品番付企業は、なぜ、なでしこリーグ2部・大和シルフィードと共感しコラボするのか

女性のライフステージをサポートする「フェムサポ」を展開・アツギが大和シルフィードとコラボイベントを開催

「今日、初めて、こうしたイベントをやってみて、とても意義のある活動だと感じました。」(アツギ 開発本部 本部長 井上優哉さん)

大和シルフィードと、ストッキング・タイツ・インナーウェアのアツギ(アツギ株式会社)が、2024年12月14日にショッピングセンターでコラボイベント「スポーツ女子応援プロジェクト」を開催しました。大和シルフィードとアツギが外部に向けたセミナーイベントを共同開催するのはこれが初めてです。

なでしこリーグ2部・大和シルフィードとアツギに現地取材

大和シルフィードの戦うディビジョンは、なでしこリーグ2部です。アツギは、日本のストッキング業界をリードしてきた企業。東証スタンダード市場に上場しています。こうした企業が、なぜ、JリーグでもWEリーグでもなく、なでしこリーグ2部の大和シルフィードとコラボイベントを開催したのでしょうか。その理由をイベント会場で取材しました。

左から小川彩乃選手、梶井鈴音選手、杉浦華穂選手、 橋本紀代子社長

小学4年生から中学3年生の女の子を対象にした親子参加型のイベントを開催

会場となったイオンモール大和には、女の子の歓声がこだまし、笑顔が輝いていました。「スポーツ女子応援プロジェクト」は「学びジュニアブラ講座」「体験ジュニアブラ試着会」「遊ぶシルフィード選手とレクリエーション&ウォーキングサッカー」の3つのパートで構成されています。

保護者も一緒にウォーキングサッカー

アツギの写真と大和シルフィードの選手が女の子たちに体験機会を提供 

大和シルフィードからは、甲斐奈菜美選手、遠藤麻衣選手、杉浦華穂選手(午前の部)、梶井鈴音選手、小川彩乃選手、杉浦華穂選手(午後の部)が参加しました。大和シルフィードの選手は、自らのプレーするチームの活動を、明朗に自信を持って語ります。

杉浦選手はアツギで働いています(2024年12月現在)。

「私自身は、幼い頃、変化し新しいものを取り入れることがちょっと嫌で抵抗感を持つ時期がありました。こうした知識を得ることは大切だと思うので良い機会でした。」

杉浦華穂選手(所属は2024年シーズンまで)

アツギは大和シルフィードのトップパートナー

アツギは「肌と心がよろこぶ、今と未来へ。」をパーパスに掲げ、人々の健康課題や女性の社会課題に真摯に向き合いながらヘルスケア分野を強化することを成長戦略の一つと位置付けています。2024年から大和シルフィードのトップパートナー(ユニフォームパートナー)となりました。

ジュニアブラ講座では成長や着用シーンに合わせてどれを身につけるのが最適なのかポイントを説明

女の子と保護者の気になることを伝える機会を創出

アツギはジュニアブラロングセラーブランド「ハイジュニ」を展開しており、初めてブラジャーを購入する女の子や保護者に最適な商品選択のノウハウを有しています。しかし、それを消費者に直接伝える機会がなかなかありません。逆に、保護者は、そうしたノウハウを入手する方法をよく知りません。

イベントに参加した大和シルフィードの選手に聞いてみると、大和シルフィードがアツギとコラボイベントの形式で実施したことに意義があると考えていました。

「女子選手にとってセンシティブな部分を隠してしまいがちでもあり(対象年齢の女の子は)知識をどのように得たら良いのだろうと考えるテーマです。このようにオープンに、また、アツギさんと一緒にやれてきたので、すごく安心感があったと思います。いつも、試合会場で明るく声をかけてくださる方々と一緒なので、楽しみながら実施できました。」(梶井鈴音選手)

梶井鈴音選手(右)

「今日のお話を聞いて、スポーツブラにもさまざまな種類があり、人それぞれに合ったものがあることを知りました。今回は、(アツギから参加された)女性社員が多かったので、とてもやりやすかったです。」(小川彩乃選手)

小川彩乃選手

商品開発への協力も実施し、双方の事業を推進するパートナーに

大和シルフィードにとってアツギは、目指す3つのWOMEN EMPOWERMENT(女性アスリートの心身の健康、働く女性のヘルスケア、7〜14歳の女の子のスポーツ実施)を推進する上で、とても心強いパートナーです。

取り組みのスタートは広告的な分野ではなく商品開発に関する調査から 

アツギは、トップパートナーとなる以前に、スポーツのときに選手が着用するインナーについて選手と座談会を開催したり、月経のときに着用する吸水型サニタリーショーツの使用感をヒヤリングしたりする活動から、大和シルフィードとの接点を深めていきました。

アツギの新ブランド「みんなの、みんなの。」は2024年日経MJヒット商品番付に入る大ヒット。脱ぎ着がしやすく、肌に優しく、扱いやすいアイテム

重要だった地域貢献とWOMEN EMPOWERMENTの志

アツギがなぜ大和シルフィードのパートナーになったのか、重要な要素の一つとして「地元に貢献したい」という考えがあります。アツギは神奈川県海老名市を拠点としている企業です。大和市は神奈川県の同じ県央地域。お隣の市ですから、最も近くにある有力な女子スポーツチームなのです。

1月25日(土)には岩渕真奈さんを招いて大和なでしこサッカーフェスティバルが開催される大和市(フェスティバルは大和市スポーツ課が開催)

そして、さらに重要なのは志の共感でした。開発本部 本部長の井上優哉さんは「女性をエンパワーメントする考えが、僕らが目指しいてるところとすごく近い」と話します。一緒に取り組みを重ねるうちに大和シルフィードのいろいろな活動を知ることができ、特に、女子選手のヘルスケアに真剣に向き合っているチームであることがわかりました。

ボールがあれば、年齢差を越えてすぐに遊びが始まる

アツギは「フェムサポ」という活動をしています。女性の様々なライフステージに寄り添ってきた歴史と、これからもそうありたいという想いを込めた「フェムサポ」を旗印とし、フェムテックの認知拡大を図り、製品バリエーションを拡げ、女性の社会課題解決に貢献しようとしているのです。

「大和シルフィードは選手の皆さんが自分らしく生き生きと活躍できる環境を提供されています。知れば知るほど共感が生まれていきました。」

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