横山久美選手は岡山湯郷Belleでの今シーズンを目標達成で終えたのか 22試合で32得点 なでしこリーグ2部最優秀選手賞と得点王を受賞
世界最高峰を知るスターの決断と岡山湯郷Belleにもたらしたこと
人口は約2万4千人の美作市に女子サッカーの賑わいが戻ってきました。なでしこリーグ2部は、WEリーグを1部リーグと考えれば3部リーグに相当するリーグですが、平均入場者数は1千人を超えました。地元では「ラサ」と呼ばれる岡山県美作ラグビー・サッカー場は、再び市民の集う場になりました。その立役者となった横山久美選手は最優秀選手賞と得点王に輝きました。
チーム存続すら危ぶまれていた岡山湯郷Belleに帰ってきた
横山選手は、岡山湯郷Belleに復帰する際、このようなコメントをしていました。
「高校を卒業してすぐにお世話になったクラブです。私は、ここでだけ何も結果を出せなかった。恩返ししてから女子サッカー選手を引退したい。」
長野でブレイクし、ドイツ、アメリカへ羽ばたいた横山久美選手
横山久美選手は、かつて、この街でプレーしていました。アンダー年代の日本女子代表でのプレーが素晴らしく世界的に注目を集めた選手です。しかし、なかなか岡山湯郷Belleでは実力を発揮できませんでした。
その後、移籍しAC長野パルセイロ・レディースで才能を開花。なでしこジャパン(日本女子代表)でも得点を重ね、日本を飛び出し、フランクフルト(ブンデスリーガ)、ワシントンDC、ニュージャージー・ニューヨーク(NWSL)でプレーしました。
横山選手を慕う仲間の力を結集した
一方、岡山湯郷Belleは、その後、主力選手が引退、移籍、フロントスタッフの交代、体制変更……なでしこリーグ2部に降格、さらには地域リーグへの降格危機にまで陥り、存続すら危ぶまれていました。
そこに、横山選手が帰ってきました。2023年シーズンに横山選手が加わった岡山湯郷Belleは息を吹き返しました。勝利はファン・サポーターを呼び寄せました。地域の協力も取り付けました。そして、岡山湯郷Belleには、実力ある選手が続々と加わりはじめました。
INAC神戸レオネッサから加わった栫井美和子選手
栫井美和子(かこいみわこ)選手も、今年、岡山湯郷Belleに加わった選手の一人です。INAC神戸レオネッサではリーグ戦1試合、カップ戦3試合に出場。アカデミー時代から7年間もプレーした神戸を離れ、美作市にやってきました。今シーズンは10得点を記録しています。
なでしこリーグ登録1年目、2005年生まれということもあり、2024プレナスなでしこリーグ表彰式では、なでしこリーグ2部の新人賞を受賞しました。
「来季は1部で厳しい戦いになると思います。この賞に満足せず頑張るので応援よろしくお願いします。」
栫井選手は堂々とスピーチしました。
地域が明るくなっていくことをすごく感じ「もう少しだけ頑張ろうかな」と思った背景
横山選手は受賞スピーチで会場を沸かせました。
「偉大な先輩たちから受け取れたこと、嬉しいです。今年は個人として、なでしこリーグ通算150ゴールという節目だったので、いろいろなゴールを思い出します。もう少しだけ頑張ろうかな、と思うので、これからも応援をよろしくお願いします。」
表彰式を終えた横山選手に「もう少しだけ頑張ろうかな」の意味を聞きました。
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