リスとの距離感 大宮アルディージャVENTUSの進む道はまだ提示されず レッドブル・大宮アルディージャ 特別イベント
「女子も強化したい」発言があるも大宮アルディージャVENTUSの呼称、タイポグラフィ、ビジョンの発表なしだった「レッドブル・大宮アルディージャ 特別イベント」
2024年11月6日、さいたま市大宮……ではなく東京六本木で「レッドブル・大宮アルディージャ 特別イベント」が開催されました。かねてから注目の集まる大宮アルディージャの進む方向やクラブプロパティ(エンブレム等)が発表されるとあって、多くの報道陣がレッドブル・ジャパン本社に詰め掛けました。
WE Love 女子サッカーマガジンでは、大宮アルディージャVENTUSとマスコットに軸を置いてレポートします。
RBライプツィヒのエンブレムをベースに、オレンジとネイビーを取り入れたエンブレムを発表
登壇したのは3名。Red Bull GmbH(レッドブル・ゲーエムベーハー)CEOのオリバー・ミンツラフさん、レッドブルサッカーテクニカルディレクターのマリオ・ゴメスさん、そして、RB大宮株式会社 代表取締役 兼 フットボール本部長の原博実さんです。
レッドブルの商標デザインと類似デザインのエンブレムを採用
「一歩一歩」「話し合いを重ねて」という表現を何度も使用するプレス・イベントとなりました。 Red Bull GmbH(レッドブル・ゲーエムベーハー)は言葉を選び慎重に発信してきました。注目のクラブプロパティ(エンブレム)は、予想通り、グローバルで展開されているレッドブルを強調したデザインです。これも「話し合いを重ねて」決定したとのこと。
RB大宮アルディージャ「RB」は「芝生の球技」の意味
クラブ創立以来26年の歴史を積み重ねてきた大宮アルディージャにドイツ語の「Rasen Ballsport(芝生の球技)」の略称である「RB」を加えたRB大宮アルディージャが呼称となり、赤い「RB」と雄牛を用いたエンブレムが発表されました。これまでセカンドカラーとして使用してきたネイビーに、オレンジをあしらったデザインで「継続と発展」を表します。
この呼称とデザインは、ブンデスリーガのRBライプツィヒのエンブレムをベースに開発されています。また、各クラブが独自性を打ち出したエンブレムを設定しているJリーグとWEリーグにおいて、ここまで親会社の商標デザインに準じたデザインのエンブレムを採用したことは画期的といえます。呼称に盛り込まれる「RB」の使い方は、JリーグではASフリューゲルス、ジェフユナイテッド千葉と類似。
話し合いを強調、エンブレムデザインからリスのビジュアルが消える
「私たちとクラブの方と話し合いをして、こういった形で良いのではないかというところで決めた形です。オレンジ色も入っています。これからも、この形でずっとファンの皆様に愛され続けていきたいと思います。
私たちは、こういったことを決めていく上で、大宮アルディージャのクラブの皆さんといろいろと突き詰めて話をしてきました。そして共通の理解に達しています。」
オリバー・ミンツラフ CEOは、エンブレムからリスのビジュアルが姿を消したことについては「アルディージャ」という文字に残っているという説明をしました。
「名前がRB大宮アルディージャとなり『リスは完全に消えてしまったわけではない』と理解しています。」
現役時代に遠藤航選手、浅野拓磨選手とチームメイトだったレッドブルサッカーテクニカルディレクターのマリオ・ゴメスさんは、エンブレムから感じる強さについて話しました。
「これまでいろいろな形で日本の強さを見てきました。日本の選手たちが体現しているのはチームのために貢献するという強い心、思いだと思います。それを私はとても素晴らしいことだと思います。力を尽くすこと、集中することがこのエンブレムから見て取れるのではないかと思います。」
質疑応答以外で大宮アルディージャVENTUSに関する発言がなかった オリバー・ミンツラフCEO 原博実本部長は「女子のトップチーム」と表現
Red Bull GmbH(レッドブル・ゲーエムベーハー) は大宮アルディージャVENTUSに、どのような好影響を与えてくれるのでしょうか。Red Bull GmbH(レッドブル・ゲーエムベーハー)が大宮アルディージャVENTUSと女子サッカーについて、現時点で明言された手がかりはほとんどありません。逆に、そこから見えてくることもあります。
大宮アルディージャVENTUSのプロパティ(エンブレム、タイポグラフィ等)や呼称は発表されず
オリバー・ミンツラフ CEOは約60分間の「レッドブル・大宮アルディージャ 特別イベント」の中で「J1への昇格」「 J 1でもしっかりと根付く」「さいたまダービーの実現」「Jリーグの本当に強いチャンピオンに」「アジアの舞台へ」といった表現を含む発言をしました。本腰を入れてRB大宮アルディージャを強くする決意が感じられました。以前から、大宮アルディージャを応援されてきたファン・サポーターには心強い言葉ばかりです。
ただ、自ら、大宮アルディージャVENTUSの展望を話すことはありませんでした。
RB大宮アルディージャのビジョンについて約15分間のプレゼンテーションを行っていますが、そこには大宮アルディージャVENTUSもWEリーグも現れませんでした。また、大宮アルディージャVENTUSのプロパティ(エンブレム、タイポグラフィ等)や呼称は発表されていません。
特に、大宮アルディージャVENTUSの呼称は関係者から注目されていました。なぜなら、Jリーグと違い、WEリーグは企業名入りの呼称を認めているからです。
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