2024.10.21

高校生・前原嘉乃選手のコメントから垣間見える三菱重工浦和レッズレディースというプロチームの約束 WEリーグ

2024年10月21日 0時03分　
カテゴリ：ニュース解説
タグ : AWCL • WEリーグ • 三菱重工浦和レッズレディース • 三菱重工浦和レッドダイヤモンズレディース • 女子サッカー • 浦和レッズ • 浦和レッズレディース

三菱重工浦和レッズレディースはなぜ強いのか、ジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦後の取材で残した言葉から知る

２０２４年１０月２０日、２０２４−２５ＳＯＭＰＯ WEリーグ第６節、三菱重工浦和レッズレディースの選手がフクダ電子アリーナのピッチに現れると、メインスタンドの約半分を占めた三菱重工浦和レッズレディースのサポーターから大きな遠藤優コールが起こりました。遠藤選手は翌日からなでしこジャパン（日本女子代表）のトレーンングキャンプに初参加です。

０−２でジェフユナイテッド市原・千葉レディースに勝利。試合終了直後のコールは、まず、高橋はな選手からでした。ベトナム遠征に参加せず怪我からの復帰に専念してきたムードメーカーが気迫溢れるヘディングシュートで得点しました。

今回は、前原嘉乃選手、高橋はな選手、塩越柚歩選手、遠藤優選手、そして楠瀬直木監督のコメントから感じた三菱重工浦和レッズレディースのユニフォームを着る責任とファン・サポーターへの約束をお伝えします。

塩越柚歩選手

帰国後１週間でWEリーグ。育成組織ＴＯＰ可選手に訪れた大きなチャンス

１０月６日から１２日まで、三菱重工浦和レッズレディースはＡＷＣＬ（ＡＦＣ女子チャンピオンズリーグ２０２４／２５）の３試合をベトナムで戦いました。出場したメンバーの中に秋本佳音選手、前原嘉乃選手、藤﨑智子選手の名前がありました。３人は育成組織ＴＯＰ可選手。つまり、将来を嘱望される高校生です。貴重な経験をすることができました。

帰国は１０月１３日の午後。帰国後初の試合がジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦でした。静養と準備の時間は十分ではありません。すぐに試合はやってきます。３人のうち前原選手と藤﨑選手が交代出場しました。

６１分に出場した前原嘉乃選手の自覚

試合後のミックスゾーンで前原選手に取材をお願いすると「えっ、私ですか？」と少し驚いた表情を見せました。しかし、その後の受け答えは、もうすでに三菱重工浦和レッズレディースの一員です。しっかりとした口調でわかりやすく話します。

「自分はフォワードなので、シュートをうてなくて悔しいところがいっぱいあります。次にチャンスがあれば、まずシュートをうって、チームの力になれるように頑張っていきたいと思います。」

前原嘉乃選手

ＡＷＣＬからWEリーグへ、必要だった速さへのアジャスト

楠瀬直木監督はジェフユナイテッド市原・千葉レディースを「ライバル」と表現します。昨シーズンには「只者ではない」とも話しました。強度が高く、一対一の守備のアプローチが速いチームです。この試合への準備として特に対重要だったのはスピードへの対応でした。

「スピード感を戻そうと思っていました。ＡＷＣＬが遅いというわけではないのですが、ピッチの状態が悪いこともあり感覚が全然違っていたのでトレーニングで取り組んできました。」

楠瀬直木監督

視野が広がらず球離れが遅れた序盤

遠藤選手は、なでしこジャパン（日本女子代表）に初選出され、２１日（月）から高円宮記念ＪＦＡ夢フィールドでトレーニングキャンプに参加します。前日に行われたこの試合は「ベトナムでの感覚がまだ残ってるというか、皆、スピードに慣れない部分があった。少し球離れが悪かった」と振り返ります。お互いに一対一の守備が強く、中盤でのボールの奪い合いが頻発する落ち着きのない試合でした。