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女子サッカー ニュージェネレーションの台頭 国立開催の意味 23人全員集合 佐々木なでしこジャパンのトレーニング2日目

なでしこジャパンは23人うち8人が20歳前後

10月26日(土)に国立競技場で開催する日韓戦(MIZUHO BLUE DREAM MATCH 2024)を戦うなでしこジャパン(日本女子代表)メンバーが高円宮記念JFA夢フィールドに揃いました。

今回は、チームを中盤で支える長谷川唯選手(マンチェスター・シティ)と長野風花(リバプール)に、この日韓戦の意味をお聞きしました。また、注目のニュージェネレーションから藤野あおば選手(マンチェスター・シティ)、浜野まいか選手(チェルシー)、松窪真心選手(ノースカロライナ・カレッジ)の声をお届けします。

松窪真心選手(ノースカロライナ・カレッジ)

コンディションに合わせて4グループでトレーニング 

土方麻椰選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が怪我で参加を断念し、追加招集された上野真実選手(サンフレッチェ広島レジーナ)もまた、コンディション不良のため1日で離脱となり、代わって塩越柚歩選手(三菱重工浦和レッズレディース)が合流しました。予定では23日(水)に合流予定だった田中美南選手(ユタ・ロイヤルズ)が1日早く合流したため、これで、なでしこジャパン(日本女子代表)のメンバーは全員が揃いました。小山史乃観選手(ユールゴーデンIF)、塩越柚歩選手(三菱重工浦和レッズレディース)のみ屋内でトレーニングしています。

ピッチでは3つのグループに分かれてトレーニングが行われました。大塚慶輔フィジカルコーチのグループと内田篤人コーチのグループ、それに、西入俊浩ゴールキーパーコーチのグループです。松窪選手は、前夜に帰国したばかりですが内田コーチのグループでトレーニングしています。

大熊茜選手(INAC神戸レオネッサ)

また、対戦する韓国女子代表はメンバーを発表。すでに来日し、狭いピッチで素早くパスを回すトレーニングを行っています。

谷川萌々子選手(ローゼンゴード)、長野風花選手(リバプール)

忘れてはならない国立競技場で試合をする大きな意味

長谷川唯選手(マンチェスター・シティ)と長野風花選手(リバプール)は、なでしこジャパン(日本女子代表)を支える中軸選手の立場から、この試合の意味を話しました。次の世代の女の子たちとファン・サポーターに、日本の女子サッカーをつなげていきます。

「監督が決まってない状況で、周りの人から見て『この合宿どうなんだ?』というところはあるかもしれないですけど、監督がどうであれ、このチームが、今、始まったということは変わらないです。さらに、日本で試合をできるので、いろいろな人に見てもらえるチャンスです。監督がどうこうというより、自分たちができるサッカーを見せられたら良いと思います。

サポーター、小さいお子さんも含め(日本の皆さんと)関われる機会が少ないので、見てもらって(女の子たちには)『こういうふうになりたい』と思ってもらえるプレーがしたいです。」(長谷川唯選手)

「監督が決まっていないので、私たちも『どうなるのだろう?』というところは、正直、メンバー発表でもありましたけれど、韓国女子代表と試合をできる、しかも、国立競技場でできる、東京で開催する……なので、いつもはなかなか来られないファン・サポーターの方々も来てくださると思います。ファン・サポーターの方々に少しでも何かを伝えられるプレーをしなければいけない。新しいなでしこジャパンのスタートなので、皆で引き締まったゲームができればと思います。」(長野風花選手)

長谷川唯選手

ニュージェネレーションの台頭で日本の新しい女子サッカーが動き出す

浜野選手は、10月17日にUEFA女子チャンピオンズリーグのトゥウェンテ戦で得点。続く、イングランド女子プロサッカーリーグ・WSLでもトッテナム戦で先制点。公式戦2試合連続得点の好調なタイミングで帰国となりました。チェルシーでは「技術の面では『トップトップ』。良いポジショニングを習得すればもっと相手を上回ることができる」と指導されているそうです。

浜野まいか選手(チェルシー)

いつの間にか増えていた2003年以降生まれ 

今回の日韓戦を戦うなでしこジャパン(日本女子代表)は浜野選手をはじめ20歳前後のニュージェネレーションの選手が増えました。23人のメンバーのうち、2003年以降に生まれた選手が8人(土方選手の離脱前は9人)です。

小山史乃観選手と一緒にプレーするチャンスを得た浜野まいか選手

「本当に嬉しいというのが一番ですす。(小山)史乃観とはセレッソのときから一緒にプレーしてきたので、ずっと『一緒にサッカーをしたい』と言っていました。こういう(日韓戦という)場でできるのは本当に嬉しいことです。」

浜野選手と小山選手は同学年。セレッソ大阪堺レディース(現C大阪ヤンマーレディース)で育成年代を過ごしました。今では、2人とも、欧州のトップレベルのチームでプレーしています。これまでは、なでしこジャパン(日本女子代表)に招集されると、最も若い世代のイメージで招集されることが多かった2004年生まれですが、いつの間にか出場数では9番目に多い選手となります。

「とりあえず浜野まいからしくプレーしたいです。先輩とか(の立場は)本当にないと思います。でも(ポジション争いの)危機感もあります、しっかりと自分のプレーを出せたらと思います。」

ニュージェネレーションと一括りにすると違和感も現れる女子サッカーの一面も

大熊茜選手(INAC神戸レオネッサ)
石川璃音選手(三菱重工浦和レッズレディース)
小山史乃観選手(ユールゴーデンIF)
古賀塔子選手(フェイエノールト)
藤野あおば選手(マンチェスター・シティ)
浜野まいか選手(チェルシー)
谷川萌々子選手(ローゼンゴード)
松窪真心選手(ノースカロライナ・カレッジ)

藤野あおば選手(マンチェスター・シティ)

今回の記事では、こうした2003年から2005年に生まれた選手をニュージェネレーションと称しましたが、当事者の藤野選手からから見ると、一括りに若干の違和感があるようです。

それは、アンダー年代の「飛び級」や、アンダー年代のFIFA女子ワールドカップや五輪に出場せずフル代表のFIFA女子ワールドカップに出場することが特別に感じられなくなった日本の女子サッカーだからこそ生まれた感覚かもしれません。

「自分らの代って、なんかずっと2人だよね」世代にに道を切り開いてきた藤野あおば選手と石川璃音選手

ニュージェネレーションの選手が増えたことについて質問すると、藤野選手は「嬉しいです」と答えた後に「何というか……」と続けました。

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