厳しい練習を乗り越えたからこそ華やかな舞台がある 女子サッカーの個性が集まった2024プレナスなでしこリーグ表彰式
なでしこリーグ1部優勝・ヴィアマテラス宮崎からベストイレブン4人 最優秀選手賞には齊藤夕眞選手
2024年11月12日に2024プレナスなでしこリーグ表彰式が開催されました。いつものユニフォーム姿とは異なり、各々の個性が表現されたファッションで、受賞者が大きなシャンデリアの下に集まりました。
2024プレナスなでしこリーグ1部YouTube配信 公式テーマソング『brave』を歌うまるりさんも登壇し、セレモニーに花を添えました。プレゼンターとして、なでしこリーグの先輩・レジェンドも登場。和やかなムードで、1年間のシーズンの健闘を讃え合いました。
20得点以上が2人のハイレベルな得点王争い
なでしこリーグ1部の最優秀選手賞には齊藤夕眞選手(ヴィアマテラス宮崎)が選ばれました。重ねた得点は20得点。しかし、得点王は2点差で土屋佑津季選手(静岡SSUボニータ)に譲りました。壇上で齊藤選手は得点王を逃したことを「悔しかった」と話し、舞台裏で土屋選手に「7点とるなよ」と話したことを微笑みながら明かしました(土屋選手は第17節の1試合7得点を含む22得点)。表彰式後の齊藤選手をはじめとするヴィアマテラス宮崎の取材コメントは記事の後半でご紹介します。
2024プレナスなでしこリーグ表彰式受賞者
〈なでしこリーグ1部〉
優勝:ヴィアマテラス宮崎(初)
第2位:ニッパツ横浜FCシーガルズ
第3位:朝日インテック・ラブリッジ名古屋
フェアプレー賞:ニッパツ横浜FCシーガルズ(初)
〈なでしこリーグ2部〉
優勝:岡山湯郷Belle(2回目)
第2位:JFAアカデミー福島
第3位:FCふじざくら山梨
フェアプレー賞:ディアヴォロッソ広島(2回目)
〈なでしこリーグ1部〉
個人表彰
・最優秀選手賞
齊藤 夕眞 FW ヴィアマテラス宮崎(初)
・ベストイレブン
垣内 愛菜 GK 朝日インテック・ラブリッジ名古屋(初)
長谷川 朋佳 DF 朝日インテック・ラブリッジ名古屋(2回目)
松田 遥奈 DF ヴィアマテラス宮崎(初)
渋谷 巴菜 DF ニッパツ横浜FCシーガルズ(初)
三浦 桃 MF 朝日インテック・ラブリッジ名古屋(2回目)
小須田 璃菜 MF ニッパツ横浜FCシーガルズ(2回目)
永野 桃子 MF ヴィアマテラス宮崎(初)
土屋 佑津季 FW 静岡SSUボニータ(初)
齊藤 夕眞 FW ヴィアマテラス宮崎(初)
嘉数 飛鳥 FW ヴィアマテラス宮崎(初)
新堀 華波 FW スフィーダ世田谷FC(初)
・得点王
土屋 佑津季 FW 静岡SSUボニータ(初)
・敢闘賞
土屋 佑津季 FW 静岡SSUボニータ(初)
・新人賞
藤原 愛里 MF スフィーダ世田谷FC
・優勝監督賞
水永 翔馬 ヴィアマテラス宮崎(初)
〈なでしこリーグ2部〉
個人表彰
・最優秀選手賞
横山 久美 FW 岡山湯郷Belle(2回目)
・得点王
横山 久美 FW 岡山湯郷Belle(3回目)
・新人賞
栫井 美和子 FW 岡山湯郷Belle
〈特別表彰〉
・200試合出場選手
浮田 琴音 MF 福岡J・アンクラス 2024/3/16達成
濱本 まりん FW 大和シルフィード 2024/4/14達成
大矢 歩 MF バニーズ群馬FCホワイトスター 2024/4/21達成
丸形 梨恵 DF 福岡J・アンクラス 2024/5/25達成
小須田 璃菜 MF ニッパツ横浜FCシーガルズ 2024/9/28達成
中野 里乃 MF ASハリマアルビオン 2024/10/13達成
松浦 渚 MF 大和シルフィード 2024/10/19達成
浜田 遥 FW 大和シルフィード 2024/10/19達成
・最優秀審判員賞
松尾 久美子(2回目)
・特別賞
吉澤 久惠
昇格1年目でなでしこリーグ1部を制したヴィアマテラス宮崎
今シーズンのなでしこリーグは1部でヴィアマテラス宮崎が、2部で岡山湯郷Belleが爆発的な攻撃サッカーを披露し席巻しました。
ヴィアマテラス宮崎は歴史の浅いチームです。2020年に宮崎県児湯郡新富町に創設。2021年に九州リーグ2部を優勝(全8試合/全勝)、2022年に九州リーグ1部を優勝(全16試合/全勝)、2023年になでしこリーグに参入しプレナスなでしこリーグ2部を優勝(全18試合/14勝4引き分け)。創設以来、リーグ戦負けなしで、2024プレナスなでしこリーグ1部の開幕を迎えました。
個性豊かなチームが華やかな舞台で輝く
16勝5敗1分で堂々たる初優勝。全選手が壇上に上がりました。個性あふれる選手たちのファッションセンスはそれぞれ。胸に輝くメダルの形もバラバラなので、いかにも現代の女子サッカー選手が並ぶ彩となりました。
地元での注目は高く、宮崎県のローカルテレビ局が取材に訪れました。
水永翔馬監督は北澤豪さんから優勝監督賞のトロフィーを受け取りました。
「選手は、厳しい練習や、いろんな困難を乗り越えたからこそ、こうした華やかな舞台があるということを改めて感じました。また、ここに戻ってこられるようにやっていきたいと思います。」
苦難もあった選手それぞれの人生
2人のベテラン選手は、今シーズン、そして、ここまでの自らの歩みをどのように振り返るのでしょうか。聞いてみました。
苦しい時間の方が長かった嘉数飛鳥選手
嘉数飛鳥選手は主将としてチームを牽引してきました。大学を卒業後、最初に所属したチームは、当時、最も恵まれた環境でプレーできる東京電力女子サッカー部マリーゼでした。
しかし、2011年に発生した東日本大震災でチームは休止。その後、ベガルタ仙台レディース(現・マイナビ仙台レディース)、オルカ鴨川FC、全保連琉球デイゴス(現・琉球デイゴス)でプレー。オーストラリアでもプレーしています。久しぶりのなでしこリーグ1部。そして、優勝。ここまでの選手人生を振り返って何を思ったのでしょうか。
「ただ楽しい時間がずっとあったかといったらそうでもない。苦しい時間の方が長かったのですが、それを乗り越えてきました。本当に(辞めずに)やってきて良かったというのが率直な気持ちです。
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