WEリーグの面白さ 技術の高さと駆け引きで得点を重ねる日テレ・東京ヴェルディベレーザ AC長野パルセイロ・レディースはカウンター攻撃で対抗(無料記事)
美しいゴールシーン盛りだくさんの西が丘 日テレ・東京ヴェルディベレーザが5−1で勝利
2024−25 SOMPO WEリーグ 第7節 日テレ・東京ヴェルディベレーザは味の素フィールド西が丘にAC長野パルセイロ・レディースを迎えました。
取材テレビカメラ多数、BS日テレで生中継された注目カード
この試合は木下桃香選手のプロデュースで「味の素フィールド西が丘に集合するのじゃ!」と銘打ち各種イベント盛りだくさん。日本テレビでの前宣伝、BS日テレでの生中継、そらジロー、くもジロー、ぽつリン、ウィーナの来場もありました。しかし、残念ながらキックオフ頃から冷たい雨。前半終了間際からは逆サイドの選手が見えにくくなるほど強い雨足となりました。
木下選手は「味の素フィールド西が丘に集合するのじゃ!」について「雨でもやって良かったです」と話しました。集客数字だけを目標とするのではなく、女子サッカーの楽しさや「女子サッカーは、こんなに良い雰囲気の空間なんだ」という会場づくりを目指していたからです。
試合前のベレーザパークには、ファン・サポーターの笑顔が溢れていました。
菅野奏音選手が点獲り屋としても発揮する才能
試合は菅野奏音選手が前線で大活躍。日テレ・東京ヴェルディベレーザはAC長野パルセイロ・レディースを5−1で下しました。松田岳夫監督は菅野選手をセンターフォワードに起用する理由について話しました。
「ボールが収まる。プレッシャーを受けても高い位置で起点を作ってくれるので、味方が追い越す、あるいはサポートできる。本当に数秒なのですが時間を作ってくれる大きな存在だと思ってます。」
菅野選手に、前線で時間を作る秘訣を聞くと、予想外の答えが返ってきました。
「自分は、相手が動いたのを見て、どうするか、その場で考えるタイプです。タメを作るのは一番楽しいところです。」
1点目の左ポストに当たったシュートも、コースが見えていて狙いうちだったそうです。さらに、自身この試合2点目は小学生のとき以来だというヘディングシュートです。点獲り屋として大活躍。
若い力で得点を奪い続ける
WEリーグ初スタメンとなった氏原里穂菜選手はトラップから素早く狭いコースを狙う技術の高いシュートを決めました。松永未夢選手、交代出場の樋渡百花選手も存在感を印象付ける得点をしています。勝負に貪欲な若い選手たちがより多くの出場機会を得るためにも結果を残します。
強みを存分に印象付けることができたAC長野パルセイロ・レディース
得点差が開いたものの、AC長野パルセイロ・レディースにとっては悲観する必要のない試合でした。狙っていた前からの守備のプレッシャーは90分間を通して貫くことができました。奪ってからのカウンターは鋭く、パスをつないで人数をかけた攻撃も繰り返しできました。
「前に仕掛ける強みがあるからこそ、簡単にしてしまう失点のところが自分たちの課題です。そこを防ぎ切れば点につながってくる。」
岡本祐花選手は、AC長野パルセイロ・レディースの目指すサッカーに手応えを感じながらも課題を話しました。
「前回の試合(10月9日:2024−25 WEリーグ クラシエカップ グループA第4節)ではベレーザさんのプレスに押されてできなかった部分もあったのですが、今回はシュートを打って終わるところまでできたとが良かったと思います。」
ただ、菅野選手のような駆け引きの上手い選手に対しては、一対一でもっと粘り強い対応をする必要性も感じました。今後は、このまま強みを伸ばしつつ、課題の解決を図ります。
チームの特徴が強く現れ女子サッカーの面白さが感じられる試合
この強い雨の中でもファン・サポーターは声援を送り続けました。選手は、それに応えました。試合後は、双方のサポーターが対戦相手にエールを送りました。WEリーグの素晴らしさが感じられる一戦でした。
(2024年11月2日 石井和裕)
笑顔に包まれた「味の素フィールド西が丘に集合するのじゃ!」試合前